%#!platex -kanji=%k %#DVIPDF dvipdfmx -f ipa.map \documentclass{jsbook} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} % \usepackage[dvipdfmx]{color} \usepackage{ascmac} \usepackage{geometry} \usepackage{url} % 文中にURLを書くときは \url{} で括る \setcounter{tocdepth}{3} \geometry{textwidth=160mm, textheight=225mm} \renewcommand{\bibname}{参考文献} \pagestyle{headings} %% タイトル %% \title{WebARスタンプラリー開発支援システムの提案} %% 著者 %% \author{広瀬研究室4年\\C1191150 佐藤文哉} %% 日付 %% \date{\today} \begin{document} \maketitle % \renewcommand{\abstractname}{概要} \begin{center} {\bfseries 概要} \end{center} ARとは,「Augmented Reality」の略であり,「拡張現実」のことを指す。 現実世界を主体に,新たな画像やテキスト,3Dモデルなどの情報を付け加えることが できる。そのため,機材を設置する必要がないなどの利点があり,様々な事業で取り入れら れている技術である。 日本は,このAR技術を観光立国推進のために活用しようと考えており,観光アプリケーショ ンをはじめとする,観光領域でのARの活用を推し進めている。 特にARとスタンプラリーの組み合わせは,観光者の体験価値の向上やイベント 会場の周遊,回遊率の向上など,多くの利点が存在する。そのため,近年では地方自治体や観光 協会などで,ARスタンプラリーを活用したイベント数が増加傾向にある。 しかし,ARスタンプラリーの作成には専門的な知識が必要であり,情報通信技術に 精通していない人やプログラミングの知識がない人が作成するには困難である。 そこで,本研究では,ARスタンプラリーの作成に必要な技術を補助し,簡単な操作のみでAR スタンプラリーを作成することができるWebサービスの開発,提案を行う。(468文字) % そして,実際に利用することを想定した実験を行い,利便性およびサービスとしての実用性について % 評価と考察を行った。 % 目次 \tableofcontents \clearpage % ------------------------第一章------------------------ % \chapter{はじめに}\label{sec:first_chapter} 本章では研究の背景と目的について説明する。 \section{背景} 現代の日本において地方の過疎化や人口減少は大きな社会問題となっている。 総務省統計局の「人口推計結果の要約(2018年)」によると,日本の人口は2008年 をピークに,低下の一途をたどっている\cite{地域・地方の人口}。それに伴う少子高齢 化,労働人口数の低下は,どの企業や自治体においても無視できない緊急課題となってき ており,地域活性化の方法は様々な技術で模索されている。その中の一つに観光事業 におけるAR技術の活用がある。日本は,観光立国推進のためにAR観光アプリ ケーションをはじめ,低コストでわかりやすい情報提供ができるAR技術の活用を推奨\cite{ARの活用} している。 また近年,インターネットや5G \footnote{5Gとは「5th Generation」の略称でり,携帯電話などに用いられる次世代通信規格の5世代目のこと。} による携帯電話通信網の発展により,観光地でのモバイル機器を用いたサービスにも 変化がある。ARような最新テクノロジーでは,映像や3DCGなどのコンテンツがサー ビスとして提供されるため,高速かつ大容量な通信量が求めらる。 従来の通信規格では,AR技術の活用は難しかったが,5Gによってこれらの問題は解消された。 インターネットが高速化とWebサービスの遅延の低減の実現により仮想空間と現実世界に対して より没入感が得られる環境が整い,観光領域でのAR技術の活用はより一層進んでいる。 特に,ARとスタンプラリーの組み合わせは相性がよいとされており,スタンプラリーの 効果(図)である滞在時間の増加や回遊率の向上に加え,ARコンテンツは現実空間に演出を付け加える ことができるため,新しい体験価値の付与や幅広いイベントに対応可能である。 このような理由から,ARスタンプラリーは地域活性化のツールの一つとして,多くの自治体 や観光協会で導入されている。 しかし,AR技術を活用したシステム構築は専門的な知識が必要であり,情報通信技術に 精通していない人やプログラミングの知識がない人にとっては難易度が高い。 また,ARの演出に利用する3Dモデルも専門的な知識とツールの使い方を知らねければ作成することが 出来ないのが問題である。 