diff --git a/resume/momona_resume2.pdf b/resume/momona_resume2.pdf index abb4811..46c0aac 100644 --- a/resume/momona_resume2.pdf +++ b/resume/momona_resume2.pdf Binary files differ diff --git a/resume/momona_resume2.tex b/resume/momona_resume2.tex index 025b52c..7407a56 100644 --- a/resume/momona_resume2.tex +++ b/resume/momona_resume2.tex @@ -6,7 +6,7 @@ \usepackage{multirow} \usepackage{tabularx} \addtolength{\topmargin}{-2cm} -\addtolength{\textheight}{4cm} +\addtolength{\textheight}{3.5cm} \addtolength{\textwidth}{2cm} \addtolength{\oddsidemargin}{-1cm} \addtolength{\evensidemargin}{-1cm} @@ -20,109 +20,33 @@ {\bfseries 概要} \end{center} -街中の各所で飲食店やアーティストのライブコンサートでのグッズ販売などによる待ち行列を目にする。行列によっては、1時間以上の待ち時間が発生する場合もある。現状として普段の生活において待ち時間が発生する場面は、病院や金融機関のATMなど日常的にある。また、実際に目的地に足を運んでから待ち時間や行列が発生していることを知ることも少なくない。そこで、本研究では混雑により待ち時間が発生する場所で活用可能な待ち人数共有システムを作成する。 - -情報を登録する者は、店側ではなく客側が情報を共有し合うシステムとすることで、店側の負担やコスト、労力の削減につながるものとする。客側が情報を登録するため、本システムの利用者がスマートフォンからの簡単な操作により利用できるシステムする。様々な場面で応用可能な待ち時間共有システムとし、事前に待ち時間を把握することで、利用者が時間をより有意義に活用できることを目指し、作成した。その上、作成したシステムを実際に使用し、東北公益文科大学教育研究棟の各研究室を酒田市の飲食店に置き換え実験を行い、本システムの有効性について考察した。(479文字) +街中の各所で飲食店やアーティストのライブコンサートでのグッズ販売などによる待ち行列を目にする。行列によっては、1時間以上の待ち時間が発生する場合もある。現状として普段の生活において待ち時間が発生する場面は、病院や金融機関のATMなど日常的にある。また、実際に目的地に足を運んでから待ち時間や行列が発生していることを知ることも少なくない。そこで、本研究では混雑により待ち時間が発生する場所で活用可能な待ち人数共有システムを作成する。様々な場面で応用可能な待ち時間共有システムとし、事前に待ち時間を把握することで、利用者が時間をより有意義に活用できることを目指した。その上、作成したシステムを実際に使用し、東北公益文科大学教育研究棟の各研究室を酒田市の飲食店に置き換え実験を行い、本システムの有効性について考察した。 \vspace*{2em} ] \section{背景} -1980年代後半から現代にかけて、日本ではテーマパークでの混雑や街中の様々な店舗において行列に並んでいる風景をよく目にする\cite{plus}。いつの時代でも律儀に列を守り、行列を作り出してきた日本人だが、最近ではクチコミサイトやSNSの発展から、「インスタ映え」を狙った若い世代のスイーツ行列が話題となっている。また、普段の生活においてもスーパーのレジや人気の飲食店などで日常的に待つ機会が多数ある\cite{lan}。 +1980年代後半から現代にかけて、日本ではテーマパークでの混雑や街中の様々な店舗において行列に並んでいる風景をよく目にする\cite{plus}。普段の生活においてもスーパーのレジや人気の飲食店などで日常的に待つ機会が多数ある\cite{lan}。 -行列には待ち時間がつきものである。ディズニーランドや富士急ハイランド等の遊園地においてはアトラクションごとに待ち時間を表示するシステムも存在する。しかし、飲食店や屋台などにおいて待ち時間が確かめられるシステムが導入されていることは少ない。その理由としては、コストがかかることや導入してから運用していくことができない現状であること等が考えられる。