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2019-momona / paper / momona_sotsu.tex
@momona momona on 23 Dec 2019 43 KB add chapter5
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\begin{document}
\begin{titlepage}
\title{リレーショナルデータベースを用いた\\待ち人数共有システムの提案}
\author{指導教員 廣瀬雄二\\C1160310 大石桃菜}
\date{}
\maketitle
\thispagestyle{empty}
\end{titlepage}

\begin{center}
 {\bfseries 概要}
\end{center}

街中の各所で飲食店やアーティストのライブコンサートでのグッズ販売などによる待ち行列を目にする。行列によっては、1時間以上の待ち時間が発生する場合もある。現状として普段の生活において待ち時間が発生する場面は、病院や金融機関のATMなど日常的にある。また、実際に目的地に足を運んでから待ち時間や行列が発生していることを知ることも少なくない。そこで、本研究では混雑により待ち時間が発生する場所で活用可能な待ち人数共有システムを作成する。

情報を登録する者は、店側ではなく客側が情報を共有し合うシステムとすることで、店側の負担やコスト、労力の削減につながるものとする。客側が情報を登録するため、本システムの利用者がスマートフォンからの簡単な操作により利用できるシステムする。様々な場面で応用可能な待ち時間共有システムとし、事前に待ち時間を把握することで、利用者が時間をより有意義に活用できることを目指した。その上、作成したシステムを実際に使用し、本システムの有効性について考察した。(440文字)
\tableofcontents

\clearpage

\chapter{はじめに}
本章では研究の背景と先行研究について説明する。

\section{背景}
1980年代後半から現代にかけて、日本ではテーマパークでの混雑や街中の様々な店舗において行列に並んでいる風景を目にする\cite{plus}。いつの時代でも律儀に列を守り、行列を作り出してきた日本人だが、最近ではクチコミサイトやSNSの発展から、「インスタ映え\footnote{PC、スマートフォン向け写真共有SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のInstgramに投稿した写真や、その被写体などに対して見映えがする、おしゃれに見える、という意味で用いられる表現。「Instagram」と「写真映え」を合わせた造語。}」を狙った若い世代のスイーツ行列が話題となっている。また、普段の生活においてもスーパーマーケットのレジや人気の飲食店などで日常的に待つ機会が多数ある\cite{lan}。

行列には待ち時間がつきものである。ディズニーランドや富士急ハイランド等の遊園地においてはアトラクションごとに待ち時間を表示するシステムが存在する。しかし、飲食店や屋台などにおいて待ち時間が確かめられるシステムが導入されていることは少ない。その理由としては、コストがかかることや導入してから運用していくことができない現状にあること等だと考える。飲食店にとって行列の整理や管理をするような仕事が増えることは、余計な人員を割くことに繋がる。限られた従業員で仕事を分担している飲食店からすると、そういった雑務は減らしたいと考えるのが妥当である。

本研究では、様々な場面で応用可能な待ち時間共有システムの提案することにより、事前に待ち時間を把握することで、利用者が時間をより有意義に活用できることを目指す。



\section{先行研究}
本研究では待ち時間により発生する問題の改善に重点を置く。そのため、過去の研究の中から待ち時間による混雑緩和や待ち時間の推定の方法に着目した取り組みが行われた文献について記述する。

\subsection{待ち時間を考慮したアトラクションナビゲータの開発}
七里らの研究では、東京ディズニーランドでの日常的な混雑における各アトラクションでの待ち時間を問題と捉え、スマートフォンを利用した待ち時間を考慮したアトラクションナビゲータを作成した\cite{disney}。アプリの使用のありとなしで比較実験を行った。実験方法としては、筆者が所属する大学の 21~23 歳の学生4人を対象に日本大学理工学部理工学部船橋校舎を東京ディズニーリゾートのアトラクションに置き換え、予備実験を行った。実験の結果(表\ref{tab:kekka})、アプリがありの方がアトラクションを早く回ることができることがわかった。しかし、1時間以内で周りきれるアトラクションを増やすことはできなかった。今後は実際に人間が移動することができるルートで算出する必要があることが判明した。


\begin{table}[H]
\caption{アプリの使用有無の比較実験結果 文献\cite{disney}より筆者作成}
  \centering
\begin{tabular}{|l|r|r|r|r|}
\hline
\multirow{2}{*}{}                                              & \multicolumn{4}{c|}{被験者}                                                                          \\ \cline{2-5} 
                                                               & \multicolumn{1}{l|}{a} & \multicolumn{1}{l|}{b} & \multicolumn{1}{l|}{c} & \multicolumn{1}{l|}{d} \\ \hline
\begin{tabular}[c]{@{}l@{}}ナビなし時\\所要時間(分)\end{tabular}        & 68                     & 67                     & 72                     & 67                     \\ \hline
\begin{tabular}[c]{@{}l@{}}ナビあり時\\所要時間(分)\end{tabular}        & 65                     & 67                     & 72                     & 66                     \\ \hline
\begin{tabular}[c]{@{}l@{}}60分以内に周れた\\ アトラクション数の差\end{tabular} & 0                      & 0                      & 0                      & 0                      \\ \hline
\end{tabular}
    \label{tab:kekka}
\end{table}

