diff --git a/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.pdf b/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.pdf index adc1bd1..f57d1a2 100644 --- a/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.pdf +++ b/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.pdf Binary files differ diff --git a/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.tex b/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.tex index 0e4ea11..c1d02b6 100644 --- a/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.tex +++ b/paper/IPSJ-IS-150/is150-resume.tex @@ -6,7 +6,7 @@ %% [noauthor] %% -% (save-excursion (replace-string "," ",") (goto-char (point-min)) (replace-string "." ".")) +% (save-excursion (replace-string "、" ",") (goto-char (point-min)) (replace-string "." ".")) %\documentclass[submit,techrep]{ipsj} \documentclass[submit,techrep,noauthor]{ipsj} @@ -48,25 +48,19 @@ \begin{abstract} - 少子高齢化時代を迎え,30年後に消滅する都市が懸念される昨今,現 - 存する生活環境をデジタルアーカイブの形で後世に残す取り組みが活性 - 化している.申請者らの属する東北公益文科大学は2001年開学当時より - 地域を舞台とした研究を重ね,地域の資産との関りを深めてきた. - -% そうした実 -% 績を基に平成29年度から今年度まで IT 技術の融合による伝承環境の構 -% 築を掲げ,貴重な財産の記録を後世に伝えることと,その基盤技術を確 -% 立する使命を担おうとしている. - - 筆者らは,地域が保有する文化的価値のある景観や建造物・物品など - をデジタル化し,それが存在する地点を電子地図上に紐付けし,地域 - との関連が一瞥で判別できるよう視覚化するシステムを開発できた. - その情報技術の知見をさらに発展させ,地域が保有する文化的価値の - ある景観や建造物・物品などをデジタル化し,地域住民が地域とその - 歴史に抱く「想い」を\textbf{ストーリー}として表現できる「いつで - も,どこでも,誰でも,自由に,無料で」使える新しい形態のオープ - ンなリポジトリシステムを開発し,各所に根付く地域の財産を伝承で - きるプラットフォームを構築することをめざす. + 情報技術の発達が生活環境を変えるにつれ,それにより失われるもの + も存在する.それらのうち文化的な意義を持つものは,デジタルアーカ + イブの形で後世に残す取り組みが行なわれている.筆者らの属する東北 + 公益文科大学は2001年開学当時より地域を舞台とした研究を重ね,地域 + との関りを深めてきた.その繋がりを尊重する形で筆者らは,地域が保 + 有する文化的価値のある景観や建造物・物品などから取得したデジタル + データと,それが存在する地点を紐付けしたものを電子地図上に展開し, + 地域との関連が一瞥で判別できるよう視覚化するシステムを開発してき + た.それをふまえ,ある地域に関するデジタルアーカイブの集合体を, + 地域住民がその地と歴史に抱く「想い」を\textbf{ストーリー}として + 表現できる新しい形態のオープンなリポジトリシステムを開発し,各所 + に根付く地域の財産を伝承できるプラットフォームを構築することをめ + ざす. \end{abstract} \begin{jkeyword} @@ -93,47 +87,47 @@ \section{はじめに} 東北公益文科大学(以下本学)の位置する山形県の庄内地方は,文化庁指 - 定の日本遺産3件を有する,歴史的文化の豊かな地域である。しかしな - がら庄内地域においては高齢化率が向上し続け平成29(2017)年度現在 - で34.3\%,2030年度予測で約40\%とされており,集落や「まち」そのも - のの存続すらも危ぶまれる状態となる中,地域文化を残すための記録・ - 保存・伝承の手法および技術を進化させ続けることは地域を拠点とする - 我々の課題と言える。 + 定の日本遺産3件を有する歴史的文化の豊かな地域である.しかしなが + ら庄内地域においては高齢化率が向上し続け,平成29(2017)年度現在 + で34.3\%,2030年度予測で約40\%とされており,文化資源のみならず集 + 落や「まち」そのものの存続すらも危ぶまれる状態となっている.そう + した中,地域文化を残すための記録・保存・伝承の手法および技術を進 + 化させ続けることは地域を拠点とする我々の課題と言える. 本学は,文部科学省平成29年度私立大学研究ブランディング事業の助成 を受け,「日本遺産を誇る山形県庄内地方を基盤とした地域文化とIT技 術の融合による伝承環境研究の展開」なるテーマでの研究を推し進めて - いる。この事業は以下の4つの柱を掲げて取り組んでいる。 + いる.この事業は以下の4つの柱を掲げている. \begin{enumerate} \item 地域資源の掘り起こしと分析・活用研究 社会学,福祉,観光など本学全コースの観点でのこれまでの地 - 域との関りから資源を再発見する。 + 域との関りから資源を再発見する. \item \textbf{モーションキャプチャ等ITを活用した地域の民俗芸能 のアーカイブ化} - 演者の協力を得た上で,地域農村部に現在まで伝わる能や歌舞 - 伎の舞をモーションキャプチャ装置を用い3次元データに取得し, - CG再生可能な形で保存する。 + 演者の協力を得た上で,地域農村部に現在まで伝わる能などの + 舞をモーションキャプチャ装置を用い3次元データに取得し,CG + 再生可能な形で保存する. \item \textbf{民俗芸能の伝承環境構築とその展開} 文化の伝承に主眼を当て,伝承状況の現状を分析し,次世代に 伝えるための技法について,たとえば民俗芸能バーチャル体験 - などの新しい方式を提案する。 + などの新しい方式を提案する. - \item \textbf{地域資源を活用する人材育成に関する研究} + \item 地域資源を活用する人材育成に関する研究 上記等で必要とされる情報技術を持つ未来の世代に対するICT人 - 材を育成する。 + 材を育成する. \end{enumerate} \section{これまでの取り組み} - 上記4項目中,太字で示した2から4の部分を本学メディア情報コースが - 主体となって進めている。 + 上記4項目中,2から4の部分を本学メディア情報コースが主体となって + 進めており,そのうち本稿では太字で示した2,3について取り扱う. \subsection{伝統文化のアーカイブ化} @@ -155,13 +149,13 @@ \caption{アーカイブ化の取り組み} \end{figure} 本学玉本は,自身の民俗芸能伝承のためのコンテンツ制作技術 - \cite{kurokawa}を発展させ,西暦800年代、あるいは1500年代が起源と - される山形県鶴岡市黒川に代々伝わる奉納神事である黒川能の舞の所作 - をデジタル記録する試みを進めている(\figref{mocap})。 + \cite{kurokawa}を発展させ,西暦800年代,あるいは1500年代が起源と + される山形県鶴岡市黒川に代々伝わる奉納神事である黒川能の舞を曲ご + とにデジタル記録する試みを進めている(\figref{mocap}). - また、本学三浦は文化財をはじめとする建造物の内部を深度カメラで撮 - 影するだけで、簡易的な三次元空間データとしてデジタル記録を可能と - するシステムの開発を進めている(\figref{depthcam})。 + また,本学三浦は文化財をはじめとする建造物の内部を,深度カメラで + 撮影するだけで簡易的な三次元空間データとしてデジタル記録を可能と + するシステムの開発を進めている(\figref{depthcam}). \subsection{地域資源の伝承環境の提案} @@ -176,12 +170,12 @@ \end{figure} 先述した舞のキャプチャにより得られたモーションデータはインターネッ - ト経由での公開のための機構も設計を進めている。また本学、唐により + ト経由での公開のための機構も設計を進めている.また本学,唐により 地域固有の農産業に根ざした訪問体験をVR機構で実現する試みもなされ - ている(\figref{vr-sakura})。また、筆者らにより日本遺産松ヶ岡開 - 墾場の建造物や文化的ストーリーを公開するためのリポジトリを,地域 - 住民がその流れに参加できるような形の「ストーリーマップ」として実 - 現する試みを進めている. + ている(\figref{vr-sakura}).また筆者らは,日本遺産松ヶ岡開墾場 + の建造物や文化的ストーリーを公開するためのリポジトリを,地域住民 + がその流れに参加できるような形の「ストーリーマップ」として実現す + る試みを進めている. \section{伝承環境としてのストーリーマップ} @@ -192,18 +186,19 @@ 2018年度にはWebGISの電子地図を見た閲覧者の居場所,その時点の前提 知識などに応じて提供する情報を動的に変えるリポジトリデータベース を構築し\cite{dynmap},そこに情報発信者のストーリーを持たせて提 - 供するしくみ\cite{oraho}を開発してきた.これらの技術を発展させ, - 2019年度より,日本遺産松ヶ岡開墾場の建造物,展示物,想いを込めた - 歴史的ストーリーを閲覧者に合わせて提供するデジタルストーリーマッ - プを設計・構築する試みを進めている. + 供するしくみ\cite{oraho}を開発した.これらの技術を発展させ,2019 + 年度より,日本遺産松ヶ岡開墾場の建造物,展示物,想いを込めた歴史 + 的ストーリーを閲覧者に合わせて提供するデジタルストーリーマップを + 設計・構築する試みを進めている. 文化的価値を持つもののデジタルアーカイブ化は各所で行なわれ,様々 - な手法が提案されている.そうした中,そこに住む住民を始めとする提 - 供者側が伝えたい想いが重要であるとの指摘がされている\cite{story}. - 本研究では,本学のブランディング事業において蓄積して来た様々な形 - のデジタルアーカイブを,そこに宿る想いをストーリーの形で表現でき - る格納形式を設計するとともに一つのマップ上で展開することをめざす + な手法が提案されている.そうした中,デジタルアーカイブ化そのもの + の意義を考慮すると,そこに住む住民を始めとする提供者側が伝えたい + 想いが重要であるとの指摘がされている\cite{story}.本研究では,本 + 学のブランディング事業において蓄積して来た様々な形のデジタルアー + カイブを,そこに宿る想いをストーリーの形で表現できる格納形式を設 + 計するとともに一つのマップ上で展開することをめざす (\figref{storymap}). \begin{figure}[tb] @@ -220,7 +215,7 @@ 地域に根付く伝統文化のデジタルアーカイブ作業はその技法の精練の繰 り返しとともに順次進めている段階である.これらを融合して地域住民 の想いを閲覧者にどのような形で伝えるか,それをリポジトリに格納す - る際の表現形式を設計する試行錯誤を繰り返す段階を迎えている.その + る際の表現形式に対する設計と検証を繰り返す段階を迎えている.その ための「地域住民の想い」のヒアリングを進め,より多くのストーリー をアーカイブしていく.