そこで,本研究では,WebARスタンプラリーの作成に必要な技術を補助し,簡単な操作のみでWebAR スタンプラリーを作成することができるWebサービスの開発,提案を行う。これにより,誰でも 簡単にARスタンプラリーの作成ができるようになり,観光地の集客の増加や観光地での新たな 体験を生み出すことで,地域活性化の一助になるではないかと考えた。 \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/population_change.pdf} \caption{日本の人口推移\cite{人口推移}} \label{fig:population_change} \end{figure} \section{研究目的} 本研究は,簡単な操作のみでWebARスタンプラリーシステムを作成できるシステムを作成する。 そして,このシステムを利用することで,観光客の観光地へのと集客と観光地での体験が誘発するこ とを目的としている。また,WebARスタンプラリー作成システムとして実際に利用することを 想定し実用性,および保守性を考慮しながら提案する。 \section{スタンプラリーの効果} 「大須商店街」で実施されたスタンプラリーの実証実験\cite{スタンプラリー}を元にスタンプラリーの利点と傾向について述べる。 図\ref{fig:effect-rally01}と図\ref{fig:effect-rally02}によると,スタンプラリーを実施することで 回遊率と滞在時間が増加することがわかる。さらに,スポットの数が多いとより滞在時間が長くなる。 \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/effect-graph01.pdf} \caption{「大須商店街」で実施された回遊率の実証実験の結果} \label{fig:effect-rally01} \end{figure} \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/effect-graph02.pdf} \caption{「大須商店街」で実施された滞在時間の実証実験の結果} \label{fig:effect-rally02} \end{figure} % ------------------------第二章------------------------ % \chapter{先行研究と類似サービス}\label{sec:second_chapter} 本章では,現状と課題点を探るために,観光とARに関する関連研究と本サービスの類似サービスについて調査した。 第\ref{sec:connection}では,ARと観光の可能性やARスタンプラリーに関する研究と ARの演出に必要とする3Dモデリングに関する研究を取り上げる。 第\ref{sec:similar}では,スタンプラリー作成補助サービスについて取り上げている。 \section{関連研究} \label{sec:connection} ARと観光を組み合わせたシステムの研究事例とスタンプラリーにおけるスタンプラリーにおける位置情報の活用事例について紹介する。 \subsection{ARコンテンツにおけるユーザ満足度} 越後,小林らの研究\cite{先行研究1}では,聖地巡礼地を舞台とした AR スタンプラリーシステムであり , 単にスタンプを集めたり , アニメの キャラクターや道具などが AR で表示されたりするだけではなく , 地元の人と聖地巡礼者が話すきっかけとなるようなアプリの開発を 行っている。実証実験のアンケートには, 音楽やアニメーション , エフェクトがあると「もっと楽しいと感じる」という意見があった。 \subsection{画像認識型 AR を用いた観光情報の提供} こちらのシステムでは , 紙地図に印刷した観光スポットなどの写真画像をスマートフォンの内蔵カメラで撮 影し , その画面上の写真画像に対して , 詳細な内容を説明する映像コンテンツを自動的に表示させること で , スムーズな観光情報の提供を実現している\cite{先行研究2}。ARを技術を利用することにより,情報提供の幅が広がり,ARと観光を組み合わせた サービスには魅力性と有効性があるとしている。 \subsection{スタンプラリーにおけるページ構成}\label{sec:rally_page} こちらの研究\cite{先行研究3}では,フォトラリー\footnote{スタンプラリーの仕組みを応用し,スタンプを写真で代替したフォトラリーのこと\cite{先行研究3}。}による観光支援から 観光者の観光体験の生み出すシステムの作成を行っている。 スタンプラリーを行うためには,スタンプの獲得機能と情報を表示する機能,それらで 扱う情報を管理する機能が必要としている。 特に,どこにスポットが存在しているか示す機能が重要だと考えており,地図ベースの情報提供を行っている。 