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author KASHIWAGURA Aya <c115046@?.koeki-u.ac.jp>
date Sun, 30 Jul 2017 06:15:25 +0900
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+c115046@roy.e.koeki-u.ac.jp.17573
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+1 <p>あれから何度かライブを重ねていき、彼女の芯の強さが垣間見えてきた。<br>初めよりファンも着実に増えてきている。<br>だが、本人はまだ緊張が抜けていないようで・・・</p>
+
+2 <p>「お疲れ様、さっきのライブ惜しかったね」<br>「すいません……。自分なりにやってみようと思ってみたんですけど」<br>はぁ、と重く冷たいため息が白鳥の口から零れる。</p>
+
+3 <p>先ほどのライブで、見かけた応援うちわに描かれた全てをこなそうとしたのだが<br>そちらへ意識が行き過ぎて歌詞を忘れてしまうということがあったのだ。</p>
+
+4 <p>「私本当なんの取りえもなくて。こんなんじゃ全国デビューなんて無理、ですよね」<br>「そんなことないよ。むしろ、君のそういう謙虚さが皆を惹きつける魅力だと自分は思うな」<br>「そう・・・なんでしょうか?」</p>
+
+5 <p>うつむく彼女の重い空気は晴れない。普通であることは何一つとして悪いことではない。<br>なにしろ、会場に集まったファンだって彼女の言う普通の人が多いし、<br>だからこそ彼女には彼らの視点に立ったパフォーマンスが行える。<br>もっと自信を持っていいのだ。</p>
+
+6 <p>そういい労わるように彼女の頭を撫でると、ぎこちない笑顔が浮かべ一度だけ頷いた。<br>まだ、自信はないようだが、必ず気付く時が来るだろう。<br>ここに集まったファンが彼女自身の持ち味を証明しているのだから。</p>
--- /dev/null	Thu Jan 01 00:00:00 1970 +0000
+++ b/event/oasis2017/idol/white3.txt	Sun Jul 30 06:15:25 2017 +0900
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+1 <p>会場を盛大に巻き込んだフェスが終息を告げる。<br>時刻は午後20時を回り、ステージを囲む屋台に明かりが灯っていた。
+2 <p>丸一日かけた今回のイベントは、地元アイドルの将来を自分たちが決める
+というファン参加型であったため、<br>例年よりも多くの観客が、そして予想以上の盛り上がりを見せた。
+<br>裏で控える彼女たちも観客たちもみんな満ち足りた笑顔で最後の時を待つ。</p>
+3 <p>「いよいよだね、白鳥」<br>「はい……すごく緊張します」</p>
+
+4 <p>不安そうに胸の前で片手を握り、視線を泳がせる白鳥。<br>今回のフェス
+で完全に自信を持たせることは出来なかったが、手ごたえは感じているのだろう。
+<br>居ずまいはどこかしっかりとしていた。</p>
+
+5 <p>「皆さまお待たせしました!いよいよ港ライブフェス優勝者が決定しま
+す!!」<br><br>司会の煽りが\
+会場のボルテージを最高潮まで引き上げる。<br>三人ともそれぞれの持ち味を生
+かし、各会場で驚くほどの\\
+輝きを放っていた。<br>この様子であれば、誰が全国デビューしても他のアイド
+ル達と対等に戦えるだろう。</p>
+
+6 <p>ドラムロールが鳴り響き、港中がピンと張り詰めた空気に代わる。<br>会
+場を彩る白、赤、青、三色のペンライトもぽつぽつと消え<br>周囲が黒で塗りつ
+ぶされる。<br>唯一の光源は今自分たちが控える特設会場のセンターのみ。
+<br></p><p>「さぁ、今夜華々しく全国デビューを飾るのは――――!!」</p>
+
+7 <p>「白鳥ゆき!」</p>
+
+
+8 <p>「さぁ、行っておいで」<br>「はい!」<br>ステージに飛び出した彼女は
+誰よりも楽しそうに、そして今まで一番輝いていた。<br>これからも彼女は誰よ
+りもファン視線で、優しいアイドルになるのだろう。</p>
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 <a href="home.rb">NEXT STAGE・・・</a>
 
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