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2022-koki / resume / c120020-2023-R.tex
@Ito Koki Ito Koki on 26 May 2023 14 KB add 2023-R
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%% タイトル %%
\title{住民参加型デジタルスタンプラリーによる地域活性化の提案}

%% 著者 %%
\author{広瀬研究室\\C120020A 伊藤皓紀}

\date{2023年6月6日}
\begin{document}
\twocolumn[
  \maketitle
  \begin{center}
    {\bfseries 概要}
  \end{center}
デジタルスタンプラリーとは,モバイル端末を用いて複数のスポットを周遊し,特定の地点においてスタンプを入手することのできるシステムである。これは,地域の魅力の発信方法の一つとして使われている。本研究では過疎化が進行している地域を対象に,地域住民が主体となって情報の追加や更新といった魅力発信活動を行っていくことのできるデジタルスタンプラリーシステムの提案をする。
  \vspace*{2em}
]
\thispagestyle{empty}
\section{背景}
現在,日本では地方の過疎化が進行し問題となっている。例として,山形県では20の市町村が過疎地域となっている。\cite{kaso}過疎化の原因として,住民の高齢化が挙げられる。これは平均年齢の向上だけでなく,若年層を中心にした人口の流出が大きな要因の一つである。実際に過疎化が進行している地域として,鶴岡市の朝日地域がある。朝日地域とは,熊出地区・東岩本地区・本郷地区・大針地区・名川地区の5つの地区からなる地域であり,鶴岡市の面積の約43.4%を占めている\cite{asahi}。地域の現状として令和4年と平成24年を比較すると,どの地区も高齢化率が40%を超えている。これにより地域行事が衰退して伝統が消失しつつある。若年層の人口流出の原因として,朝日地域内での就労先が限定的であることや,朝日産としてアピールする素材は多くあると思われるが,大きいところに一緒にされて存在が薄くなっているということが挙げられている\footnote{東北公益文科大学大学院「プロジェクトa」授業資料より抜粋}。

本研究では,人口流出の原因の一つである地域の魅力について,発信方法を考えていく。その課題の解決策として,スタンプラリーを用いることで地域の魅力的なスポットを効果的に紹介することができるのではないかと考える。またそれらの情報を地域住民が主体となって追加できるようにすることにより,より詳しい情報や現在は人が足りなくてなくなった行事の情報などを載せることができる。それにより,朝日地域について世代を超えて話し合う機会を増やすことができると考える。
\section{研究目的}
本研究では,朝日地域の住民が主体となって作成し,観光客に対して効果的に地域の魅力の紹介ができるスタンプラリーシステムを開発する。また,スタンプラリーの作成を通して世代を超えてコミュニケーションを取るきっかけとなるシステムの開発を目的とする。
\section{先行研究}
スタンプラリーを観光行動の促進に用いている論文とともに,住民参加型のマップづくりに関係した論文を先行研究として取り上げ,システムを構築する有用性と課題点を探っていく。
\subsection{白川郷での取り組み}
岐阜経済大学の永井らの研究では,岐阜県白川郷でのスタンプラリーイベントにおいて,アプリケーションのインストール数に比べて景品交換まで行った参加者が少なかったということを課題として述べている\cite{sirakawa}。この課題の解決策として,景品をデジタルコンテンツにすることで景品交換をアプリケーション内で行える「自己完結型スタンプラリーアプリケーション」の作成と検討をしている。
\subsection{エリアスタンプラリーシステム}
兵庫県立大学の伊藤らの研究では,スタンプラリーの問題点として,スタンプの設置された各地点間で移動が直線的になりやすく,回遊行動が不十分となる可能性が高いことを挙げている\cite{aria}。これに対し,一定の広い範囲のエリアを設置し,エリア内に一定時間滞在することでスタンプを取得できるようにすることでまちあるきなど回遊行動を増加させることができるのではないかとしている。
\subsection{住民参加型防災マップづくり}
豊田,鐘ヶ江らの研究では,防災マップづくりに参加した住民への効果とマップの受益者である不参加の住民の意識への効果について明らかにしている\cite{com}。住民参加型マップづくりで参加者に期待される効果として,地域理解が深まることや,地域住民同士での情報共有が行われるようになることを挙げている。それに対し,不参加者へのマップ配布の効果については,マップ上にある情報については認知されるがそれに基づいた行動には繋がらないため,効果は限定的であると述べている。
\section{先行研究を踏まえた提案}
本研究では,先行研究の内容をもとに課題点の解決を図る以下の要素を実装する。
\begin{itemize}
\item 共同編集機能