スポットの位置情報と観光者の位置情報の表示をすることで,観光スポットが存在する位置情報を観光者が直感的に分かるとしている。 % 地図ベースで提供するページ。 % スタンプは,観光者が指定の観光スポットで写真を撮ることで代替としている。これにより,スタンプ台の設置や % 画像のデザインをする必要がないなど,運営者の負担を減らすことができている。 % またフォトラリーの管理機能には,スポット情報を管理する機能に加え, % 観光スポットの変更や開店時間の変更に対応するために継続的に情報の更新をする必要があるとしている。 \subsection{3Dモデルの作成における学習難易度} 河田,竹之内らの研究\cite{先行研究4}では,3Dモデルリングの学習は初学者にとって困難と する原因があると指摘している。 一般的な3Dモデリングの工程は手順が多く,3Dモデリングの習熟者による授業での演習や 学習テキストでは,アプリケーションソフトウェアの操作に関する説明が多くなってしまう。 そのため,操作になれていないが学習者は指導者の操作を追うことで手一杯になり,結果として 操作に重点においた演習になってしまうとしている。 \section{類似サービス}\label{sec:similar} スタンプラリー作成補助システムは,地方自治体や観光協会などで利用されており,アニメの 聖地巡礼,音楽イベントなど様々な用途で活用することができる。近年では,ARスタンプラリー の作成補助を行っているシステムは少なくない。 そこで,本研究で作成するスタンプラリー作成補助サービスの類似サービスについて調査し, サービスとしての課題点を探る。 \subsection{ARTO QUESTO} ARTO QUESTは誰でも簡単にARスタンプラリーが作成できるサービスである\cite{ARTO QUEST}。 運営者/参加者ともに専用のアプリをインストールせずに,スマートフォンのカメラ機能を使って簡単にAR体験ができる。 ARは,マーカー型ARを利用しておりアニミーションや効果音があることが特徴である。また, スタンプラリーの公開手順もSNSと連携することで簡単にできる。 しかしどこに行けばスタンプが獲得できるかなどの情報提示の不十分により,事前にスポットを知る日必要が有り AR スポットをアプリ内で見つけられないことが課題点である。 \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/ARTO-QUEST.pdf} \caption{ARTO-QUESTの画面} \end{figure} \subsection{Rally} RALLYは,株式会社RALLYが運営しているスマホで遊べるスタンプラリーが作成できるサービスである\cite{Rally}。Rallyは,AR スタンプラリーではないがスタンプラリーに必要な情報を詳細に登録ができたり, ページデザインを オリジナルデザインに変更できたり, 拡張性が高いのが特徴である。作成されたスタンプラリーは すぐに公開が可能で,QRコードやURLを用いた告知が行える。一方で,様々な機能があることにより, 運営のサポートが必要な場合があったり,対応ブラウザが限られるなどの課題点がある。 \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/RALLY.pdf} \caption{RALLYの画面} \end{figure} \subsection{類似サービスの課題点と改善案} 一つ目は,スタンプの獲得できる場所の情報提示が不十分な点である。 どこにスポットが存在しているか示す機能がないとユーザはあらかじめスポットの位置情報 を把握しておく必要性がでてくる。 そうなると,ユーザがスムーズにスタンプラリーを進めることは出来きなくなるため, スポットの位置情報を観光者が直感的に分かるようにする必要がある。 二つ目は,AR表示のトリガーとなるマーカーやQRコードを印刷した紙の設置が必要な点である。 ARの表示やスタンプの獲得には,QRコードを印刷した紙を観光スポットに設置する必要があ るため,場所が限られてしまったり,屋外でのイベントでは天候に左右されてしまう。 また,近年のコロナ禍においては,そうした物理的な設置を使うことで人同士の接触 が多くなってしまうという課題点がある。 % このような点から,屋内と屋外の対応をしたスタンプラリーシステムを構築し,より手軽に % 作成と運営ができる工夫が必要だと考える。 % ------------------------第三章------------------------ % \chapter{提案} 本章では,第\ref{sec:first_chapter}章,第\ref{sec:second_chapter}章で挙げた背景,目的, 課題点を踏まえたシステムの提案を行う。 第\ref{sec:similar}節で挙げた類似サービスの課題点と改善案から本サービス に必要な要件について定める。また,具体的なサービス の提案,スタンプラリーの作成手順と本サービスを使って作成されるスタンプラリーの 構成について説明する。 \section{要件定義}\label{sec:service} 第\ref{sec:similar}節で述べた類似サービスの課題点とそれぞれの特徴をもとに 本サービスで必要となる要件を以下のように定めた。 \begin{itemize} \item 容易な操作で実行可能にする スタンプラリー作成者が必ずしも情報通信技術に精通しているとは言えないため,容易に情報の入力が行えるようにする。 \item 3Dキャラクターのテンプレート機能 3Dキャラクターの作成は難易度が高いため,3Dキャラクターのテンプレートをいくつか用意し,技術者以外の利用も可能にする。 スタンプラリーでは,テーマに応じたキャラクターや設置場所を象ったデザインが利用されることが多いため, 管理者自身がデザイン,作成した3Dキャラクターを利用することも可能にする。 \item ラリーポイントを設定した位置呼応マップの作成機能 観光スポットが存在する位置情報を観光者が直感的に分かるようにするために必要。 \item 屋外と屋内のどちらでも利用可能 様々な観光スポットに対応できるように,屋外と屋内のどちらにも対応させる。 \item 作成したスタンプラリーの公開機能 作成したスタンプラリーの公開は,サーバーサイドの準備などが専門的な知識が必要なため,容易に公開出来る必要がある。 \end{itemize} これらの要件を満たすようシステムの設計を行う必要がある。 \section{サービスの概要} 本研究で作成するサービスは,ユーザがプログラムのコードを書かずにWebARスタン プラリーシステム作成できるものとする。作成したWebARスタンプラリーのURLが発行さ れ,SNSで手軽に公開することが可能である。また,スタンプラリー名や紹介文の設定, 3Dキャラクターや写真のアップロード機能を持たせることで,オリジナルの スタンプラリーの作成ができ,他のスタンプラリーとの差別化を行うことができる (図\ref{fig:system_overview})。 \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/System_Diagram.pdf} \caption{本システムの概要図} \label{fig:system_overview} \end{figure} \chapter{システム設計} \label{sec:sekkei} 本章では\ref{sec:service}節をもとに,システムの設計を行う。 \section{WebARスタンプラリー作成補助システム} WebARスタンプラリー作成補助システムの作成に用いる技術と要件の満たす機能を設計する。 また,スタンプラリーは\ref{fig:system_flow}の流れで作成されるものである。 \subsection{本システムの全体構成} 本システムのフロントエンドアーキテクチャはSPA(シングルページアプリケーション) \footnote{まだ探してない % \cite{spa} } で作成する。 ARスタンプラリーの作成は,ARの位置調整や情報の更新など編集とテストを繰り返す必要があるため,頻繁に編集ページを行き来すると想定される。 そのため,画面遷移のたびにサーバから追加的にコンテンツを読み込む必要あるMPA(マルチーページアプリケーション) \footnote{まだ探してない % \cite{mpa} } よりも, 前のページの差分のみの更新と一度ページを読み込んでしまえば ネットワークの通信速度に左右されない仕組みにより,ページ遷移に伴うストレスが最小限で済むSPAを採用する。 \subsubsection{開発環境} 本システムの作成に使用した技術とバージョンを以下に示す。 \begin{itemize} \item Vue.js - 3.2.37 Vue.jsは,Webアプリケーションにおけるユーザーインターフェイスを構築するための, オープンソースのJavaScriptフレームワークである。SPAの構築のために使用する。 \item node.js - 18.9.0 \item Express - 4.18.1 Expressは,ネットワークアプリケーションを構築するための JavaScript 環境である Node.js の Web アプリケーションフレームワークである\cite{Express}。 \item sqlite3 - 3.36.0 \end{itemize} \subsection{屋内と屋外へ対応} 類似サービスでは,ARの表示にマーカーを必要とするためマーカーを印刷して指定の場所に置いておかなくてはならない。 しかし,マーカーの設置は場所が限定される上に,天候によって設置出来ないことも考えられる。 そのため,ARの表示方法はマーカーに加え,位置情報を用いて行い,マーカーの設置が出来ないような屋外でも使えるようにする。 \subsection{3Dキャラクターのテンプレートの用意} ARに用いる3Dキャラクターの作成は難易度が高いため,3Dキャラクターのテンプレートを3つ用意し,技術者以外の利用も可能にする。 