diff --git a/paper/c120090-thesis.dvi b/paper/c120090-thesis.dvi index 447b37f..08d847f 100644 --- a/paper/c120090-thesis.dvi +++ b/paper/c120090-thesis.dvi Binary files differ diff --git a/paper/c120090-thesis.pdf b/paper/c120090-thesis.pdf index bae8b93..00060df 100644 --- a/paper/c120090-thesis.pdf +++ b/paper/c120090-thesis.pdf Binary files differ diff --git a/paper/c120090-thesis.synctex.gz b/paper/c120090-thesis.synctex.gz index 6f01a5f..6d935c4 100644 --- a/paper/c120090-thesis.synctex.gz +++ b/paper/c120090-thesis.synctex.gz Binary files differ diff --git a/paper/c120090-thesis.tex b/paper/c120090-thesis.tex index d8b951b..91ae4ef 100644 --- a/paper/c120090-thesis.tex +++ b/paper/c120090-thesis.tex @@ -16,23 +16,34 @@ \title{クラウド型CMS「SpreadSyncCMS」の提案} \author{廣瀬研究室4年\\C1200908 小林龍永} -\date{2023年12月14日} +\date{2023年12月12日} \begin{document} \maketitle \begin{center} {\bfseries 概要} \end{center} %% 概要 %% -近年,インターネット中心の世界となるに伴いWeb集客が主流となっている。しかし,Webに関する知識や理解が足りないことを理由に,Webを活用した情報発信を行なっていない小規模飲食店が多いことが明らかになった。本研究では小規模飲食店の課題点を定義し,解決を目指す。ユーザの専門知識を必要とせず,少人数でも情報発信が可能な「SpreadSyncCMS」を提案し,仮説検定を用いて有用性を評価する。 +近年,インターネット中心の世界となるに伴いWeb集客が主流となっている。広告媒体別の正常規模調査により,2022年時点でWeb広告が市場の4割を占めていることが明らかになった。今後もWebを活用した宣伝,集客の増加が見込まれるが,小規模飲食店においてはWebの活用が進んでいないのが現状である。小規模飲食店でWeb活用が進まない理由として,Webに関する知識面や運用面に課題を抱えていることが明らかになった。 + +そこで本研究では小規模団体でも運用可能なクラウド型CMSの提案,開発を行った。前述の調査によって明らかになった小規模飲食店の課題をもとに要件定義を行い,それをもとにシステム設計を行った。Googleスプレッドシートをデータベースとしてシステムに導入し,ユーザの専門知識を有無に関わらず情報発信が可能な「SpreadSyncCMS」を開発した。実験では仮説検定を用いてシステムの有用性の評価を行った。今後の課題については,システムのセキュリティ面の強化,より広範囲で運用できるような機能強化を挙げた。(453字) + \maketitle \setcounter{tocdepth}{2} \tableofcontents \chapter{背景}\label{haikei} +近年,Web広告による宣伝,集客が主流となってきている。図\ref{koukokuFigure}は,2023年3月に有限責任監査法人トーマツが行った広告媒体別の市場規模の割合をまとめたグラフである。2022年時点で,Web広告が全体の4割以上の市場を占めていることが明らかになった\cite{koukoku}。かつてはテレビやチラシといった媒体が広告市場の大半を占めていたが,インターネット中心の世界となるに伴い,Web広告が市場の大半を占める形となった。Web広告の市場割合は,2005年度から右肩上がりに上昇しており,今後も成長が続くと推察される。 -近年,インターネット中心の世界となるに伴いWeb集客が主流となっている。しかし,小規模飲食店においてWebを活用している店舗は少ない。株式会社ユニワークが運営する飲食店お助けチーム\cite{prtimes}が小規模飲食店経営者を対象に2022年度実施した「ネット活用に関する意識調査」(図\ref{kadai})では,Web集客を実施している店舗の割合は14.2\%であった。