%#BIBTEX pbibtex -kanji=%k db %#!platex -kanji=%k -src %% %% 研究報告用スイッチ %% [techrep] %% %% 欧文表記無しのスイッチ(etitle,eabstractは任意) %% [noauthor] %% % (replace-string "、" ",") % (replace-string "。" ".") %\documentclass[submit,techrep]{ipsj} \documentclass[submit,techrep,noauthor]{ipsj} %% \usepackage{okumacro} \usepackage{latexsym} %% \addtolength{\topmargin}{-2cm} %% \addtolength{\textheight}{2cm} %% \addtolength{\textwidth}{2cm} %% \addtolength{\oddsidemargin}{-1cm} %% \addtolength{\evensidemargin}{0.5cm} \usepackage{url} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} \usepackage{latexsym} \def\Underline{\setbox0\hbox\bgroup\let\\\endUnderline} \def\endUnderline{\vphantom{y}\egroup\smash{\underline{\box0}}\\} \def\|{\verb|} % %\setcounter{巻数}{59}%vol59=2018 %\setcounter{号数}{10} %\setcounter{page}{1} \begin{document} %% \title{情報処理学会研究報告の準備方法\\ %% (2018年10月29日版)} \title{情報提供マップの作成者の意図に応じた\\動的レイヤ生成システムの構築} \affiliate{IPSJ}{東北公益文科大学\\ Tohoku University of Community Service and Science} %% \paffiliate{JU}{東北公益文科大学\\ %% Tohoku University of Community Service and Science} \author{本間可楠}{}{IPSJ}[c115144@g.koeki-u.ac.jp] \author{大谷宏行}{}{IPSJ}[c115036@g.koeki-u.ac.jp] \author{佐藤直人}{}{IPSJ}[c115087@g.koeki-u.ac.jp] \author{広瀬雄二}{}{IPSJ}[yuuji@koeki-u.ac.jp] \date {平成30年12月8日} %% \author{情報 太郎}{Joho Taro}{IPSJ}[joho.taro@ipsj.or.jp] %% \author{処理 花子}{Shori Hanako}{IPSJ} %% \author{学会 次郎}{Gakkai Jiro}{IPSJ}[gakkai.jiro@ipsj.or.jp] \begin{abstract} 近年,Web上で閲覧可能な電子地図は地域の情報を伝達し,人と地域の繋がりを 深め,地域のまちづくりを図る手段として幅広く利用されている.たとえば,歴 史的価値のある事物の地点情報と関連画像を集めた観光マップや,生活の上での 危険箇所を明示した「危険箇所マップ」などが存在し,さらには地域住民の手で マップを作成する試みもされている.そうしたマップの作成には,地点情報と画 像などのデータの紐付けや,それらを表示レイヤにまとめる処理が必要であり, 一定の作業時間を要する.たとえ似通った用途のマップであっても各々に同様の 処理を施す必要がある. 我々は,地域が保有する様々な地点資源の集合からマップ作成者の意図に応じて 表示物が変わる「おらほの町の『思い』伝承マップ」を作成するにあたり,関連 する地点情報と画像などを Web 公開に適した形に変換する処理を定式化すると ともに,マップ作成者がそのデータをどのような文脈で伝えたいかという意図が 反映されたレイヤ群を動的に生成するバックエンドシステムを設計した. \end{abstract} % \begin{jkeyword} WebGIS、デジタルアーカイブ、OpenStreetMap、leaflet.js \end{jkeyword} % %\begin{eabstract} %This document is a guide to prepare a draft for submitting to IPSJ %Journal, and the final camera-ready manuscript of a paper to appear in %IPSJ Journal, using {\LaTeX} and special style files. Since this %document itself is produced with the style files, it will help you to %refer its source file which is distributed with the style files. %\end{eabstract} % %\begin{ekeyword} %IPSJ Journal, \LaTeX, style files, ``Dos and Dont's'' list %\end{ekeyword} \maketitle \section{はじめに} 地図は,情報を伝承するためのコミュニケーションの手段として使用されている. 