本来のスタンプラリーでは,テーマに応じたキャラクターや設置場所を象ったデザインが利用されることが多いため, スタンプラリー作成者自身がデザイン,作成した3Dキャラクターを投稿し利用することも可能にする。 % \subsection{データベース設計} % データベースにはRDBを利用する。あらかじめ格納すべきデータを分析し,正規化を行い \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=10cm]{./img/administrator-flow.pdf} \caption{WebARスタンプラリーのシステムの流れ} \label{fig:system_flow} \end{figure} \section{作成されるスタンプラリー} 本システムで作成されるスタンプラリーは,第\ref{sec:rally_page}節を参考にし,ホーム画面,マップ,ARパート,スタンプ獲得一覧の計4ページで構成されるスタンプラリーを作成できるものとする。 \begin{itemize} \item ホーム画面 スタンプラリーのタイトルやスポット情報に加え使い方,注意事項を表示する。 \item マップ 各スポットの位置情報とユーザの位置情報を表示する。また,ユーザをリアルタイムに 追跡する。 \item ARパート ARパートでは,ARの表示とスタンプの獲得が行える。 \item スタンプ獲得一覧 スタンプの獲得状況を確認できる。 \end{itemize} マップからユーザの現在地とラリーポイントの位置を確認し , ラリーポイント に近づくと自動的にARパートに移動し ,カメラを起動する。その後 ,スタンプ獲得ボタンを押すことで でスタンプの獲得を行えるものとする(図\ref{fig:stamp_rally_flow})。 \subsection{使用するJavaScriptライブラリ} 本システムで作成されるスタンプラリーのマップ機能とARパートは以下のJavaScriptライブラリを用いて実現する。 \begin{itemize} \item Leaflet JavaScript のライブラリの一種であり,Web 上にタイルベースの地図データを表示すること ができる。 \item A-Frame ARパートの作成には JavaScript の A-Frame ライブラリと AR.jsライブラリを使用し作成した。A-Frame は VR \footnote{VR(バーチャルリアリティ)とは現実と変わらない体験を人工的に実現させることを目指す技術のこと\cite{VR}。} を構築するためのOSS \footnote{OSSとは,ソースコードの改変や再配布が自由に認められている無償のソフトウェアである\cite{OSS}。}の Web フレームワークの一つであり,CSS のように HTML に読み込ませることで使用できる。 A-Frameを3Dモデルを表示するために使用する。 \item AR.js AR.jsはWebAR開発のための代表的なOSSの一つであり,A-Frameと同様にHTMLに組み込むことで簡単に実装することができる。 AR.jsをその3Dモデルを現実空間と結びつけるために使用する。 \end{itemize} \subsection{使用したAR技術}\label{sec:AR} AR.jsで利用できるAR技術は複数あり,本システムでは以下の2つを利用する。 \begin{itemize} \item マーカ型(画像認識型,ビジョンベース) 画像や写真などをマーカとして登録し,マーカを認識するとARコンテンツ 情報(動画や3D,マップ)を表示する。 \end{itemize} \begin{itembox}[l]{marker-ar.ejsマーカ型ARの記述例} \begin{verbatim} <a-marker preset="hiro"> <!--マーカーの指定--> <a-entity gltf-model="#3DオブジェクトのID" scale = "1 1 1" <!--大きさ--> potion="0 3 0" <!--位置--> gltf-model="3DオブジェクトのID"> </a-entity> </a-marker>\end{verbatim} \end{itembox} \begin{itemize} \item GPS型(位置認識型,ロケーションベース) スマートフォンなどの端末の現在位置をGPSで取得し,付近に設定されたARコ ンテンツを表示する。 \end{itemize} \begin{itembox}[l]{location-ar.ejsGPS型ARの記述例} \begin{verbatim} <a-entity gps-entity-place="latitude:緯度; longitude:経度;" look-at="[gps-camera]" scale = "1 1 1" <!--大きさ--> potion="0 3 0" <!