実施しない理由として,「知識がないこと」「人手が足りないこと」「理解できていないこと」等が挙げられた。これらの調査結果から,Web活用を行っている店舗が少なく,多くの不安を抱えていることが明らかになった。そこで本研究では,小規模飲食店の課題に寄り添ったCMS\footnote{Contents Management Systemの略称。専門知識がない初心者でも簡単にWebサイトやWebページの作成,管理,運営ができるソフトウェアシステム。テキストや画像等の特定のデータを入力するだけでWebページを自動生成することが可能。}を提案し,開発に取り組む。図\ref{kadai}の調査結果で高い割合を占めた「知識がない」「自身の業種業態に適していない」「理解ができていない」の意見を小規模飲食店の課題として定義し,解決を目指す。 +Web広告による宣伝,集客の重要性が増す一方で,小規模飲食店においてWebを活用している店舗は少ない。株式会社ユニワークが運営する飲食店お助けチーム\cite{web}が小規模飲食店経営者を対象に2022年度実施した「ネット活用に関する意識調査」(図\ref{kadai})では,Web集客を実施している店舗の割合は14.2\%であった。実施しない理由として,「知識がないこと」「人手が足りないこと」「運用費用がかかること」等が挙げられた。これらの調査結果から,Webに関する専門知識や運用面において不安要素がいくつか存在することで,Web活用を行っている店舗が少ないことが明らかになった。そこで本研究では,小規模飲食店の課題に寄り添ったCMS\footnote{Contents Management Systemの略称。専門知識がない初心者でも簡単にWebサイトやWebページの作成,管理,運営ができるソフトウェアシステム。テキストや画像等の特定のデータを入力するだけでWebページを自動生成することが可能。}を提案する。既存のCMSや関連研究を考察し,必要かつ十分な機能を有するCMSの設計を行う。図\ref{kadai}で挙がった意見を小規模飲食店の課題として定義し,解決を目指す。 -\begin{figure}[tbp] + +\begin{figure}[b] + \centering + \includegraphics[width=11cm]{koukoku} + \caption{インターネット広告費推移\cite{koukoku}}\label{koukokuFigure} +\end{figure} + +\begin{figure}[b] \centering \includegraphics[width=7cm]{jittai.pdf} \caption{小規模団体がWeb活用に抱える課題}\label{kadai} @@ -40,27 +51,27 @@ \chapter{目的}\label{mokuteki} -本研究では,小規模団体を対象に簡易的な情報発信が可能なCMSを開発し,第\ref{haikei}節で挙げた課題点の解決を目的とする。 +本研究では,小規模団体が抱える課題をもとにWeb上で簡易的な情報発信が可能なCMSを開発し,有用性を評価する。 \newpage \chapter{関連研究}\label{kanren} -関連研究では,既存CMSの拡張ツールの導入や新たなCMSを開発することで特定の団体や状況下における効果的な情報発信の手法を考察している。 +本章では,CMSの開発を行った関連研究の内容を具体化する。 \section{CMSのフレームワーク開発事例} 永嶺,奥野ら\cite{naga}は運営団体の規模によらない効果的な観光情報の発信を支援するためのWebサイト構築フレームワークを作成した。オープンソースCMSのプラグインモジュールとして実装し,既存の観光サイトに対する優位点を示した。 \section{観光情報発信のCMSの開発事例} -萩原ら\cite{hagiwara}は観光地の多様なニーズに対すや特性に対応可能な観光情報発信のためにCMSの設計・開発を行い複数観光地における導入可能性について検証した。観光地情報の一元管理方法が課題として挙げられた。 +萩原ら\cite{hagiwara}は観光地の多様なニーズや特性に対応可能な観光情報発信のためにCMSの設計・開発を行い,複数観光地における導入可能性について検証した。萩原らは,平泉町の「毛越寺」や奥州市の「えさし藤原の郷」をはじめとした観光地で観光CMSを導入し,試験運用を行なった。観光地の抱える課題やシステム要求を調査し,情報化ニーズが高いことを明らかにした。懸念点としては,システムの導入コストや運用コストが発生することが挙げられた。萩原らのCMSは,観光客がQRコードを読み込んだ位置を取得し,位置に合わせた情報提供を行うという機能をもつ。