情報の追加や更新などを地域住民全体で行えるようにすることで,地点情報の共有や精密性の向上を目指す。
\item ゲーミフィケーション要素

ユーザのモチベーションを高め,継続して利用してもらうことを目的として実装する。
\end{itemize}

\section{システムの概要}
本システムは,実際に操作してスタンプを収集するユーザ側と,地点情報の追加や削除をする管理者側の2つがある。
\subsection{ユーザ側}
Webサイトに移動すると2つの枠が並んで表示されている。一方には実際のマップが表示されており,もう一方にはラリーポイント(スタンプを獲得できる地点)にピンのみが刺さっている。STARTボタンを押すことでGPS情報の取得が開始され,それをもとにマップ上にある現在地を示すピンが2つの枠の中で移動する。マップが表示されている方を参考に,一定の距離までラリーポイントに近づくと,新たにイラストのマップが展開される。さらにラリーポイントに近づくとスタンプゲットのアラートが表示され,スタンプ一覧にスタンプが追加される(図.\ref{figure:image})。
\begin{figure}[tb]
  \centering
  \includegraphics[width=9cm]{image.pdf}
  \caption{動作イメージ}
  \label{figure:image}
\end{figure}
\subsection{管理者側}
スタンプ情報のデータの管理にはGoogleスプレッドシートを使っている。シートの中には,地点の緯度・経度・名称・詳細・スタンプを入手したあとに表示させるコメントを入力することで,Webサイト上の地点情報が更新される。

データの入力は専用の入力フォームを作成している。
このシステムは,地域住民が主体となって情報の追加をできることで,住民が普段生活している中で魅力に感じているスポットを観光客に紹介することができる。それにより観光客は,朝日地域で生活していく中でのメリットやデメリットを,スタンプラリーを通して知ることができる。

\subsection{システムのメリット}
地域住民全体で情報を更新していくことで,世代による魅力に感じている場所の違いや共通点などを知ることができるようになり,世代を超えてコミュニケーションを取る機会を増やすことができるのではないかと考える。

他にも,実際に暮らしている人の視点での紹介であるため観光客側も移住した際のイメージがしやすくなり,朝日地域の住民増加の手助けとなるのではないかと考える。
\subsection{システムの課題}
現在はスタンプの取得はGPS情報で判定し,スタンプが自動的に追加される仕組みとなっている。しかし,これではユーザ側の参加している意識が薄れる可能性がある。そのためスタンプ取得の際に何か操作を要するといった,関心を引く工夫が必要である。

また,Webページを更新するとスタンプの取得状況がリセットされてしまうため,ユーザごとの取得情報をデータベースに保存していつでも呼び出すことのできるようにする必要がある。
\subsection{実装している機能}
現在作成中のスタンプラリーシステムに実装できている機能は以下のとおりである。
\begin{itemize}
\item Googleスプレッドシートからの読み込み

Googleスプレッドシートにある地点情報・名称・詳細・スタンプを入手した際のコメントをGAS\footnote{Google Apps Scriptの略称でGoogleが開発・提供しているJavaScriptをベースに作成されたプログラム言語である}でシートの内容をJSON形式に変換している。そのデータをJavaScriptで取得し,Webページに反映している\cite{gas}。