\subsection{無線 LAN アクセスポイントを用いた店舗待ち時間予測}
岡村らの研究では、無線 LAN アクセスポイントを用いて周辺のモバイル端末の発するプローブ要求\footnote{スマートフォンなどの Wi-Fi 対応端末がアクセスポイントに接続する際,端末は周辺に存在するアクセスポイン トを検索するためにプローブ要求 (Probe Request) パケッ トをブロードキャスト送信する.送信間隔は機種によっ て異なるが,概ね数十秒あるいは数分間隔で行われている\cite{nakano} }を収集し、データを解析して待ち時間推定を行った\cite{lan}。実際の食堂において並んでいる客のそれぞれの待ち時間及び食堂周辺で発されるプローブ要求を収集するために,プローブ要求収集システム及びQR コードを用いた待ち時間計測システムを作成した。データ収集に用いる無線LANアクセスポイントの数は極力小さくすることでシステムの低コスト化を目指した。実際の環境における推定は、到着人数推定に関しては何かしらの改良でより現実的な結果を得られそうな結果を得られたが、待ち時間の推定に関しては全くうまくいっておらず推定モデルを考え直す必要があるとわかった。

この研究は、無線LANのアクセスポイントを用いており、低コスト化を目指した研究ではあるが街中で利用していくことを考えると、少なからずコストがかかってしまうことが問題点として考えられる。

\chapter{待ち時間に関する現状}
第1章では、本研究の背景や待ち時間が及ぼす混雑の緩和や待ち時間の推定方法に着目した先行研究について説明した。本章では、我々の生活の中で日常的にある待ち時間の現状について、実際のデータを用いながら解説する。ならびに、各企業からリリースされている既存の順番待ちシステムについて実際の画面例を交えながら述べる。

\section{現状}
普段の生活において、様々な場所・場面で待ち時間が発生している。実際に店まで足を運んだにも関わらず混雑していることや、待ち時間があることを知らずに店に行ってしまうことは日常的に起こりうることである(図\ref{fig:komari})。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{komari.pdf}
  \caption{待ち時間により困っている図}
  \label{fig:komari}
\end{figure}

「待つ」という行動は人々にストレスを与えたり、時間というコストを奪うことになりかねない。アメリカの経営コンサルタントのディビッド・マイスターは、待ち時間に関する心理について8カ条の対策を挙げた。さらに経営学者のクリストファー・ラブロックがそれに2つを追加し、「待ち時間の心理学:10の原理」を示している\cite{sinri}。\\

\begin{itembox}[l]{待ち時間の心理学:10の原理}
\begin{enumerate}
\item 何もしないで過ごす待ち時間は長く感じる
\item 本体のサービスの前後に付随する待ち時間は長く感じる
\item 不安があると待ち時間は長く感じる
\item 不確定な待ち時間は長く感じる
\item 理由が分からない待ち時間は長く感じる
\item 不平等な待ち時間は長く感じる
\item サービスの価値が高いと思えば、長く待つことを厭わない
\item 独りで待つときは待ち時間は長く感じる
\item 不快な待ち時間や苦痛を与える待ち時間は長く感じる
\item 不慣れな場所で待つときは待ち時間は長く感じる\\
\end{enumerate}
\end{itembox}

\vspace{0.2in}
このように様々な要因によって待ち時間の感じ方は変化する。本研究では、10の原理の中から「4. 不確定な待ち時間は長く感じる」に着目して研究を進めていく。

日頃から待ち時間が発生する場面は様々ある。例を挙げると病院の待合室、銀行のATM、市役所の窓口、飲食店、携帯ショップ、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでのレジ、テーマパークのアトラクション、新製品の販売に並ぶ待ち行列などがある。その中でも次項では、病院、金融機関、飲食店、レジ、テーマパークについて取り挙げる。

