Newer
Older
2025-Otaki / resume / c123037-2025-R.tex
%#!platex -kanji=%k
%#DVIPDF dvipdfmx -f ipa.map
\documentclass[a4j]{jarticle}
% -- coding: utf-8 --
\addtolength{\topmargin}{-1cm}
\addtolength{\textheight}{2cm}
\addtolength{\textwidth}{2cm}
\addtolength{\oddsidemargin}{-1cm}
\addtolength{\evensidemargin}{-1cm}
\pagestyle{empty}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{url}
\usepackage{ascmac}
\begin{document}


\title{吹奏楽部員向けに音楽用語を学ぶことを目的としたシステムの提案}

\author{広瀬研究室 C1230370 大滝さくら}

\date {令和7年6月4日}          % ★★日付けは発表日とする                      
\twocolumn[
\maketitle
\begin{center}  % 概要はセンタリングする
  {\bfseries 概要}
\end{center}
昨今教育現場でも働き方改革が浸透してきており,教職員の負担軽減の一環として部活動時間短縮と部活動の地域移行が開始した.
これにより,以前よりも効率よく練習に取り組む必要が出てきた.本研究では,Ruby・CGI・CSVを用いてブラウザ上で動作する音楽用語・記号を学習するシステムを開発し,奏者が演奏する上で必要となる知識の定着を図るため,各学校配布の端末で学習できるよう構成していく.
 \vspace*{2em}
]
%\thispagestyle{empty}     

\section{背景}     
2025年現在,教育現場における働き方改革により部活動時間短縮と部活動の地域移行が進んでいる。かつては,平日・放課後ともに練習に励む時間が多く確保されていた.しかし,令和2年以降,週2日以上の休養日も設けることを推奨されるようになったため,部活動での指導に割く時間が減少しているという現状が挙げられる\cite{1}.
吹奏楽における現在の課題として教職員の休日の部活動参加の有無が挙げられる.休日における部活動の地域移行について,市区町村運営型,文化芸術・スポーツ団体等運営型,その他といった運営形態を実施している.課題としては,指導者の確保・質の確保,活動場所,受益者負担財源確保が挙げられている\cite{2}.指導者の確保・質の確保については,ICT活用や大学との地域連携協定を締結,地元の楽団員の指導がある.しかし,地域によって部活動指導員・地域指導員(以下,指導員)の確保が難しい.更に顧問と指導員間での連携,指導法の相違により児童・生徒に混乱を招く恐れがある.また,各学校の指導によって知識に差が出てしまうということが考えられる.この場合,中学校から高校へ進学した際に部員間でも格差が生まれ練習に当てる時間が調べ学習の時間になってしまうことも容易に想像できる.
 吹奏楽の演奏にとって,必要とされるものは技術面が第一に挙げられるが,読譜や楽器を扱う上での基礎知識も重要となってくる.技術に関しては,合奏や講習会等で学んでいく必要があるが,知識は児童・生徒自身で学習することが可能である.
 上記のことから,音楽用語・記号の意味を学校の空き時間でも学習できるシステムが必要なのではないかと考えた.以下の図.\ref{figure:gainen}は,本研究の支援する領域を図示したものである.
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=60mm]{system.pdf}
\caption{本研究の支援する領域}
\label{figure:gainen}
\end{center}
\end{figure}

\section{研究目的}
本研究では,Ruby・CGI・SCVを用いて,クイズ機能,音楽用語辞典機能,相互コミュニケーション機能を備えた,ブラウザ上で動作する音楽用語・記号学習システムを開発する事を目的とする.

\section{関連サービス・研究}
\subsection{関連サービス}
昨今では,ブラウザ上で音楽用語を学習するシステムが開発されている.利点としては,アプリケーションの追加が必要なく,手軽に学習することができることが挙げられる.

 \subsubsection {洗足オンラインスクール・オブミュージック 楽典}
洗足学園から提供されている楽典である.内容解説のほか,オンライン試験があり学習者の理解度を深めることが可能.
\subsubsection {アクロミュージックスクール 音楽用語辞典}
埼玉県さいたま市を拠点とするアクロミュージックスクールの公式ブログにて提供されている音楽用語辞典である.五十音,アルファベット,効果から調べることが可能.