管理者側はテキスト編集の操作の他にユーザ側の特性に応じてコンテンツを登録することが可能であり,PCを用いてCMSを導入する組織によって情報の発信方法に異なるニーズが存在して観光地情報の一元管理方法が課題として挙げられた。 \section{関連研究の課題点} 以上で挙げた関連研究により,CMSを用いることで情報発信が容易になり,多様なニーズに対応することのできることが分かった。しかし,ユーザが操作するツールの量が多く,使い方を覚える必要がある上に,同時編集が可能ではない。そこで,直感的な操作で複数人が編集可能な機能を取り入れる必要がある。 -\chapter{スプレッドシートを用いたSpreadSyncCMSの提案} +\chapter{Googleスプレッドシートを用いたSpreadSyncCMSの提案} 本章では,第\ref{kanren}章での課題をもとに要件定義を行う。また,要件定義に基づきシステム設計を行う。 \section{提案} 本研究では小規模団体の現状や課題点を踏まえたうえで,簡易的な情報発信を行えるSpreadSyncCMSを提案する。 @@ -119,7 +130,7 @@ \item HTML要素を生成し,動的に内容を変更する機能 \end{itemize} - +. \begin{figure}[tbp] \centering \includegraphics[width=14cm]{systemflow.pdf} @@ -314,11 +325,14 @@ 現時点ではユーザのセキュリティ意識を前提とした設計となっており,セキュリティの脆弱性への対処が行えていない。特にGoogleスプレッドシートの共有リンクのアクセス権限や,データ漏洩に関する対策ができていないため,セキュリティを向上させユーザが安全に利用できるシステム作成を今後の展望とする。 -\chapter{謝辞} +\chapter*{謝辞} +\addcontentsline { toc }{ chapter }{謝辞} +本論文の執筆にあたり,多くの方々にご支援いただきました。 +指導教官の廣瀬雄二准教授からは研究中,技術指導や論文執筆など多岐に亘り多大な助言を賜りました。 \begin{thebibliography}{99} % \bibitem{hakusyo}経済産業省中小企業庁. 2023年度版中小企業白書・小規模企業白書概要案. 2023-4-4.p30-35. (参照日 2023-11-10). -\bibitem{prtimes}株式会社ユニワーク. ``ウェブ集客に取り組んでいる小規模飲食店は14.2\% 外注活用に「知識」「手間」「コスト」の壁”. PR TIMES. 2023-1-20. \url{https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000047493.html},(参照 2023-11-10). - +\bibitem{koukoku}有限責任監査法人トーマツ.``令和4年度デジタル取引環境整備事業 (広告デジタルプラットフォームの利用事業者向け相談窓口の設置等を通じた課題収集・整理に関する事業)”. 2023-03. \url{https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/pdf/n3800000.pdf},(参照 2023-12-09). +\bibitem{web}株式会社ユニワーク. ``ウェブ集客に取り組んでいる小規模飲食店は14.2\% 外注活用に「知識」「手間」「コスト」の壁”. PR TIMES. 2023-1-20. \url{https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000047493.html},(参照 2023-11-10). % \bibitem{gakusei}全国大学生活協同組合連合会. ``第58回(2022年秋実施)学生生活実態調査 速報”. 全国大学生活協同組合連合会. 2022-01-31. \url{https://www.univcoop.or.jp/press/life/report58_01.html},(参照 2023-11-18). % \bibitem{word}WordPress.com.``WordPress”.\url{https://wordpress.com},(参照 2023-08-09). % \bibitem{log}``食べログ”.\url{https://tabelog.com},(参照 2023-05-23). diff --git a/paper/koukoku.pdf b/paper/koukoku.pdf new file mode 100644 index 0000000..d7ce6be --- /dev/null +++ b/paper/koukoku.pdf Binary files differ