\subsection{病院での待ち時間}
病院では待ち時間が発生することが多くある。平成17年に行われた厚生労働省が全国の医療施設を利用する患者に対して行った調査によると、予約の有無にもよるが、診察までの待ち時間は「15分以上30分未満」が23.3%と最も多くなっている\cite{kose}。病院での待ち時間は、病状によれば患者の負担が大きくなってしまうため、不満に思う人も多い。
\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{kose_mati.png}
  \caption{厚生労働省「予約有無別にみた診察までの待ち時間」より抜粋}
  \label{fig:kose}
\end{figure}

\subsection{金融機関のATMでの待ち時間}
金融機関のATMで、待ち時間が発生している様子をよく目にする。アンケートによると、金融機関のATMの行列で待てる限界時間は「5分」が最も多く38.8%になっている。日常的に利用する場所であるため、なるべく混雑が少ない方が良い場所であると考えられる\cite{mati}。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{atm.jpg}
  \caption{CITIZEN「ビジネスパーソンの『待ち時間』意識」より抜粋}
  \label{fig:sp}
\end{figure}


\subsection{飲食店での待ち時間}
飲食店ではランチタイムやディナータイムなどの混雑する時間帯になると待ち時間が発生することがある。特にランチタイムは、限られた時間で食事を済まさなくてはならないことから、待つことができる時間の許容範囲が狭くなる。飲食店においては、まず席に座るまでの空席待ちと、料理が出てくるまでの待ち時間がある。2018年に行われたアンケートによると、ランチタイムにおける空席待ちで待てる時間で最も多かったのは「10分」で32.3%だった。また、料理が運ばれてくるまでの時間では「10分」(35.3%)が最も多く、次いで「15分」(27.8%)となった\cite{mati}。飲食店の待ち時間対策例には、以下のような事例がある。

回転寿司「無添くら寿司」では、順番待ち・予約受付システムを導入したことで待ち時間の削減を実現した\cite{kura}。それにより、客のストレス軽減にもつながっている。順番待ちシステムに関しては、次節で詳しく述べる。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{in.jpg}
  \caption{CITIZEN「ビジネスパーソンの『待ち時間』意識」より抜粋}
  \label{fig:sp}
\end{figure}


\subsection{レジでの待ち時間}
身近な待ち時間のひとつには、レジでの待ち時間がある。中でもスーパーマーケットやコンビニエンスストアにおいて混雑時にレジを待つことは多々ある。アンケートによると、スーパーマーケット、コンビニエンスストアともに「3分」が最も多かった。しかし、コンビニエンスストアでのレジ待ち時間の意識を比べると、コンビニエンスストアの方が早さが求められる結果になっている\cite{mati}。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{sp.jpg}
  \caption{CITIZEN「ビジネスパーソンの『待ち時間』意識」より抜粋}
  \label{fig:sp}
\end{figure}

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{kn.jpg}
  \caption{CITIZEN「ビジネスパーソンの『待ち時間』意識」より抜粋}
  \label{fig:kn}
\end{figure}


\subsection{テーマパークでの待ち時間}
テーマパークでの人気アトラクションの待ち時間は「30分」(29.3%)、「1時間」(27.0%)となった。このことから長い待ち時間が発生する場合があるとわかる。しかし、テーマパークでは、待ち時間の目安がわかってから並ぶことが多いため、辛抱強く並ぶ人が多い傾向にある\cite{mati}。実際にテーマパークで待ち時間対策として行われている工夫について以下に述べる。

株式会社オリエンタルランドが運営する東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、待ち時間対策として以下の3つことが行われている。まず1つ目に、「東京ディズニーリゾートアプリ」で確認する方法だ。アプリケーションを利用することで、各施設の運営時間、待ち時間や運営状況などの情報をリアルタイムにチェックすることができる。2つ目は、「オフィシャルウェブサイト\footnote{https://www.tokyodisneyresort.jp/}」で確認する方法だ。今日のパーク情報ページ内から情報を確認することができる。最後に3つ目は、パーク内の「インフォメーションボート」で確認する方法だ。アトラクションの待ち時間やディズニー・ファストパスの発券状況、エンターテイメントショーの開催予定時間を一覧で確認できる\cite{dis}。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{tm.jpg}
  \caption{CITIZEN「ビジネスパーソンの『待ち時間』意識」より抜粋}
  \label{fig:sp}
\end{figure}


\section{既存のサービス}
既存のサービスとして順番待ちシステムが存在し、実際に飲食店で導入されているシステムもある。以下にいくつか例を挙げる。

\subsection{EPARK}
導入施設、シェアともに全国ナンバーワンの実績がある。特許を取得している順番待ち・予約受付システムである\cite{epark}。Web上での順番待ちや日時指定予約機能をつけることで顧客満足度の向上やリピートの促進をサポートしている。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{epark.png}
  \caption{「EPARK」受付画面例}
  \label{fig:sp}
\end{figure}


