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2019-momona / paper / momona_sotsu.tex
@momona momona on 3 Dec 2019 15 KB add pdf
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\begin{document}
\begin{titlepage}
\title{待ち人数共有システムの提案}
\author{廣瀬研究室4年\\C1160310 大石桃菜}
\date{令和2年1月15日}
\maketitle
\thispagestyle{empty}
\end{titlepage}

\begin{center}
 {\bfseries 概要}
\end{center}

長年、街中の各所での飲食店やアーティストのライブやコンサートでのグッズ販売などで待ち行列を目にする。最近では、若い世代のスイーツ行列が話題となっている。行列によっては、1時間以上の待ち時間が発生する場合もある。そこで、混雑により待ち時間が発生する場所で活用可能な待ち人数を事前に把握できるシステムを作成する。店側ではなくお客側が情報を共有し合うシステムとすることで、店側の負担やコスト、労力の削減につながるものとする。本研究では、酒田市の待ち時間の発生する飲食店に限定して、リアルタイムに待ち人数がわかるシステムの提案をする。スマートフォンからの簡単な操作により利用できるシステムにし、混雑の緩和や誰でも情報を共有できることを目指す。(317文字)
\tableofcontents

\clearpage

\chapter{はじめに}
研究の背景について説明する。

\section{背景}
長年の間、日本ではテーマパークでの混雑や街中の様々な店舗において行列に並んでいる風景をよく目にする\cite{plus}。いつの時代でも律儀に列を守り、行列を作り出してきた日本人だが、最近ではクチコミサイトやSNSの発展から、「インスタ映え\footnote{PC、スマートフォン向け写真共有SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のInstgramに投稿した写真や、その被写体などに対して見映えがする、おしゃれに見える、という意味で用いられる表現。「Instagram」と「写真映え」を合わせた造語。}」を狙った若い世代のスイーツ行列が話題となっている。また、普段の生活においてもスーパーのレジや人気の飲食店などで日常的に待つ機会が多数ある\cite{lan}。

しかし、そのような行列には待ち時間がつきものである。ディズニーランドや富士急ハイランド等の遊園地においてはアトラクションごとに待ち時間を表示するシステムも存在する。しかし、飲食店や屋台などにおいて待ち時間が確かめられるシステムが導入されていることは少ない。その理由としては、コストがかかることや導入してから運用していくことができない現状であること等が考えられる。

また、飲食店にとって行列の整理や管理をするような仕事が増えることは、余計な人員を割くことに繋がる。限られた従業員で仕事を分担している飲食店からすると、そういった雑務は減らしたいものだ。

この研究では、様々な場面で応用可能な待ち時間共有システムの提案を目指す。



\section{既存の研究}
関係研究には、以下のようなものがある。

七里らの研究では、東京ディズニーランドでの日常的な混雑における各アトラクションでの待ち時間を問題と捉え、スマートフォンを利用した待ち時間を考慮したアトラクションナビゲータを作成した\cite{disney}。アプリの使用のありとなしで比較実験を行い、アプリがありの方がアトラクションを早く回ることができることがわかった。しかし、1時間以内で周りきれるアトラクションを増やすことはできなかった。今後は実際に人間が移動することができるルートで算出する必要があることが判明した。

岡村らの研究では、無線 LAN アクセスポイントを用いて周辺のモバイル端末の発するプローブ要求を収集し、データを解析して待ち時間推定を行った。データ収集に用いる無線LANアクセスポイントの数は極力小さくすることでシステムの低コスト化を目指した。実際の環境における推定は、到着人数推定に関しては何かしらの改良でより現実的な結果を得られそうな結果を得られたが、待ち時間の推定に関しては全くうまくいかなかった\cite{lan}。

\chapter{待ち時間に関する現状}
待ち時間に関する現状について述べる。

\section{現状}
普段の生活において、様々な場所・場面で待ち時間が発生している。

実際に店まで足を運んだにも関わらず混雑していることや、待ち時間があることを知らずに店に行ってしまうことは日常的に起こりうることである(図\ref{fig:komari})。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{komari.png}
  \caption{待ち時間により困っている図}
  \label{fig:komari}
\end{figure}