--位置--> gltf-model="#3DオブジェクトのID"> </a-entity>\end{verbatim} \end{itembox} \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=10cm]{./img/user-flow.pdf} \caption{スタンプラリーの流れ} \label{fig:stamp_rally_flow} \end{figure} \newpage \chapter{システム開発} 第\ref{sec:sekkei}章を元にシステム開発を行う。ARの実現や位置呼応マップの作成にはJavaScript を 用いる。 \section{UI画面} \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/nocode-AR-edit.pdf} \caption{基本設定ページ} \label{fig:UI} \end{figure} \section{スタンプラリーの全体設計と詳細情報の管理機能} スタンプラリーの管理は,第\ref{sec:sekkei}章で設計したデータベースを使用し, スタンプラリーに関する情報は全てデータベースに保存する。 スポットに関しては,1つのスタンプラリーに対して,複数存在すると考えられるため,テーブルを分けて保存する(図\ref{fig:db})。 また,本システムはログイン機能をもたせること第三者がスタンプラリーに勝手に変更を加えられないようにする。 \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/db_table.pdf} \caption{本システムのデータベース} \label{fig:db} \end{figure} \section{位置呼応マップ} 利用者が,実際に現地に行きスポットとの距離に応じて画面を展開するのが位 置呼応マップである。これには,HTML5 の GeoLocationAPIと, JavaScript ライブラリ Leaflet.js を利用し,現在地点に連動して地図を表示さ せる機能を実装した。 GPS センサを装備しているモバイルデバイスでマップパートの Web ページ にアクセスすることでデバイスの位置情報が送信され,その都度地図上に利用 者の現在位置が反映される。また,取得した位置情報と目標物の距離を算出し あらかじめ定めた閾値以下になった場合に自動的に画面が遷移し,次に述べる AR パートに移動する。 \begin{itembox}[l]{map.ejs位置情報の取得} \begin{verbatim} // 位置情報取得できなかったときの処理 function onLocationError(e) { alert(e.message); } // 位置情報を持ってくる関数 function watchFound(e) { onLocationFound({ latlng: L.latLng([e.coords.latitude, e.coords.longitude]), accuracy: e.coords.accuracy}); }\end{verbatim} \end{itembox} \section{ARパート} \begin{figure}[htb] \centering \includegraphics[width=15cm]{./img/nocode-AR-tpl.pdf} \caption{ARキャラクターのテンプレート機能} \label{fig:ar-tpl} \end{figure} \chapter{システム評価or実験} \chapter{結論} \section{作成システムの課題点} \section{今後の展望} 現状では要件定義,仕様の決定が完了し,UIの構築を行っている。今後は,完成後の公開に向けサーバーサイドの用 意や設定基準等に関して理解を深めていく。また,ARキャラクターのデザインや動きを決める。 % \chapter{作成物紹介} % 作成したシステムは GitBucket 登録し,公開することとした。また,本システムはスマホートフォンでの利用を推奨する。下の % URL を各情報端末の URL 欄に入力すれば松ヶ岡開墾場 AR スタンプラリーのページを開ける。 % \section{本システムの URL と QR コード} % \url{https://www.yatex.org/gitbucket/Fumiya238/AR-project/pages/APP/WebApp.html} \chapter *{謝辞} %章を付けずにタイトル表示 \addcontentsline { toc }{ chapter }{謝辞} %章立てせずに目次に追加するおまじない 本研究を進め,多くの方々にご指導を賜りました。 〜〜〜 \begin{thebibliography}{99} \bibitem{地域・地方の人口} (株)富士通総研.“地域・地方の現状と課題" \url{https://www.soumu.go.jp/main_content/000629037.pdf}, (参照 2021-8-18). \bibitem{ARの活用} 国土交通省総合政策局.