\subsection{Airウェイト}
幅広い業種の企業が導入している順番待ちシステムである。分析機能を活用することで、店の課題を明確化することもできる\cite{air}。また、再来店を促すためにクーポンの発券をしたり、来訪者が増加するようにオンラインでの順番受付を可能としている。
\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{air.png}
  \caption{「Airウェイト」受付画面例}
  \label{fig:sp}
\end{figure}


\subsection{MyTurn}
受付で混雑状況を明確に知ることができる。そのため、大体どのくらいの時間で席が空くかや自分が何番目に案内されるかなどの情報を把握することができる\cite{myturn}。スマートフォンからの操作で受付や予約を可能としているため、場所に縛られずにお店の状況を知ることができる。また、スマートフォンの他にも受付機やモニターを通して、順番の見える化を図っている。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{myturn.png}
  \caption{「MyTurn」受付画面例}
  \label{fig:sp}
\end{figure}

\subsection{My junban}
飲食店やクリニック、カット専門店などの混雑時に使われているシステムである。導入に必要なものはiPadのみのため、初期費用を抑えることができる\cite{myjunban}。利用する環境に応じて、いつでも客の選択項目や呼び出しメッセージなどを編集し、自由にカスタマイズすることができる。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{myjunban.png}
  \caption{「My junban」受付画面例}
  \label{fig:sp}
\end{figure}

\subsection{サービスの比較}
上記で挙げた4つの順番待ちシステムを比較し、共通の概念や機能について表\ref{tab:hikaku}にまとめた。

\begin{table}[H]
\caption{各サービスの機能比較表}
\begin{tabular}{|l|c|c|c|c|}
\hline
               & EPARK & Airウェイト & MyTurn & My junban \\ \hline
待ち時間の表示        & ○     & ○       & ×      & ○         \\ \hline
待ち人数(組数)の表示    & ○     & ○       & ○      & ○         \\ \hline
店舗での受付機能       & ○     & ○       & ○      & ○         \\ \hline
スマートフォンからの受付機能 & ○     & ○       & ○      & ○         \\ \hline
電話・メールでの呼び出し機能 & ○     & ○       & ○      & ○         \\ \hline
クーポンの発券 & ×     & ○       & ×      & ×         \\ \hline
\end{tabular}
    \label{tab:hikaku}
\end{table}

4つの順番待ちシステムを比較したが、大きな差は見られなかった。基本的な機能は概ね同じで、サービスによって独自の機能を追加することで特長を出し、他のサービスとの差別化を図っていることがわかった。

これらのシステムはいずれも有料で使用可能なものである。さらに、店舗ごとに導入しているシステムであるため、様々な店舗の待ち時間情報を比較をすることができない。

\chapter{提案}
第2章では、待ち時間に関しての現状を実際の場面を交えながら説明した。また、既存のサービスとして4つの例を挙げ、それらを比較した。本章では、待ち人数共有システムを提案し、目的やシステムの説明を述べる。

\section{システムの提案}
本研究では、待ち時間の発生する場所でリアルタイムに待ち人数がわかるシステムの提案をする。情報共有システムにおいて、情報を共有する上でなるべく利用者の情報に統一性を持たせる必要がある。そのため、感じ方に個人差がある待ち時間ではなく待ち人数とすることで、個人差が生まれにくいようにしている。また、ここでの待ち時間の発生している場所の定義は、1人以上並んでいる状況とする。待ち時間が発生していない場合は、「0人」という項目を用意することで対応する。利用者がスマートフォンからの簡単な操作により、利用できるシステムにしていく。



\subsection{目的}
本研究では、リアルタイムで待ち人数情報を共有し、表示するシステムを構築する。よって本研究の目的は、利用者が事前に待ち時間を把握することで時間をより有意義に活用することである。

\subsection{前提条件}
本システムを利用する際の前提条件として以下の点を挙げる。
\begin{description}
\item[利用可能な場面] \mbox{}\\
本システムにおいて一番有効的だと考えられる場面は、複数の場所の待ち人数を比較したい場合である。登録している場所であればシステム内で比較することができる。例を挙げると、街の中で待ち時間が発生しやすいいくつかの店舗を登録して利用することや、同じ場所で同時に店が開いている「肉フェス」や「激辛グルメ祭り」などのグルメ・フードフェスで利用することが可能である。

