\documentclass[a4j]{jarticle} \usepackage[dvipdfmx]{graphicx} \usepackage{url} \renewcommand{\thefootnote}{*\arabic{footnote}} % -*- coding: utf-8 -*- \topmargin -2cm \textheight 26cm \textwidth 16.5cm \oddsidemargin -0.3cm \pagestyle{empty} \title{自動ミキシングWebサービスの提案} \author{広瀬研究室4年 C118227A 山名流聖} \date{2021年6月15日} \begin{document} \twocolumn[ \maketitle \begin{center} {\bfseries 概要} \end{center} 2020年より新型コロナウイルス感染症は世界的に感染を拡大させている。感染対策のために行われている予防措置等の影響により,全国の音楽系クラブや合唱団は活動の中止や縮小を余儀なくされている。そのような状況下で,オンラインでも活動するために,音源を投稿し複数を選択することで自動で簡単なミックス処理を施せるWebサービスを作成し提案する。 \vspace*{2em} ] \thispagestyle{empty} \section{背景} 新型コロナウイルスの影響により,音楽市場は前年比較で約2割程度に大幅に縮小している\cite{music}。全国的にも音楽系クラブや合唱団等による公演イベントや練習等の活動が縮小されており,音楽業界は全般的に多大な被害を受けている。 \\\quad 東北公益文科大学で活動を行なっている音楽系クラブでは2020年度の活動は前年と比べて,公演数は3割程度に減少し,対面で行う練習等の活動は半分程度に縮小されている。一方で,対面での活動ができないことにより,SNSや動画配信サイトを活用し活動の場をオンラインに広げる動きが強まっている。こういった動きを受け,オンラインで活動を行う際に重要かつ難易度が高い音源編集作業に対して,一助となるようなWebサービスを検討する。 \section{目的} 現状において団体や対面での練習が行えていない音楽従事者を対象とし,オンライン上で音楽活動をする際に必要な音源編集作業をWeb上で行うサービスを作成する。また,音源編集サービスとして実際に利用することを想定し実用性を考察,提案していく。現状の改善後も音源編集,演奏公開等が行える一つの音楽サービスとして継続的な利用ができるシステムを目指す。 \section{類似サービス} 現在公開されている,オンラインセッションや音楽活動の場となるようなサービスの一例を以下に示す。 \subsection{SYNCROOM(シンクルーム)} ヤマハ株式会社が開発,提供している遠隔で音楽演奏ができるアプリケーションである\cite{syncroom}。ルームを作成,もしくは入室することで同じルームにいる利用者間でリアルタイムにセッションすることができる。遠隔合奏技術「NETDUETTO」\footnotemark[1]を用いることで遅延の少ない音声データのやり取りが実現されている。 \subsection{nana(ナナ)} 株式会社nana musicが開発,提供している音楽投稿プラットフォームである\cite{nana}。アプリケーション内で録音から加工,投稿を行うことができ,他の音源に対して自らの演奏を重ねることも可能である。モバイル端末向けのアプリケーションであるため,手軽に利用でき通信速度によるズレを気にしなくて良い。 \footnotetext[1]{NETDUETTOは,遠隔地間の音楽合奏を実現するためにヤマハ株式会社が開発した、インターネット回線を介してオーディオデータの双方向送受信を極力小さな遅れで実現するための技術である。} \section{サービスの概要} 本サービスでは各ユーザが録音した音源を投稿し、曲ごとに集まったところから選択式で音源融合を行うのが主な機能である。融合を行なった音源は一つの音源として聞くことができる(図\ref{blend})。上記の機能を持たせることで,複数人のセッションを容易に実現することができ,その際に必要となる音源融合の作業を大幅に短縮することが可能である。本サービスのシステム開発に当たってはWebページ作成にHTML5,CSS3を使用し,音源ファイルのチェックや投稿システムの実装にはJavaScriptを用いる。音源融合の処理にはSoX(ソックス)\footnotemark[2]を用いる。 \begin{figure}[tbp] \centering \includegraphics[width=9cm]{blend.pdf} \caption{サービスの概要図} \label{blend} \end{figure} \footnotetext[2]{SoX(Sound eXchange)は,クロスプラットフォームのコマンドラインユーティリティである。オープンソースのオーディオ処理ツールでファイル形式の変換や録音・再生機能等の処理を行うことができる\cite{sox}。} \subsection{要件定義}\label{teigi} 本サービスの機能要件を以下に示す。 \begin{itemize} \item 音源を投稿することができる機能 \item 複数の音源の中から特定の音源を選択する機能 \item 音源を曲ごとに管理し表示する機能 \item 音源を一つに合わせる機能 \item 上記の音源をページ内で視聴する機能 \end{itemize} \subsection{研究手順} \ref{teigi}をもとに,本テーマでは以下の手順で研究を進行する。 \begin{enumerate} \item 機能要件,仕様の決定 \\サービスに持たせる機能や使用方法に関して,最終的に実装する機能要件を決定する。 \item システムの設計 \\機能要件をもとに,それぞれの機能を実現するためのシステムを設計する。 \item システムの開発 \\設計をもとに,システムの開発を行う。また,機能単位でテストを行いこの時点で各機能において問題の有無を確認する。 \item 実験,考察 \\開発した一連のシステムを合わせ,一つのサービスとして実際に利用し実験を行う。結果により,実用性に関しての考察を行う。 \end{enumerate} \section{今後の展望} 現状では機能要件,仕様の決定が完了した段階であり,各機能面の設計には至れていないため,\ref{teigi}にて表記した要件を満たすシステムの設計を行なっていく。同時に,完成後の公開に向けサーバーサイドの用意や設定基準等に関して理解を深めていく。 \begin{thebibliography}{9} \bibitem{music} ぴあ株式会社. ``2020年のライブ・エンタテインメント市場は、対前年約8割減に。ぴあ総研が試算値を下方修正".ぴあ \\ \url{https://corporate.pia.jp/news/detail_live_enta_20201027.html}.(参照 2021-6-2) \bibitem{syncroom} ヤマハ株式会社. ``SYNCROOMについて".SYNCROOM \\ \url{https://syncroom.yamaha.com/about/}.(参照 2021-5-29) \bibitem{nana} 株式会社nana music. ``nana".nana \\ \url{https://nana-music.com/}.(参照 2021-5-29) \bibitem{sox} SoX. ``SoX - Sound eXchange | HomePage". \\ \url{http://sox.sourceforge.net/}.(参照 2021-3-20) \end{thebibliography} \end{document}