以下はGoogleスプレッドシートからの読み込みのソースコードである。
\begin{itembox}[l]{シートの内容をJSON形式に変換}
  \scriptsize{
\begin{verbatim}
const SPREAD_SHEET_ID ='スプレッドシートのID';
const SHEET_NAME = 'シート名';
function doGet(e) {
  const app = SpreadsheetApp.openById
(SPREAD_SHEET_ID);
  const sheet = app.getSheetByName(SHEET_NAME);
  const values = sheet.getDataRange().getValues();
  const data = [];
  for(let i=0; i<values.length; i++){
    if(i === 0)continue;
    const param = {};
    for(let j=0; j<values[i].length; j++){
      param[values[0][j]] = values[i][j];
    }
    data.push(param);
  }
 const result = ContentService.
 createTextOutput();
}
\end{verbatim}
\end{itembox}
\begin{itembox}[l]{JSON形式からの変換}
  \scriptsize{
\begin{verbatim}
function putValues(row){    
  for (let key of Object.keys(row)){
  }
}
function init(){
  fetch(endpoint).
  then((response)=>response.json())
  .then(data => {
      const csv = data;
      for (let x of csv){
          putValues(x);
          let p = L.latLng(x.lat,x.lng);
          titen.push(p);
          comment.push(x.comment);
          info.push(x.info);
          marker.push(L.marker(p).
bindPopup(x.name).addTo(mymapR));
          var elem = document.createElement('img');
          elem.id = `image${pos}`;
          elem.src = 'image/img.png';
          var stamp = document.getElementById
('stamp');
      stamp.appendChild(elem);
      pos += 1;
      }   
  });;    
}       
init();
\end{verbatim}
}
\end{itembox}

\item スタンプの枠を地点の要素数分用意

  Googleスプレッドシートの中の地点の数が増減した際にそれに合わせてスタンプの枠が増減するように設定している。
\item マップ上に画像を配置

  マップ上に実際の道路や,建物に対応したイラストのマップが展開される。
\end{itemize}
\section{実験方法}
実際に鶴岡市の朝日地域の地域住民の方々に紹介し,データの追加やスタンプの収集をしてもらう。そのうえで現在のシステムの課題や実装したい機能の要望などを調査し,システムの改善を目指す。
\section{今後の展望}
現在のシステムは,1人での利用しか想定されていないため,地点数が増えるとスタンプを集める負担も増えてしまう。その対策として,WebSocketを活用して複数人のチームでスタンプを共有できるようにすることで,個人の負担を軽減し誰でも気軽に楽しむことのできるようにしていく(図.\ref{figure:websocket})。
\begin{figure}[tb]
    \centering
    \includegraphics[width=9cm]{websocketimage.pdf}
    \caption{websocketイメージ}
    \label{figure:websocket}
  \end{figure}

また現在はイラストの地図やスタンプの画像などは用意してあるもののみとなっているが,クラウドサーバで画像を保存できるサービスを比較検討し,Googleスプレッドシートに画像URLを載せることで自由に変更できるようにする。

そしてこのシステムの発展として,スタンプラリーに限らない,マップを使ったコミュニケーションシステムの開発を目指す。
\begin{thebibliography}{99}
  \bibitem{kaso}一般社団法人全国過疎地域連盟,“山形県|一般社団法人全国過疎地域連盟”. \url{https://www.kaso-net.or.jp/publics/index/33/},(参照 2023-05-26).
\bibitem{asahi}あさひむら観光協会,“あさひむら観光協会|山形県鶴岡市”. \url{https://www.asahi-kankou.jp/kankou/},(参照 2023-01-09).
\bibitem{sirakawa}永井拓登,増井詩菜,佐々木喜一郎. ``白川郷の観光スポットを巡覧できる自己完結型スタンプラリーアプリケーションの検討". 第81回全国大会講演論文集, 2019年, p843-844.
\bibitem{aria}伊藤波輝,内平隆之,中桐斉之. “スマートフォンとゲーミフィケーションによるまちあるきアプリの開発". 情報処理学会第80回全国大会,2018年, p769-770.
\bibitem{photo}浦田真由,長尾聡輝,加藤福己,遠藤守,安田 孝美.“地域観光を支援するためのフォトラリーシステムの開発". 情報文化学会誌/情報文化学会委員会 編.21(2),2014年,p11-18.
\bibitem{com}豊田祐輔,鐘ヶ江秀彦.“住民参加型防災マップづくりのコミュニティ防災への効果に関する研究".立命館地域研究 第35号,2012年,p25-43.
\bibitem{akari}吉野孝,濱村朱里,福島拓,江種伸之. “災害時支援システム“あかりマップ”の地域住民による防災マップ作成への適用”.情報処理学会論文誌 Vol.58 No.1,2017年,p215-224.
\bibitem{gas}まさき. “【超便利!】HTMLにGoogleスプレッドシートからデータを取得して表示する方法|まさきのエンジニア図書館”. \url{https://masa-enjoy.com/gas-api-spreadsheet}, (参照 2023-01-10).
\end{thebibliography}
\end{document}