\item[利用不可能な場面]\mbox{}\\
本システムにおいて利用が困難であると考えられる場面は、いくつかあると考えられる。まず、バス停や電車などの待ち行列の場面が挙げられる。バス停や電車の待ち人数を把握し、比較したところで利用者に有益な情報が与えられるとは考えにくい。また、バスや電車は基本的に時間通り運行しているため、決まった時間になれば待ち行列も解消されると考えられる。そして、駅の券売機や窓口などの列も本研究の対象の待ち時間の発生する場面からは除外される。

\end{description}

\section{システムの説明}
今回は、待ち時間の発生する場所から待ち人数共有システムに待ち人数情報を送信し、それらをリアルタイムでWeb上に表示するシステムを作成する。

実際に、待ち人数情報を送信する者の属性は、「店の担当者」や「システムの管理者」等に限定せず、情報を持つ人なら誰でも情報を共有できるシステムとする。その理由としては、店側がシステムを利用するために時間や人員を割く必要を無くすためである。
図\ref{fig:image}は、システムの流れのイメージである。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=8cm]{image.pdf}
  \caption{システムの流れ}
  \label{fig:image}
\end{figure}

システムの概観は図\ref{fig:gaikan}のようになる。待ち人数登録画面から登録された情報が、データベースに保管され、待ち人数表示ページに反映される仕組みになっている。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{gaikan.pdf}
  \caption{システムの概観}
  \label{fig:gaikan}
\end{figure}



\chapter{待ち人数共有システムの開発}
第3章では、「利用者が事前に待ち時間を把握することで時間をより有意義に活用すること」を目的とした待ち人数共有システムの提案をした。本章では、作成した画面を示しながら本システム作成について説明する。その上、作成したシステムをどのような場面で応用が可能かについて考察し、述べる。

\section{開発環境}
開発環境は以下のとおりである。

\begin{itemize}
\item Ruby\\
Rubyとは、1995年にまつもとゆきひろによって開発されたオープンソースの動的なプログラミング言語である\cite{ruby}。本研究ではruby2.5.3を用いた。

\item SQLite3\\
SQLiteとは、軽量で速く、高い信頼性を持つSQLデータベースエンジンを実装するC言語ライブラリである\cite{sqlite}。本研究ではSQLite3.23.1を用いた。

\end{itemize}


\section{システムの作成}
システムの構成としては、図\ref{fig:kouse}のようになる。待ち人数登録ページと待ち人数表示ページがあり、それぞれのシステムにデータベースを用いている。待ち人数登録ページは、待ち人数をWeb上の入力フォームから登録した情報をデータベースに格納するページである。待ち人数表示ページは、待ち人数登録ページから登録された情報を表示するページである。システムの詳しい説明については次項で述べる。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{kose.pdf}
  \caption{システムの構成}
  \label{fig:kouse}
\end{figure}

\subsection{待ち人数登録ページ}
待ち人数を登録するWebページである。実際に待っている人が情報を入力するため、簡潔に必要な情報を入力するものとした。入力する情報は、「待っている場所」と「待っている人数」の2点である。ここでは、SQLite3ライブラリを用い、RubyからSQLite3データベースにアクセスをしている。SQLliteで構築したテーブルは表\ref{tab:table}である。Webページの入力フォームからデータを取得し、上記の2点の情報をデータベースに登録する仕組みである。

図\ref{fig:toroku}のようなインタフェースにした理由としては以下の理由が挙げられる。まずは、入力するべき情報を理解しやすいようにWebページ上の情報量をなるべく少なくすることである。次に、スマートフォンのような小さな画面からでも操作しやすいように大きなボタンを設置したことである。また、入力する店名はあらかじめ選択肢を設けることで、入力者によって異なった記述にならないようにした。これらの理由から、利用者がより扱いやすいWebページになると判断したため、このようなインタフェースにした。

\begin{table}[H]
\centering
\caption{待ち人数情報テーブル}
\begin{tabular}{|l|l|}
\hline
name      & waiting\_people \\ \hline
小松鮪専門店    & 20              \\ \hline
麺屋酒田inみなと & 10              \\ \hline
\end{tabular}
    \label{tab:table}
\end{table}


\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{toroku.png}
  \caption{待ち人数登録ページ}
  \label{fig:toroku}
\end{figure}

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{torokugo.png}
  \caption{待ち人数登録後のページ}
  \label{fig:torokugo}
\end{figure}

\subsection{待ち人数表示ページ}
待ち人数登録ページにて登録された情報をデータベースから表示するページである。同じ場所から入力された場合、自動で「待ち人数」の情報のみが上書き更新されるようになっている。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{hyoji.png}
  \caption{待ち人数表示ページ}
  \label{fig:hyoji}
\end{figure}


