\documentclass[11pt,a4j]{jbook} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} \usepackage{float} \usepackage{url} \usepackage{ascmac} \addtolength{\topmargin}{-2cm} \addtolength{\textheight}{4cm} \addtolength{\textwidth}{1cm} \addtolength{\oddsidemargin}{0cm} \addtolength{\evensidemargin}{-1cm} \begin{document} \begin{titlepage} \title{電子掲示板を用いた\\ワークショップデジタル化システムの構築} \author{廣瀬研究室3年\\C1160310 大石桃菜} \date{\today} \maketitle \thispagestyle{empty} \end{titlepage} \begin{center} {\bfseries 概要} \end{center} 近年、全国的にワークショップが行われている。ワークショップは能動的で体験型のため、参加者の自発的な行動が期待でき、複数人で物事を考える場面に非常に適している。しかし、そのワークショップにより導かれた成果や学びの積み重ねが欠けている。そのため、参加者が主体となるワークショップにおいて、なされた話し合いの様子を電子掲示板を用いて記録を残すことで、次の取り組みへの架け橋となるようなシステムをWeb上で構築する。(204文字) \clearpage \tableofcontents \clearpage \chapter{はじめに} \section{背景} 近年、様々なところでワークショップ(以降、WS)\footnote[1]{学びや問題解決を行うための手法である\cite{robert}。参加者が自発的に作業や発言を行える環境が整った場において、ファシリテーターと呼ばれる司会進行役を中心に参加者全員が体験するものとして運営されることが一般的である。}が行なわれている。本大学のある酒田市でも多くの市民が市政(まちづくり)に参画し、楽しく学び話し合うことを目的とされた「総合計画未来会議(市民ワークショップ)」が開催された\cite{sakata}。このように市町村の総合計画を立てるために、住民参加型のWSが行われることがある。 WSには歴史があり、その手法にも複数の種類がある\cite{syurui}。主な手法としては以下のようなものがある。 \begin{description} \item[ブレーンストーミング]\mbox{}\\ 参加者全員で意見やアイデアを出し合い、そこから「何か」を見つけていくアクティビティのことである\cite{riezon}。 \item[親和図法]\mbox{}\\ アイディアなどの情報を複数出し“意味の近さ(親和性)”に基づいてグルーピングしていく手法である \cite{syurui}。 \item[バリューグラフ]\mbox{}\\ ある製品・サービス、コンセプトや機能など、検討する対象の目的・価値とその実現手段を求め、これらを構造的に表す手法である\cite{syurui}。 \item[プロトタイピング]\mbox{}\\ ある製品・サービス、コンセプトや機能など検討するときに、自分たちが本当に正しい方向に向かっているのかを確認するために行う\cite{syurui}。 \end{description} これらの手法をWSの目的に合わせて行う。WSは、一方的に講師の話を聞く等といった受動的なセミナーなどとは違い、能動的で体験型のため複数人でテーマを掲げ、物事を考えることに適している。 WSの現場では紙やペンを使った話し合いが多く、参加者にとってはその場かぎりのものとなってしまう傾向が多い。そのため、一時的な満足感は得られても、WSによって得られた学びを積み上げていくことができなくなっている。 \clearpage \section{目的} 本研究では、上記の点を解決できるシステムを開発することにより、WSをより良い学びの場として活用していけるようにする。今回は最も代表的な「ブレーンストーミング」に着目し研究を進めていく。システムを利用して話し合いの内容をデジタル化し、そのデータをWSの主催者や参加者がWSの事後学習として活用できることを目的とする。 \clearpage \chapter{事前調査} システムを開発する上での前提知識として、既存の研究を調査した。また、ワークショップ のメリットと問題点を調査した。 \section{既存の研究} 本研究に類似する既存の研究を調べた。 瀧口らの研究では、WSにおけるWSの公開性と空間のイメージを共有することの難しさを問題視し、WSを支援するコンピュータシステムを提案している\cite{takiguti}。 