待ち時間に関して問題の起きている現状や問題点について様々な場面を交えて以下に述べる。

\subsection{病院での待ち時間}
病院では待ち時間が発生することが多くある。平成17年に行われた厚生労働省の調査によると、予約の有無にもよるが、「15分以上30分未満」が23.3%と最も多くなっている\cite{kose}。病院での待ち時間は、病状によれば患者の負担が大きくなってしまうため、不満に思う人も多い。
\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=8cm]{kose_mati.png}
  \caption{厚生労働省「予約有無別にみた診察までの待ち時間」より抜粋}
  \label{fig:kose}
\end{figure}

\subsection{金融機関のATMでの待ち時間}
金融機関のATMで、待ち時間が発生している様子をよく目にする。アンケートによると、金融機関のATMの行列で待てる限界時間は「5分」がトップで38.8%担っている。日常的に利用する場所であるため、なるべく混雑が少ない方が良い場所であると考えられる\cite{mati}。

\subsection{飲食店での待ち時間}
飲食店でランチタイムやディナータイムなどの混雑する時間帯になると待つ時間が発生することがある。特にランチタイムは、限られた時間で食事を済まさなくてはならないことから、待てる時間の許容範囲も狭くなってくる。飲食店においては、まず席に座るまでの空席待ちと、料理が出てくるまでの待ち時間がある。2018年に行われたアンケートによると、ランチタイムにおける空席待ちで待てるじかんのトップは「10分」がトップで32.3%だった。また、料理が運ばれてくるまでの「10分」(35.3%)がトップ、次いで「15分」(27.8%)となった\cite{mati}。

\subsection{レジでの待ち時間}
身近な待ち時間のひとつには、レジでの待ち時間がある。スーパーマーケットやコンビニエンスストアにおいて混雑時にレジを待つことは多々ある。アンケートによると、スーパーマーケット、コンビニエンスストアともに「3分」がトップだった。しかし、コンビニエンスストアでのレジ待ち時間の意識を比べると、コンビニエンスストアの方が早さが求められる結果になっている\cite{mati}。

\subsection{テーマパークでの待ち時間}
テーマパークでの人気アトラクションの待ち時間は「30分」(29.3%)、「1時間」(27.0%)となった。このことから長い待ち時間が発生する場合があるとわかる。しかし、テーマパークでは、待ち時間の目安がわかってから並ぶことが多いため、辛抱強く並ぶ人が多い傾向にある\cite{mati}。

\section{既存のサービス}
既存のサービスとして順番待ちシステムが存在し、実際に飲食店で導入されているシステムもある。以下にいくつか例を挙げる。

\begin{itemize}
\item EPARK\\
導入施設、シェアともに全国ナンバーワンの実績がある。特許を取得している順番待ち・予約受付システムである\cite{epark}。

\item Airウェイト\\
幅広い業種の企業が導入している順番待ちシステムである。分析機能を活用することで、店の課題を明確化することもできる\cite{air}。

\item MyTurn\\
受付で混雑状況を明確に知ることができる。そのため、大体どのくらいの時間で席が空くかや自分が何番目に案内されるかなどの情報を把握することができる\cite{myturn}。

\item My junban\\
飲食店やクリニック、カット専門店などの混雑時に使われているシステムである。導入に必要なものはiPadのみのため、初期費用を抑えることができる\cite{myjunban}。

\end{itemize}

これらのシステムはいずれも有料で使用可能なものである。また、店舗ごとに導入しているシステムのため、様々な店舗の待ち時間情報を比較をすることができない。

\chapter{提案}
\section{システムの提案}
本研究では、酒田市の待ち時間の発生する飲食店に限定して、リアルタイムに待ち人数がわかるシステムの提案をする。スマートフォンからの簡単な操作により、利用できるシステムにしていく。



\subsection{目的}
本研究では、リアルタイムで待ち人数情報を共有し、表示するシステムを構築する。事前に待ち時間を把握することで、時間をより有意義に活用できることを目的とする。