\section{システムの応用性}
本システムが応用可能な場面を挙げる。設定を変更すれば次の場面にも応用可能であると考える。設定の変更については、次章で具体例を示して説明する。

\begin{itemize}
\item 祭りの屋台\\
祭り会場では、様々な種類の屋台が出店する。その中で、人気の屋台などでは待ち時間が生じるため、事前に待っている人数を知ることで他の屋台に行くかなど検討することが可能となる。

\item 音楽フェス会場での物販\\
音楽フェスの会場では、出演する多数のアーティストのグッズの販売がある。アーティストによって別々のブースで販売されるため、列もブースの数だけ生まれる。そこで、アーティストごとに並んでいる人の数がわかれば、自分が購入したいと考えているグッズを手に入れるためには、どの順番で並べば手に入れられるかについて考えるヒントともなる。

\item 運転代行の予約\\
運転代行では、長い待ち時間が発生する場合がある。飲食店側が客のために運転代行を頼む際には、どのくらい時間がかかっているのかについて聞く必要がある。また、時間がかかりすぎる場合には、他の運転代行を見つける必要がある。その作業を繰り返す労力は大きなものだ。忘年会シーズンや新年会、卒業シーズンなどの繁忙期には、もっと大きな負担となる。そういった場面でも待ち人数がどのくらいいるのかを事前に確認できることで、どの運転代行に頼むかの目安にすることができる。

\end{itemize}


\chapter{実験}
第4章では、作成した待ち人数共有システムに関して説明した。また、システムの応用可能ないくつかの場面を考察し、述べた。本章では、作成したシステムの有用性について実験で検証し、実験結果から考察を述べる。

\section{実験1}
音楽フェス「REDLINE ALL THE BEST 2019 〜10th Anniversary〜」会場のグッズ販売の列に筆者を含む2人で待ち行列に並び、本システムを利用した。事前にイベントに合わせた選択肢に変更し、実験に望んだ(図{fig:redline})。待ち人数が発生した場合、システムの待ち人数登録画面の入力フォームからアーティスト名と待ち人数の情報を送信し、それらの情報が反映されるかを調べた。また、待ち人数表示画面からそれらの情報を得たことで働いた効果について調べた。

しかし、2人という少ない人数であったこととグッズ販売の場所の混雑により、有益な結果が得られなかった。そのため、実験2を行った。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{redline.png}
  \caption{実験1に設定を合わせた画面}
  \label{fig:redline}
\end{figure}



\section{実験2}
本学の21~23歳の学生6人を対象に東北公益文科大学教育研究棟の各研究室(図\ref{fig:konai})を酒田市の飲食店に置き換え、実験を行なった。システムを使用した者とシステムを使用しない者でどちらがより早く待ち人数が少ない店にたどり着けるかについて検証した。同時に各飲食店の情報を登録するために3箇所にそれぞれ1人ずつ向かわせ、システムを使用してもらった。歩数の計測も行うことで、どのくらいの距離を歩いたかの計測をした。実験2では以下のように選択肢に変更した(図{fig:sakatain})。
実験の流れを以下に述べる。

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{konai.pdf}
  \caption{実験場所の図}
  \label{fig:konai}
\end{figure}

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{sakatain.png}
  \caption{実験2に設定を合わせた画面}
  \label{fig:sakatain}
\end{figure}


\subsection{実験に使用したもの}
実験に使用したものは以下のとおりだ。


\begin{itemize}
\item {\bf スマートフォン}\\
待ち人数共有システムを利用するために用いた。また、スマートフォンに搭載されている歩数計を用いた。
\item {\bf ストップウォッチ}\\
被験者がスタート位置に戻るまでにどのくらい時間を要するのかを計測するために使用した。

\item {\bf 待ち人数登録ページのQRコードを印刷した用紙}\\
A・B・C役が待ち人数を待ち人数共有システムに登録する際に、待ち人数登録ページにアクセスするために使用した。

\item {\bf 待ち人数を書いた用紙}\\
被験者にその場所の待ち人数を知らせるために使用した。全3回の実験でそれぞれ待ち人数を変更させながら行った。

\item {\bf 店名を明記した用紙}\\
被験者にその場所の店名を知らせるために使用した。

\item {\bf 記録シート}\\
実験の結果である歩数やかかった時間、システムを利用してみての感想などを記録するシートを作成し、記録した。\\

\end{itemize}

\subsection{被験者の配役}
被験者にはA〜Eの役をランダムに振り分けた。それぞれの役割に以下のような手順の書かれた紙を渡した。実験中は、他の被験者と実験のことは会話しないように促した。\\

\begin{itemize}
\item {\bf A役}
\begin{enumerate}
\item 歩数計の歩数を伝えてください
\item 小松鮪専門店(共同研究室B前)に行ってください
\item QRコードと待ち人数が書かれた紙があるので、QRコードを読み込んで店名・待ち人数を登録してください
\item 待ち人数が書かれた紙は見えるように開いて置いてきてください
\item 入力が終わったらスタート地点に戻り、歩数を伝えてください
\end{enumerate}
 