飲食店にとって行列の整理や管理をするような仕事が増えることは、余計な人員を割くことに繋がる。限られた従業員で仕事を分担している飲食店からすると、そういった雑務は減らしたいと考えるのが妥当である。 +行列には待ち時間がつきものである。ディズニーランドや富士急ハイランド等の遊園地においてはアトラクションごとに待ち時間を表示するシステムも存在する。しかし、飲食店や屋台などにおいて待ち時間が確かめられるシステムが導入されていることは少ない。その理由としては、コストがかかることや導入してから運用していくことができない現状であること等が考えられる。限られた従業員で仕事を分担している飲食店からすると、そういった雑務は減らしたいと考えるのが妥当である。 本研究では、様々な場面で応用可能な待ち時間共有システムの提案することにより、事前に待ち時間を把握することで、利用者が時間をより有意義に活用できることを目指す。 -\section{先行研究} -過去の研究の中から待ち時間による混雑緩和や待ち時間の推定の方法に着目した取り組みが行われた文献について記述する。 - -七里らの研究では、東京ディズニーランドでの日常的な混雑における各アトラクションでの待ち時間を問題と捉え、スマートフォンを利用した待ち時間を考慮したアトラクションナビゲータを作成した\cite{disney}。アプリの使用のありとなしで比較実験を行い、アプリがありの方がアトラクションを早く回ることができることがわかった。今後は実際に人間が移動することができるルートで算出する必要があることが判明した。 - -岡村らの研究では、無線 LAN アクセスポイントを用いて周辺のモバイル端末の発するプローブ要求\footnote{スマートフォンなどの Wi-Fi 対応端末がアクセスポイントに接続する際,端末は周辺に存在するアクセスポイン トを検索するためにプローブ要求 (Probe Request) パケッ トをブロードキャスト送信する.送信間隔は機種によっ て異なるが,概ね数十秒あるいは数分間隔で行われている\cite{nakano} }を収集し、データを解析して待ち時間推定を行った。実際の環境における推定は、到着人数推定に関しては何かしらの改良でより現実的な結果を得られそうな結果を得られたが、待ち時間の推定に関しては全くうまくいかなかった\cite{lan}。 - - -\section{待ち時間に関する現状} -普段の生活において、様々な場所・場面で待ち時間が発生している。実際に店まで足を運んだにも関わらず混雑していることや、待ち時間があることを知らずに店に行ってしまうことは日常的に起こりうることである。 - -「待つ」という行動は人々にストレスを与えたり、時間というコストを奪うことになりかねない。アメリカの経営コンサルタントのディビッド・マイスターは、待ち時間に関する心理について8カ条の対策を挙げた。さらに経営学者のクリストファー・ラブロックがそれに2つを追加し、「待ち時間の心理学:10の原理」を示している\cite{sinri}。\\ - -\begin{itembox}[l]{待ち時間の心理学:10の原理} -\begin{enumerate} -\item 何もしないで過ごす待ち時間は長く感じる -\item 本体のサービスの前後に付随する待ち時間は長く感じる -\item 不安があると待ち時間は長く感じる -\item 不確定な待ち時間は長く感じる -\item 理由が分からない待ち時間は長く感じる -\item 不平等な待ち時間は長く感じる -\item サービスの価値が高いと思えば、長く待つことを厭わない -\item 独りで待つときは待ち時間は長く感じる -\item 不快な待ち時間や苦痛を与える待ち時間は長く感じる -\item 不慣れな場所で待つときは待ち時間は長く感じる\\ -\end{enumerate} -\end{itembox} - -\vspace{0.2in} -このように様々な要因によって待ち時間の感じ方は変化する。本研究では、10の原理の中から「4. 不確定な待ち時間は長く感じる」に着目して研究を進めていく。 - -日頃から待ち時間が発生する場面は様々ある。例を挙げると病院の待合室、銀行のATM、市役所の窓口、飲食店、携帯ショップ、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでのレジ、テーマパークのアトラクション、新製品の販売に並ぶ待ち行列などがある。 - -\subsection{既存のサービス} -既存のサービスとして順番待ちシステムが存在し、実際に飲食店で導入されているシステムもある。