\subsection{システムの説明}
今回は、待ち時間の発生する場所から待ち人数共有システムに待ち人数情報を送信し、それらをリアルタイムでWeb上に表示するシステムを作成する。待ち時間ではなく、待ち人数とする理由としては、時間に対する人の感じ方は様々個人差があるが、待ち人数にすることによって、個人差が生まれにくいからである。

実際に、待ち人数情報を送信する者の属性は、「店の担当者」や「システムの管理者」等に限定せず、情報を持つ人なら誰でも情報を共有できるシステムとする。
以下は、システムの流れのイメージ(図\ref{fig:image})である。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{image.png}
  \caption{システムの流れ}
  \label{fig:image}
\end{figure}

待ち人数登録画面から登録された情報が、データベースに保管され、待ち人数表示ページに反映される仕組みになっている。

\chapter{待ち人数共有システムの開発}
\section{開発環境}
\subsection{HTML}
HTMLとは、Hyper Text Markup Language の略称であり、Webページを作成するために開発された言語である\cite{html}。
\subsection{Ruby}
Rubyとは、1995年にまつもとゆきひろによって開発されたオープンソースの動的なプログラミング言語である\cite{ruby}。本研究でのバージョンは、ruby2.5.3である。
\subsection{SQLite}
SQLiteとは、軽量で速く、高い信頼性を持つSQLデータベースエンジンを実装するC言語ライブラリである\cite{sqlite}。本研究でのバージョンは、SQLite3.23.1である。

\section{システムの作成}
システムの構成としては、以下のようになる。
\subsection{待ち人数登録ページ}
待ち人数を登録するWebページである。実際に待っている人が情報を入力するため、簡潔に必要な情報を入力するものとした。入力する情報は、「待っている場所」と「待っている人数」の2点である。ここでは、sqlite3ライブラリを用い、RubyからSQlite3データベースにアクセスをしている。Webページの入力フォームからデータを取得し、上記の2点の情報をデータベースに登録する仕組みである。


\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=8cm]{toroku.png}
  \caption{待ち人数登録ページ}
  \label{fig:toroku}
\end{figure}


\subsection{待ち人数表示ページ}
待ち人数登録ページにて登録された情報をデータベースから表示するページである。同じ場所から入力された場合、自動で「待ち時間」の情報のみが上書き更新するようになっている。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=8cm]{hyoji.png}
  \caption{待ち人数表示ページ}
  \label{fig:hyoji}
\end{figure}


\section{システムの応用性}
本システムが応用可能な場面を挙げる。本研究の中では、飲食店に限定しているが、設定を変更すれば次の場面にも応用可能であると考える。

\begin{itemize}
\item お祭りの屋台\\
祭り会場では、様々な種類の屋台が出店する。その中で、人気の屋台などでは待ち時間が生じるため、事前に待っている人数を知ることで他の屋台に行くかなど検討することも可能となる。

\item 音楽フェス会場での物販\\
音楽フェスの会場では、出演する多数のアーティストのグッズの販売がある。アーティストによって別々のブースで販売されるため、列もブースの数だけ生まれる。そこで、アーティストごとに並んでいる人の数がわかれば、自分が購入したいと考えているグッズを手に入れるためには、どの順番で並べば手に入れられるかについて考えるヒントともなる。

\item 運転代行の予約\\
運転代行では、長い待ち時間が発生する場合がある。飲食店側がお客さんのために運転代行を頼む際には、どのくらい時間がかかっているのかについて聞く必要がある。また、時間がかかりすぎていた場合には、他の運転代行を見つける必要がある。その作業を繰り返す労力は大きなものだ。忘年会シーズンや新年会、卒業シーズンなどの繁忙期には、もっと大きな負担となる。そういった場面でも待ち人数がどのくらいいるのかを事前に確認できることで、どの運転代行に頼むかの目安にすることができる。

\end{itemize}

\chapter{実験}
\section{実験方法}
\section{実験結果}
\section{アンケート結果}
\section{考察}

\chapter{結論と今後の展望}
結論と今後の展望を述べる。
\section{結論}
待ち人数共有システムが実際に動かせるようになり、待っている場所と待ち人数について表示することができた。

\section{課題}

\section{今後の展望}



\renewcommand{\bibname}{参考文献}
\bibliographystyle{junsrt}
\bibliography{momona}



\end{document}