 

\item {\bf B役}
\begin{enumerate}
\item 歩数計の歩数を伝えてください
\item 麺屋酒田inみなと(共同研究室C前)に行ってください
\item QRコードと待ち人数が書かれた紙があるので、QRコードを読み込んで店名・待ち人数を登録してください
\item 待ち人数が書かれた紙は見えるように開いて置いてきてください
\item 入力が終わったらスタート地点に戻り、歩数を伝えてください
\end{enumerate}


\item {\bf C役}
\begin{enumerate}
\item 歩数計の歩数を伝えてください
\item 満月(共同研究室E前)に行ってください
\item QRコードと待ち人数が書かれた紙があるので、QRコードを読み込んで店名・待ち人数を登録してください
\item 待ち人数が書かれた紙は見えるように開いて置いてきてください
\item 入力が終わったらスタート地点に戻り、歩数を伝えてください
\end{enumerate}


\item {\bf D役}
\begin{enumerate}
\item 歩数計の歩数をお伝えください
\item 全ての場所(共同研究室B・C・E前)を確認して一番待ち人数が少ない場所を出来るだけ早く探してください
\item 待ち人数は各箇所に開いておいてある紙に書かれています
\item 一番少ない場所がわかり次第スタート地点に戻り、その答えと歩数をお伝えください
\end{enumerate}

\item {\bf E役}
\begin{enumerate}
\item 歩数計の歩数をお伝えください
\item 待ち人数表示ページにアクセスし、待ち人数を確認してください
\item システム上に表示されている一番待ち人数が少ない場所に行き、そこにおいてあるお店の名前が書かれた紙を持ってスタート地点に戻り、歩数をお伝えください\end{enumerate}

\end{itemize}


\subsection{実験の手順}
実験の全体の手順について以下に示す。\\

\begin{enumerate}
\item 全員の歩数を確認する
\item A〜C役が各箇所に向かい、手順の通り行動する
\item 1分半後にD,E役がスタートし、手順の通り行動する
\item A〜E役がスタート地点に戻ってくるまでにかかった時間と歩数を記録する
\end{enumerate}


\section{実験結果}
実験結果を述べる。ランダムに各箇所に待ち人数を設定し、待ち人数を示した用紙を置いた。その結果が以下のとおりである。

\begin{table}[H]
\centering
\caption{各箇所の待ち人数設定値}
\begin{tabular}{|l|r|r|}
\hline
          & \multicolumn{1}{l|}{1回目} & \multicolumn{1}{l|}{2回目} \\ \hline
小松鮪専門店    & 50人                       & 30人                        \\ \hline
麺屋酒田inみなと& 4人                         & 20人                        \\ \hline
満月       & 10人                        & 3人                         \\ \hline
\end{tabular}
    \label{tab:table}
\end{table}

システムを利用していない被験者Dとシステムを利用した被験者Eの記録を比較した。スタートしてからかかったタイムについては、1回目・2回目共に被験者Eの方が早く待ち人数が少ない場所にたどり着くことができた(表\ref{tab:time})。また、歩数においても1回目・2回目共に被験者Dより、被験者Eの方が少ない歩数でスタート位置に戻ってくることができた(表\ref{tab:hosu})。

\begin{table}[H]
\centering
\caption{被験者D,Eのタイム差結果}
\begin{tabular}{|l|r|r|r|}
\hline
    & \multicolumn{1}{l|}{D(システム無し)} & \multicolumn{1}{l|}{E(システム有り)} & \multicolumn{1}{l|}{DとEの差(D-E)} \\ \hline
1回目 & 2分42秒                          & 2分10秒                          & 32秒                             \\ \hline
2回目 & 3分20秒                          & 1分56秒                          & 1分24秒                           \\ \hline
\end{tabular}
    \label{tab:time}
\end{table}

\begin{table}[H]
\centering
\caption{被験者D,Eの歩数差}
\begin{tabular}{|l|r|r|r|}
\hline
    & \multicolumn{1}{l|}{D(システム無し)} & \multicolumn{1}{l|}{E(システム有り)} & \multicolumn{1}{l|}{DとEの差(D-E)} \\ \hline
1回目 & 522歩                           & 228歩                           & 294歩                            \\ \hline
2回目 & 246歩                           & 158歩                           & 88歩                             \\ \hline
\end{tabular}
    \label{tab:hosu}
\end{table}