ここもっと書く。 \section{ワークショップのメリット} WSのメリットとしては、以下のものが挙げられる。 \begin{itemize} \item 参加者が自ら進んで行動する場面が多いため、参加者の自発的な行動につながる \item 達成感や実感が得られる \item 他の参加者との交流を通してコミュニケーション能力が高まる \item 思考力・表現力・判断力などのスキルを伸ばすことができる \end{itemize} このようなメリットが挙げられることから、複数人でテーマを決めて物事を考える場面に適している。 \section{ワークショップの問題点} 筆者が庄内地方のWSに参加した時の反省をもとに以下の問題点を挙げた。 \begin{itemize} \item 体験型のため、体験したことに満足してしまい「楽しかった」だけで終わっている 初めてWSに参加する場合や、WSの目的によっては上記のように「楽しかった」だけで終わることが必ずしも良くないわけではない。しかし、次回以降に続く場合や、学びの場としWSを活用している場合だとするとせっかくの学びが次の活動へ繋がっていかないことになる。 \item 成果がうやむやになっている 図\ref{fig:kjpic}のようにWSによるグループ内での話し合いの成果物の写真を撮って持ち帰るなどはできるが、それ以上のことで成果の積み上げをしている人は少数である。 \item 参加者の取り組み方によって差が生じている 住民参加型のWSを例にとって説明する。住民参加型のWSの場合の参加者は、高校生から高齢者まで幅広い年齢層の人がいる。また、職業や所属も様々である。WSの経験有無から見ても、WS経験者と未経験者が混在している場合がある。このような多種多様な人が集まって行われるWSでは、参加者の取り組み方の差が生じている。 \item 話し合いが活発になりすぎ、振り返りの時間を十分に取れない場合がある WSは様々な人が自ら考え、手を動かし、学びを進めていくアクティビティであるため、あらかじめ主催者が予定していた時間通りに進んでいくことは困難である。 \item WSの振り返りができるツールがない WSを行った後に何らかの形で振り返りをして、学びを定着させていくことが重要である。そこを支援するシステムがない。 \end{itemize} このような問題点から、成果の積み重ねや振り返りができる仕組みを構築することが必要なことが言える。 \begin{figure}[H] \centering \includegraphics[width=15cm]{kj_pic.png} \caption{写真の例} \label{fig:kjpic} \end{figure} \chapter{擬似ワークショップ} 研究を行う第一歩として、情報処理特論の講義内で擬似ワークショップを行った。手法はブレーンストーミングである。筆者がファシリテーター\footnote[2]{参加者の話し合いや体験、学習がスムーズに進行するように支援や補助を行なったり、それぞれの参加者が持っている力を引き出すことのできる支援者あるいは、援助促進者のことである\cite{fasiri}。}となり、WSを進めていく形にした。概要は以下のとおりである。 \begin{table}[h] \begin{tabular}{ll} テーマ: & 「Aさんの卒業」\\ 日時: & 2018年11月2日 3時限\\ 参加者数: & 9名\\ グループ数: & 2グループ(Aグループ4人、Bグループ各5人)\\ \end{tabular} \label{tab:skip} \end{table} WS未経験者が参加者の多数を占めていたため、「WSとは何か」などといった事項をスライドを使って説明してからWSを行った。WSの流れは以下のとおりだ(表\ref{tab:skipws})。 \begin{table}[h] \begin{center} \begin{tabular}{|l|l|}\hline 活動内容 & 説明\\ \hline \hline ワークショップについての説明 & 活動をする上で必要な前提知識を参加者に理解してもらった\\ \hline テーマの説明 & これからどのようなテーマで話し合いをするかを認識してもらった\\ \hline アイスブレイク& 参加者の緊張をほぐすために行った\\ \hline 個人ワーク & 参加者1人1人が考える時間を取った\\ \hline グループワーク& 個人で考えた意見をグループ内で共有した\\ \hline 発表会& グループ内で出された意見を教室内で共有した\\ \hline まとめ& 活動全体のまとめ\\ \hline \end{tabular} \caption{ワークショップの流れ} \label{tab:skipws} \end{center} \end{table} 活動後のそれぞれのグループの成果が以下の写真である(図\ref{fig:husen},\ref{fig:husen2})。 \begin{figure}[H] \centering \includegraphics[width=13cm]{husen.png} \caption{Aグループの様子} \label{fig:husen} \end{figure} \begin{figure}[H] \centering \includegraphics[width=13cm]{husen2.png} \caption{Bグループの様子} \label{fig:husen2} \end{figure} \clearpage そして、活動の最後にWSを体験した参加者から「ワークショップを充実させるためにどのようなツールが欲しいか」の意見をもらう時間を設けた。その意見が以下のとおりである。 \begin{itemize} \item 付箋に意見を書いたように手持ちのスマートフォンから意見を送信でき、送信された意見を動かして分類できたらいい \item 簡単に書記をできたらいい \item 出された意見方チェックリストを生成できるようなツールがあればいい \item 似たような意見を自動で分類してくれる機能があれば便利である \item 複数人で編集できるようなシステムだと効率も上がるのではないか \item 紙媒体での話し合いを電子化し、その場で印刷し配布できたらいいのではないか \item データベースに保存し、タグ検索で意見を検索できる機能が欲しい \end{itemize} これらの意見を活用し、システムへの機能の追加も考える。 \chapter{提案} 今回は上記の成果の積み重ねや、振り返りができる仕組みの構築の点に着目し、成果の残し方や振り返りを改善するためにデジタル化できる部分を設計する。 システムの流れとしては、本システムを介して主催者からも参加者からも振り返りができるような設計とする(図\ref{fig:system})。 \begin{figure}[H] \centering \includegraphics[width=15cm]{system2.png} \caption{システムの流れ} \label{fig:system} \end{figure} さらに、本システムでは上記の問題点を改善するために以下のような内容を提案する。 \begin{itemize} \item WSで行われた話し合いや意見の内容を次の取り組みへの積み上げとして、Web上に残していけるようにする \item WSのテーマ、日時、場所、参加人数、回数、目的、内容の7項目をデータとして管理する \item 話し合いの様子などの写真をあれば残す \end{itemize} 過去に開催されたWSから考察すると、幅広い年齢層の参加者に利用してもらうためには振り返りはより簡潔な内容とすることが重要であると言える。また、WSの様子の写真を載せることで振り返りの手助けとなる。 \chapter{開発} \section{開発環境} 今回の研究のシステムを作成した開発環境について説明する。今回の研究では、Web上のシステムにするためにHTMLを用いた。また、CGIを使うためにRubyを用いた。 \begin{description} \item[HTML]\mbox{}\\ HTMLとは、HyperText Markup Language の略称であり、Webページを作成するために開発された言語である\cite{html}。 \item[Ruby]\mbox{}\\ Rubyとは、1995年にまつもとゆきひろによって開発されたオープンソースの動的なプログラミング言語である\cite{ruby}。本研究でのバージョンは、ruby2.5.0である。 \end{description} \section{ワークショップデジタル化システムの作成} 今回の研究では電子掲示板を用いて、ワークショップによってなされた話し合いの様子を残していくために必要ないくつかの項目を考えた。その項目は以下のとおりである。 \begin{itemize} \item テーマ \item 日付 \item 場所 \item 参加人数 \item 回数 \item 目的 \item 内容 \end{itemize} これらの項目を入力フォームにしたものが、以下の図\ref{fig:web}である。 \begin{figure}[H] \centering \includegraphics[width=15cm]{ws3.png} \caption{入力フォームページ} \label{fig:web} \end{figure} この先システムできてない。。。 \chapter{結論} \section{今後の課題} WSを改善するために必要な他の機能の追加も考え、システムをより充実させる。 \renewcommand{\bibname}{参考文献} \bibliographystyle{junsrt} \bibliography{momo} \end{document}