近年では,OpenStreetMap(OSM) 等のオープンデータをベースとした地理情報と 地域の文化的価値のある情報を紐付けした取り組みが進んでいる.東北公益文科 大学(以下,本学)でも酒田市地理情報システムさかたまっぷ \footnote{\url{https://sakatamap.geocloud.jp/webgis/?p=1}} (図~\ref{sakamap})のコンテンツ作成研究事業\cite{sakatamap}にて, 多くの地図コンテンツを開発した.この研究事業では収集コンテンツの編集に, uMap\footnote{OpenStreetMapあるいはその他のフリーな背景地図の上に 自由な個人マップを作れるフリーWebサービス: \url{https://umap.openstreetmap.fr/}} を採用し,表示したいコンテンツが含まれる地図レイヤの確認等に用いるなどした. その技法を発展させ,酒田市日向地区における積雪時の危険箇所を通知する 危険箇所通知ナビ\footnote{危険箇所通知ナ ビ,\url{https://www.koeki-prj.org/~c115087/map/suiro/map.html}}(図 ~\ref{jyosetsu})づくりに貢献した\cite{nikko}.類似の手法は文献 \cite{moti}\cite{agara}\cite{kagaku}にもみられ,多くの人からの情報を集約 した電子地図の作成に有効であることが示せた.一方,さかたまっぷの研究事業 で2016年度に着手した小中学校安全マップ(図\ref{anzen})では市内全域の小中学 校の危険箇所を集約したレイヤ群を構築することができたが,その過程には 単純にレイヤだけで区分けできない「学区問題」(後述)があり, 利用者の立場によって見せるものを変える必要があった. これらをふまえて,作成者の意図に応じて動的に見せるレイヤを生成するマップ システムを設計・構築する. \begin{figure}[h] \begin{center} \includegraphics[width=70mm,clip]{sakatamap.pdf} \end{center} \caption{さかたまっぷ} \label{sakamap} \end{figure} \begin{figure}[h] \begin{center} \includegraphics[width=70mm,clip]{jyosetsumap.pdf} \end{center} \caption{危険箇所通知ナビ} \label{jyosetsu} \end{figure} \begin{figure}[h] \begin{center} \includegraphics[width=70mm,clip]{sakatamap_anzen.pdf} \end{center} \caption{小中学校安全マップ} \label{anzen} \end{figure} \section{地域資源と WebGIS} Web から利用できる地理情報システム(以下 WebGIS )は,さまざまな自治体・組 織で利用されており,その恩恵を得る機会が増えている.また,提供するための 仕組みも整備され,構築することも手軽にできるようになってきた. \subsection{地域資源にWebGISを利用する取り組み} 地域資源を生かしたマップづくりには様々な取り組みが行なわれている. 河村らは地域の産物を活用した食べ物である郷土食を通じて,食文化の記録と地 域理解や知見の共有につながることを目的とした Web マップを作成している \cite{moti}.郷土食の中でも主要な食材として「もち」を扱うこととし,コン テンツを「もちマップ」としている. マップ内で表示する情報は時間に沿って表示しており, Leaflet のプラグイン である Leaflet-timeline を用いて時間軸スライダーを表現している.それによっ て古い時代から新しい時代までの時間軸ともちの名前,位置情報,およびその他 の属性(素材など)を閲覧可能とすることで,どの年代の人にも対応した情報の検 索が容易となった. %% (WebGIS を用いたシステムの事例) 実際のフィールドで実験あるいは実運用されている WebGIS のシステムもある. 榎田らは,まち歩きによる情報収集,防災マップづくりおよび発表までの一貫し た支援が可能なシステムを開発し,実験をしている\cite{agara}.このシステム はブラウザがあれば動作するため,スマートフォン,タブレット及び PC のどの 端末でも動作する.これを用いて情報収集を行い,マップ作成を行った.実験の 結果から,以下の3点の効果が挙げられている. \begin{itemize} \item マップ上で災害を想定し危険性・安全性への関心が高まる \item システムの利用を通じて地域への関心を再認識する \item マップ作成作業により参加者間のコミュニケーションが図られる \end{itemize} データベースによるデジタルアーカイブ化の支援の事例も存在する.