“ARによる訪日外国人旅行者への案内情報の提供に向けて" \url{https://www.mlit.go.jp/common/000228861.pdf}, (参照 2022-12-11). \bibitem{人口推移} 厚生労働省.“我が国社会保障制度の構成と概況" \url{https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/07.pdf}, (参照 2022-12-11). \bibitem{スタンプラリー} Shachihata Stamprally.“スタンプラリーの効果" \url{https://fun.shachihata.co.jp/rally/about/effect.php}, (参照 2022-12-13). \bibitem{先行研究1} 越後宏紀,小林稔.“conectAR: アニメの聖地巡礼のためのAR を用いたコミュニケーション支援システムの提案" \url{https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=187444&file_id=1&file_no=1}, (参照2022-5-10). \bibitem{先行研究2}深田秀実 , 船木達也 , 兒玉松男 , 宮下直也 , 大津晶 . 画像認識型 AR 技術を用いた観光情報提供システムの提案 ” \url{https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_action_common_download&item_id=73190&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1}, ( 参照 2021-11-23). \bibitem{先行研究3} 長尾 聡輝,加藤 福己,遠藤 守,安田 孝美.“地域観光を支援するためのフォトラリーシステムの開発" \url{https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10487059_po_ART0010410235.pdf?contentNo=1&alternativeNo=}, (参照 2021-11-23) \bibitem{先行研究4} 河田 尚子,竹之内 和樹. “初学者の3Dモデリングにおける難点と原因の分析" \url{graphicscience.jp/journal_data/files/164_file.pdf}, (参照 2022-12-13) \bibitem{ARTO QUEST}株式会社マイスター・ギルド.“ARスタンプラリー『ARTO QUEST』簡単作成・無料版あり・アプリ不要" \url{https://artoquest.net/}, (参照 2022-5-20). \bibitem{Rally}株式会社 RALLY.“RALLY - 誰でも簡単!モバイルスタンプラリー” \url{https://rallyapp.jp/}, (参照 2022-5-20). % \bibitem[AFrame]”A-Frame”.A-Frame: Hello WebVR. \\ % \url{https://aframe.io/docs/1.2.0/introduction/},(参照 2022-5-10). % \bibitem{js}MDN.”JavaScript”.JavaScript - MDN WebDocs. \\ % \url{https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/JavaScript},(参照 2022-5-10) \bibitem{js}MDN.”JavaScript”.JavaScript - MDN WebDocs. \url{https://vuejs.org/guide/introduction.html}, (参照 2021-12-10). \bibitem{Express} StrongLoop, Inc.“Express - Node.js Webアプリケーション・フレームワーク”.Express \url{https://expressjs.com/ja/},( 参照 2022-12-3). \bibitem{VR} 繁桝博昭.“バーチャルリアルティによる知覚研究" \url{https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2019/12/88-9-12.pdf}, (参照 2022-12-8). \bibitem{OSS} Open Source Initiative.“The Open Source Definition" \url{https://opensource.org/osd}, (参照 2022-12-9). \end{thebibliography} \end{document}