\subsection{関連研究}
以下に関連システムについて記載する.大学の講義内容の理解度テスト実施と分析結果についての内容の論文をまとめている.
\subsubsection{理解度テスト実施に際しての事例}
野崎らは,和歌山大学のシステム工学部1年生を対象とした情報リテラシーの理解度テスト, および3年生を対象としたJavaに関する2種類のテストを実施し,分析結果を記載した\cite{3}.
情報リテラシーの理解度テストは2015年から開始され5択問題10問を紙上にて実施.2016年後期には情報処理1関連で133問,情報処理2関連で100問Webアプリケーションで作成した.2017年以降はMoodleの小テスト機能による5択問題を回答させた.2018年度実施および2019年度実施を比較すると2018年度の回答者のほうが能力値は総じて上位になっている.
Javaに関するテストは正誤判定テストとforループ読解テストである.カリキュラムや授業時間数といった制約から,座学を通じて能力を身に着けさせることは困難であると考え,上記の課題のもとでJavaの基礎知識を定着することを目的として正誤判定テストを実施.なぜ正誤となるかの解説をつけなかったことにより,学習効果がなかったことを表す.改善点として出題順を変えること,正誤に対しての解説をつけること,学生への学習の動機づけが挙げられている.
forループ読解テストは処理を正しく理解しているかを確認できる問題を作成した.分析結果として,forループを通じたプログラミングの読解能力把握の足がかりを得ることができた.ただし,問題の数や質については見直しを図る必要があるとしている.課題として,情報リテラシーの理解度については追跡調査を実施すること,また,forループの読解に関しては,1年後期,2年前期・2年後期の学生に(C言語で記述した)同一問題を解いてもらい,今回の結果と比較することを挙げている.
\section{システムの概要}
以下に,本研究で開発するシステムの機能についての説明を記載する.
\subsection{Phlox}
クイズ,音楽用語辞典に遷移する前のホーム.HTML上からリンクにより学習者が,状況に応じて学習することが可能.
\subsection{クイズ}
本研究で開発するシステムではラジオボックスへの入力で回答を結果へ送信する方法を採用する.問題現在136問作成.各項目ごとに問題を分けており,強弱について(6問)・音の長さについて(6問)・速度標語(記号)について(12問)・発想標語(記号)について(34問)・管楽器における基礎知識(10問)・弦楽器における基礎知識(11問)・打楽器における基礎知識(9問)・移調楽器(B管,C管,F管,Es管)のドイツ音名について(各12問)となっている.
発想標語(記号)については,筆者が6年間で演奏したことのある楽曲105曲から抽出したものである.
各項目に分けたことにより学習者が学びたい内容を選択し,自己学習を行うこと.授業の空き時間などの短時間でも学習することが可能である.以下の図.\ref{figure:quiz1}は,本研究における実際のクイズページを図示したものである.
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=60mm]{0518_quiz1.png}
\caption{音の強弱についてのクイズページ}
\label{figure:quiz1}
\end{center}
\end{figure}
\subsubsection{設計}
HTMLにて問題,回答,解答,解説を表示させる.CSSにより重要である箇所を強調させることにより,学習者に着目してほしい部分を分かりやすくことが可能になった.また,CSVにてクイズの内容を保管することにより,新たにクイズの修正・追加を容易にすることが可能である.Rubyには選択肢を毎回シャッフルさせるプログラムを記載しているため,学習者が選択肢の配置で正解を暗記することを不可能にした.
\subsection{音楽用語辞典}
本研究で開発するシステムでは,フォームによって用語を検索する方法を採用する.また,音楽用語とその意味の保管はCSVで行う方法を採用する.
現時点では,クイズを作成するときに使用した用語(55個)を搭載しており,検索機能は日本語ではなくアルファベット検索にのみ対応している.基本的に音楽用語は6か国語(イタリア語・英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ラテン語)で記載されているためである\cite{4}.音楽用語の数は膨大であり,6年間で使用しなかった用語もあるため,読譜に必要である最低限の用語にしている.
\subsubsection{検索機能を利用しない場合}
検索機能を利用しない場合には,アルファベット順に一覧として表示される.以下の図.\ref{figure:don'tsearch}は,本研究における音楽用語辞典を図示したものである.
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=60mm]{0518_dictionary.png}
\caption{音の強弱についてのクイズページ}
\label{figure:don'tsearch}
\end{center}
\end{figure}
\subsubsection{設計}
\subsubsection{検索機能を利用する場合}
検索機能を利用する場合,CGIスクリプトをRubyが受取り,HTMLによって出力する.出力される内容は,用語とその意味である.以下の図.\ref{figure:search1}は,本研究における音楽用語辞典で検索した状態を図示したものである.
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=60mm]{0518_dictionarykey.png}
\caption{doで検索した場合}
\label{figure:search1}
\end{center}
\end{figure}
\subsubsection{設計}
\section{システムの構築の方法}
本研究では,主にRubyとCGIによって作成する.基本的に,CGIスクリプトをRubyが受取り,HTMLによって出力する仕組みである.
\section{課題}
現在,VNCでのみ動作が可能な状態のため,ブラウザ上で提供することを可能にする.また,学習者と指導者が質問等を相互に行うことが可能とする相互コミュニケーションのシステムが必要であると考える.最後に学習者,指導者が利用した際に開発したシステムがどの程度有用性があるか検証する.
\section{まとめ}
本研究では,部活動時間短縮という制限がある中で奏者(学習者)の知識の定着を図るため,各学校配布の端末で学習できるよう構成していく.現状の開発段階では,クイズの回答と音楽用語辞典の利用が可能になっている.学習者,開発したシステムが指導者が利用した際にどの程度有用性があるか検証していく.













\begin{thebibliography}{1}{2}{3}{4}
\bibitem{1}文部科学省.”「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」のポイント”.(参照2025-05-27)
\bibitem{2}文部科学省.”文化部活動の地域移行等に向けた実証事業事例集”.(参照2025-5-30)
\bibitem{3}野崎崇弘,村川猛彦.”情報リテラシーおよびプログラミングに関する理解度テストの実施と分析”2019年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集,https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/records/200287(参照2025-5-29)
\bibitem{4}久保田慶一.”アルファベットで引く 6か国語音楽用語辞典イタリア語・英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ラテン語”.音楽之友社,2024-3-31 第8刷発行.