たとえば, %% (マップで公開する際のデータの処理はどうしてんの) 有田らは博物館に保管されているコンテンツを,展示や教育の活用も見据えデジ タルアーカイブ化を行い,それらのデータを記録し,検索可能な Web データベー スを開発している\cite{kagaku}.このデータベースは博物館関係者が研究や展 示企画において映像資料を検索するためのものである.記録するデータは館内に 展示されているコンテンツ情報だけではなく,普遍的なデータとして位置情報な どのメタ情報もあわせて記録することで「どこからでも簡単に情報の追加,編集 が可能なもの」という仕組みが構築された.これらよりレイヤのまま処理するの ではなく,地点データを DB 化する有効性が示されている. \subsection{さかたまっぷにおけるレイヤ分け配慮の問題} 本学では,2014年度より山形県酒田市と協力して,市内に点在する様々な地点情 報を収集・加工し,WebGIS 上に公開する活動を進めてきた.これは平成25年度 酒田市総合計画「電子自治体の推進による質の高い行財政運営」の目標達成に係 る研究委託に依るものであり,その過程において場所に関る情報を写真,動画と 連動させ,WebGIS のデータを構成するレイヤの形に変換する知見を開発してき た.この活動の成果は「さかたまっぷ」という名称のWebGISに含まれるコンテン ツの一部として公開されている\cite{sakatamap}. この活動では「市民目線でのマップ情報」というテーマで多様なテーマにもとづ く地点情報を集めているが,そのうちの「小中学校通学路安全マップ」は,市内 の全小中学校に呼びかけを行ない,学区内の通学路にひそむ危険や注意点などの 情報を集めデジタル化して「さかたまっぷ」に掲載することができた.このよう な試みは酒田市に限らず他の自治体でも有用なものであるが,小学校の学区にお いてはいじめや不登校・その他教育的観点に由来する特別配慮にしたがって通う 児童・生徒がおり,とくに人口の少ない地域においては標準学区を越えた通学が 明らかになると,何か不都合なことがあると勘ぐられることがあるなどの理由か ら自治体では敢えて標準学区を曖昧にしていることがある.「さかたまっぷ」 においても,同様の配慮が必要となった.このため,学区に応じたマップレイヤ 分けの作業が煩雑化し,手動介入の必要が生じた. \subsection{観光マップ等における閲覧者属性の問題} 観光案内等の目的での WebGIS も普及しており,さまざまな地点情報が提供され ている.しかしながらたとえば,同じ観光地でも初めて訪れる場合と,常連とし て訪れる場合には欲しい情報は違ってくるはずで,これは観光以外のものにも当 てはまる.ある目的で作成したマップを,参照者にとって常に有用であり続けさ せるためにはなんらかの工夫が必要である. \subsection{意図に応じた動的レイヤ生成システムの必要性} 前述のとおり,生活に供するマップは数多く存在するものの,さかたまっぷにお ける学区問題や,観光マップにおける提供情報の画一化のような問題が考えられ る. %\ruby{地物}{ちぶつ} これらを解決するために,\ruby{地物}{ちぶつ}の分類など「モノ」を主体とし たマップレイヤの管理体系ではなく,情報提供者の「誰に見せたいか」という 「意図」を反映させるための地物管理体系を構築し,様々な目的の WebGIS のバッ クエンドとして供することを目指す. \section{おらほの町の『思い』伝承マップ} 本学では,私立大学研究ブランディング事業の助成を受け,地域に眠る文化的資 産を発掘・デジタルアーカイブ化し,それを伝承する環境を構築する試みを進め ている.その中で,特定の地域固有の情報を集め,単なるアーカイブとして保存 するのではなく,地域住民の思いを紡ぐ「場」となりえるようなマップの構築を 目指している.これは「おらほの町の『思い』伝承マップ」と題するもので,画 像や動画でマップ上に置かれた事物情報をストーリーマップの手法を用いて鮮明 化し,地域の記憶や情報をマップ作成者の意図に応じて反映する機能を持つもの である. \subsection{概要} 「おらほの町の『思い』伝承マップ」(以下,伝承マップ)は,レイヤごとに分類 された地物データをWeb上に表現するフロントエンドモジュールと,全データに 埋め込んだ「意図」に反応する属性を基に表示レイヤを生成するバックエンドモ ジュールから構成される. 本稿ではレイヤ生成を行なうバックエンドについて説明する.本バックエンドシステ ムは,ユーザにより登録されたデータを蓄積・再編成するデータベースから構成され ている(図\ref{system}). 本システムはまず,ユーザが入力した地物に関する位置情報・画像データなどの 情報をデータをデータベースに蓄積する.そのデータベースから,ある条件に適 合するレコードを選択し,その集合を GeoJSON\cite{gj} 形式に変換する.