\section{被験者の意見}
実験後に被験者からいくつか意見を受けた。主にA,B,C,E役を担った被験者にシステムを利用した意見を「システムについて」と「インターフェースについて」の2つの視点に分け、以下にまとめる。

\subsection{システムについて}
\begin{itemize}
\item 店名が入力されてない場合、エラーが出るようにした方が良い
\item 人数を自由選択にした方が良い
\end{itemize}

\subsection{インタフェースについて}
\begin{itemize}
\item スマートフォン向けに縦長を意識した画面設計をした方が良い
\item 待ち人数表示ページの結果の一番混んでいる場所と一番空いている場所の色を変えた方がわかりやすい
\end{itemize}


\section{考察}
実験結果から考察を述べる。

\subsection{システムの有用性についての考察}
実験2の結果から、システムを利用していない被験者Dよりもシステムを利用した被験者Eの方がより早く、少ない歩数で待ち人数の少ない場所にたどり着くことができた。これにより、複数の場所の待ち人数を複数人で共有する場合において、本システムの有用性はあるといえる。

\subsection{利用人数の視点からの考察}
実験1の音楽フェス会場で使用した時に情報を共有していたのは2人であった。そのため、本システムで情報を伝えるよりも、LINE\footnote{https://line.me/ja/}やメールなどの普段利用しているツールで情報を交換するのと大差がなかった。もしくは、普段から利用して使い慣れているものを利用した方が有効であるとも考えられる。システムの利用する人数が少ない場合は、本システムの有効性は低いことが考えられる。

\subsection{登録者の有無についての考察}
今回の実験では、両方の場面ともに実験のために学生に協力してもらい実験を行った。そのため、実際に運用するとなった場合に、一般の方が情報を登録してくれるのかについて考える必要が生まれる。実際に店舗で使用する際には、加盟店と協力して特典が付くような工夫が必要になってくると考えた。


\chapter{おわりに}
第5章では、実際にシステムを利用した実験を行い、システムの有用性について検証し考察した。本章では、本研究の結論・課題、今後の展望について述べる。

\section{結論}
待ち人数共有システムが実際に動かせるようになり、待っている場所と待ち人数について表示することができた。また、実験によってシステムの利用しないより、システムを利用した方がより早く待ち人数の少ない場所にたどり着けることがわかった。

\section{課題}
本システムの課題を以下に挙げる。

\subsection{情報の正確性について}
本システムにおいて情報の正確さは非常に大切なポイントである。しかし、誤った情報が登録されてしまうことや悪意のあるいたずらなどが起こりうる可能性がある。そういった場合、利用者に不利益を及ぼす恐れがある。

この問題の対策としては、利用者を登録制として管理することが考えられる。この場合、悪意が感じられる行為がなされた時に登録された情報に基づき、その利用者の使用を制限することが可能となる。しかし、誤った情報の登録が故意に行われていない場合、どう対処するのかについて考えなくてはならない。また、登録制にすることでシステムを利用するまでの行程が増え、煩わしさが生まれてしまうともいえる。

\subsection{システムの管理について}
本システムにおける予期せぬエラーや問題に誰がどのように対応していくか考える必要がある。待ち人数情報の登録者を店側ではなくお客側としているため、システムを継続的に管理していく人員がいない。この問題の対策を考え、備えていかなくてはならない。

\section{今後の展望}
本システムにおける課題を改善し、無料で利用できる待ち人数共有システムとして実際に利用できるようにする。

\section{作成物のURLとQRコード}
本研究で作成した待ち時間共有システムのQRコードとURLを以下に示す。\\

\url{https://www.koeki-prj.org/~c116031/mycgi/index.html}

\begin{figure}[H]
  \centering
  \includegraphics[width=6cm]{qr.png}
  \caption{待ち人数共有システムのQRコード}
  \label{fig:hyoji}
\end{figure}

\chapter*{謝辞}
本研究を進めるに当たり、指導教官の廣瀬雄二教授からは多大な助言を賜りました。厚く感謝を申し上げます。また、実験において被験者を務めてくれた東北公益文科大学広瀬ゼミの皆さまにも感謝の意を表します。

\renewcommand{\bibname}{参考文献}
\bibliographystyle{junsrt}
\bibliography{momona}



\end{document}