1 <p>白鳥のパフォーマンスは、地域密着型アイドルとして至って平均的だ。<br>日和山のように既存の振りにアドリブを付け足し、オリジナリティを表現するわけでもなく、<br>鳥海のように自信なさげに控えめなダンスを披露するわけでもない。</p> 2 <p>ただ振付師の指示を従順に守り、与えれたアピールシーンでのみ<br>さりげなく手を振ったり、うちわに描かれたパフォーマンスをする。<br>持っている技術は申し分ないというのに、少し……いや、大幅に勿体無い。</p> 3 <p>「初ライブお疲れ様。どうだった?」<br><br>ステージ裏のこじまんりとした簡易控え室に戻り労いの言葉をかける。<br> 頭から被ったタオルの奥から見えた表情は何処と無く納得のいっていないようだった</p> 4 <p>「凄く楽しかったです!でも、このままでいいのか正直不安で……」<br>声を震わせ視線を伏せる<br>彼女自身、悩んでいたようだ。<br>そっと微笑み、落ち込んだ様子の彼女の頭をやんわりと撫でる</p> 5 <p>「大丈夫。君はいいセンスを持っているんだ。このフェスで自分にあったパフォーマンスを探っていけばいい」<br>「は、はい!私、頑張ります!!」<br>まだ1回目のライブ。お客さんもこれからどんどん集まって来るだろう。<br>今回のフェスを通して彼女自身が自分の持っている物に気付けば、<br>きっと最高のアイドルに成長するかもしれない</p>