それ と並行してマップ上に表示する,画像・動画の処理を適正な形式に変換したり適 切な場所に設置する一連の処理を定式化し,これらを自動的に処理する. %なお, %地点情報には,属性を付加し何に関するデータかを明確にし,データ抽出時の手 %がかりとする. \begin{figure}[h] \begin{center} \includegraphics[width=60mm,clip]{system.pdf} \end{center} \caption{システムの概念図} \label{system} \end{figure} %% \begin{itemize} \subsection{マップ作成のための Web フォーム} \label{web} マップに登録するデータはWebインタフェースから入力させる(図\ref{importdata}). 入力時はまず,地図上をズーム・スクロールし目標地点を表示し,オブジェクト を登録する位置を指定する.その後,その地点について.名前・住所・コメント・ 属性名・属性値を入力する.ここで指定できる属性ペアは,複数入力することが できる.また,画像や動画がある場合は,その地点に関する画像情報として添付 できる. システムは,入力されたデータをデータベースに登録する. 画像・動画はリサイズ処理のあと,外部のサーバに登録した上でその URLを指定してのアクセスが可能な状態にしておく. 以下に処理の要点を述べる. \begin{figure}[tbp] \begin{center} \includegraphics[width=60mm,clip]{importdata.pdf} \end{center} \caption{情報入力画面} \label{importdata} \end{figure} \begin{enumerate} \item 静止画・動画の処理 画像や動画をWeb上で公開する際にはサイズに留意する必要がある.現在 では,画面解像度がフル HD(1920x1080)から 4K(3840x2160)に対応し たスマートフォンやタブレットなどの携帯端末が一般的になっており, それに伴って撮影される写真はおおむね 4000x3000 画素でファイルサイ ズは5MB から 10MB 程度になる.その状態で Web 上に公開すると単一画 像の読み込みに数秒が必要となり,軽快なマップとは言い難くなる. 現時点での判断として,普及帯のラップトップPCの画面で視認できる程 度の画素数として静止画は長辺1920ピクセル,動画は1280x720ピクセル に縮小して使用することとした.これらの処理はバックグラウンド処理 としてサーバ側で自動的に行う.処理後は,GitBucket\footnotemark{} 上のリポジトリ で保存し管理する.これは,写真や動画に将来に渡って 変動しない固定的なURLを付すための選択であり,画質もURLも変えずに 保存し続けるWebサーバ等であればいずれでも代用可能である.伝承マッ プからは,GitBucket 上のリポジトリにある画像,動画をURL指定し参照 する. \footnotetext{GitHub互換で自由に立ち上げ可能なScalaによるGitリポ ジトリプラットフォームシステム (\url{https://gitbucket.github.io/}).GitBucket 上のリポジトリに 画像を登録しておくと,リポジトリ名,ディレクトリ,ファイル名で決 まる固定的なURLでアクセスが可能となる.} \item 地物位置情報の取得 % たとえば「東北公益文科大学」のように建物や観光地などの名称で位置 % 情報を特定することを想定して,この方法を提案する.図 % \ref{importdata}-(2)の住所入力フォームに住所や建物,観光地の名称 % を入力し,変換ボタンを押すことで住所を緯度・経度に変換し,登録す % る位置情報として設定される. % jQueryもしくは住所をどこかからもってくるAPIを使えば良いっぽいです. % 今はなしで. % ↑これ可能なんか??? 地物データ入力画面では,スクロール可能なマップを提示し,入力する 地物の位置を正確に入力する.このとき,スマートフォン等の写真では 自動的に位置情報が埋め込まれる場合もあるが,同一地点に関する複数 枚の写真を撮った場合に,撮影時のGPSセンサ誤差等によりそれぞれに別々 の値が埋め込まれ違う地点のものと判別されたりすることがあるため, 関連する全ての写真に同じ緯度経度を指定して埋め込む方式を採った. \item データベースの構築 入力された,地点情報はSQLite3を用い表\ref{db-schema}のような構成 のデータベースに格納する. 属性は,各々が付けるため様々な種類が発生しうる.そのため,様々な 属性名が格納できるテーブル設計とした. \end{enumerate} \begin{table}[h] \begin{center} \caption{データベースの構成} \label{db-schema}\small \begin{tabular}{|c|c|} %% \hline %% \multicolumn{2}{|c|}{うわああ} \\ \hline \multicolumn{2}{l}{TABLE: mapitem} \\ \hline カラム & 意味 \\ \hline \underline{ename} & Entity name \\ \hline name & 一般名称 \\ \hline addr & 住所 \\ \hline lat & 緯度 \\ \hline lon & 経度 \\ \hline %% \hline \multicolumn{2}{l}{TABLE: maptype} \\ \hline カラム & 意味 \\ \hline \underline{ename} & Entity name \\ \hline name & 一般名称 \\ \hline %% \hline \multicolumn{2}{l}{TABLE: attribute} \\ \hline カラム & 意味 \\ \hline \underline{ename} & Entity name \\ \hline attr & 属性名 \\ \hline value & 属性値 \\ \hline %% \hline \multicolumn{2}{l}{TABLE: oject} \\ \hline カラム & 意味 \\ \hline \underline{ename} & Entity name \\ \hline object & オブジェクトの種類 \\ \hline jsonval & オブジェクトの JSON 表記 \\ \hline \end{tabular} \end{center} \label{db} \end{table} %% \item 地図制作のための Web フォーム %% 情報の登録機能,(図) %% 登録機能 \subsection{地物に持たせる属性} たとえば観光スポットと位置付けられる地点の情報でも,「訪問経験がない場 合」,「既に訪問したことがある場合」,「何度も訪問した場合」などによって, 閲覧者が有用と感じる情報は自ずと異なる.あるいは泉や水路など水資源と分類 される地点でも,「せせらぎ」といった癒しの場所と捉えるべきこともあれば, 同じ地点が豪雨時には「警戒区域」といったハザード地点と捉えるべき場合もあ る. 以上をふまえ,地図作成者が見せたい相手によって別々の地物データ群(すなわ ち地図レイヤ)を用意するのではなく,どの状況でどう振る舞うかを属性として 地物自身に持たせるようにし,必要に応じたレイヤ生成ができるようにする. 表~\ref{db-schema}で設計したテーブル `attribute' に特定の地物に複数の属 性を持たせ,状況に応じてその地物が見せたいレイヤに含まれるべきかどうかを 判定できるようにする.現時点では,「訪問回数」や「平時・非常時」といった 「値」を入れているのみだが,今回利用したSQLite3ではカラムに入れる型の制 約が緩いため,たとえばここに判定ロジックを持たせたJSON値を入れることが将 来的には可能で,それによりレイヤ生成アルゴリズム自体をデータ化することも 考えられる. \subsection{動的なレイヤ生成} 地点情報を格納したデータデースより,目的に沿った条件で選択した地物レコー ド群を抽出する.抽出したものは,WebGISに適した形の GeoJSON ファイルとし, GitBucket に登録し,その固定URLを生成するマップシステムに埋め込む. GoeJSON 化されたデータは生成したGeoJSONレイヤをマップシステムに直接ロー ドする方法も考えられるが,今回利用した leaflet-omnivore ではセキュリティ の問題から,動的ファイルのロードはできないため,GeoJSONファイルを動的に 生成するとともに,ロードする部分のJavaScriptコードも生成するようにし,実 質的な動的レイヤ生成を実現している. %\begin{figure}[htbp] % \begin{center} % \includegraphics[width=60mm,clip]{layer.pdf} % \end{center} % \caption{属性ごとに分類レイヤ} % \label{lay} %\end{figure} \section{適用結果と展望} 本バックエンドシステムから生成されたレイヤを用いることで,図\ref{lore}の ような大雨災害警戒マップ \footnote{ \url{https://www.yatex.org/gitbucket/natto/rain_disaster_map/pages/oosawa/map.html }} が表現できた. \begin{figure}[tbp] \begin{center} \includegraphics[width=60mm,clip]{oosawa.pdf} \end{center} \caption{大雨災害マップの画面} \label{lore} \end{figure} 展望として,今後は生成可能なマップの幅を広げ,過去に取り組んできた「さか たまっぷ」や「水路まっぷ」のように地域に還元し,各地域で使えるようなシス テムをより多く作り出せるものにすることを目指す. %% ---最終チェック--- %% マップの意味合い \section*{謝辞} 本研究は,山形県酒田市・東北公益文科大学「GISコンテンツ作成業務委託研究」 ならびに平成30年度私立大学研究ブランディング事業タイプA「日本遺産を誇る 山形県庄内地方を基盤とした地域文化とIT技術の融合による伝承環境研究の展開」 の助成を受けた成果である. %% \end{acknowledgment} %% \begin{thebibliography}{99} %% \end{thebibliography} %\fontsize{10.5pt}{10.5pt}\selectfont \bibliographystyle{ipsjunsrt} \bibliography{db} \end{document}