以下にいくつか例を挙げる。 -\begin{itemize} -\item EPARK\\ -導入施設、シェアともに全国ナンバーワンの実績がある。特許を取得している順番待ち・予約受付システムである\cite{epark}。 - -\item Airウェイト\\ -幅広い業種の企業が導入している順番待ちシステムである。分析機能を活用することで、店の課題を明確化することもできる\cite{air}。 - -\item MyTurn\\ -受付で混雑状況を明確に知ることができる。そのため、大体どのくらいの時間で席が空くかや自分が何番目に案内されるかなどの情報を把握することができる\cite{myturn}。 - -\item My junban\\ -飲食店やクリニック、カット専門店などの混雑時に使われているシステムである。導入に必要なものはiPadのみのため、初期費用を抑えることができる\cite{myjunban}。 -\end{itemize} - -\subsection{サービスの比較} -上記で挙げた4つの順番待ちシステムを比較し、共通の概念や機能について表\ref{tab:hikaku}にまとめた。 - -\begin{table}[H] -\caption{各サービスの機能比較表} -\centering -\scalebox{0.66}{ -\begin{tabular}{|l|c|c|c|c|} -\hline - & EPARK & Airウェイト & MyTurn & My junban \\ \hline -待ち時間の表示 & ○ & ○ & × & ○ \\ \hline -待ち人数(組数)の表示 & ○ & ○ & ○ & ○ \\ \hline -店舗での受付機能 & ○ & ○ & ○ & ○ \\ \hline -スマートフォンからの受付機能 & ○ & ○ & ○ & ○ \\ \hline -電話・メールでの呼び出し機能 & ○ & ○ & ○ & ○ \\ \hline -クーポンの発券 & × & ○ & × & × \\ \hline -\end{tabular} -} - \label{tab:hikaku} -\end{table} - -4つの順番待ちシステムを比較したが、大きな差は見られなかった。基本的な機能は概ね同じで、サービスによって独自の機能を追加することで特長を出し、他のサービスとの差別化を図っていることがわかった。 - -これらのシステムはいずれも有料で使用可能なものである。さらに、店舗ごとに導入しているシステムであるため、様々な店舗の待ち時間情報を比較をすることができない。 - \section{システムの提案} -本研究では、待ち時間の発生する場所でリアルタイムに待ち人数がわかるシステムの提案をする。情報共有システムにおいて、情報を共有する上でなるべく利用者の情報に統一性を持たせる必要がある。そのため、感じ方に個人差がある待ち時間ではなく待ち人数とすることで、個人差が生まれにくいようにしている。利用者がスマートフォンからの簡単な操作により、利用できるシステムにしていく。 +本研究では、待ち時間の発生する場所でリアルタイムに待ち人数がわかるシステムの提案をする。情報共有システムにおいて、情報を共有する上でなるべく利用者の情報に統一性を持たせる必要がある。そのため、感じ方に個人差がある待ち時間ではなく待ち人数とすることで、個人差が生まれにくいようにしている。 \subsection{目的} -本研究では、リアルタイムで待ち人数情報を共有し、表示するシステムを構築する。よって本研究の目的は、利用者が事前に待ち時間を把握することで時間をより有意義に活用することである。 +本研究の目的は、利用者が事前に待ち時間を把握することで時間をより有意義に活用することである。 \subsection{前提条件} 本システムを利用する際の前提条件として以下の点を挙げる。 \begin{description} \item[利用可能な場面] \mbox{}\\ -本システムにおいて一番有効的だと考えられる場面は、複数の場所の待ち人数を比較したい場合である。登録している場所であればシステム内で比較することができる。例を挙げると、街の中で待ち時間が発生しやすいいくつかの店舗を登録して利用することや、同じ場所で同時に店が開いている「肉フェス」や「激辛グルメ祭り」などのグルメ・フードフェスで利用することが可能である。 +本システムにおいて一番有効的だと考えられる場面は、複数の場所の待ち人数を比較したい場合である。登録している場所であればシステム内で比較することができる。例を挙げると、街の中で待ち時間が発生しやすいいくつかの店舗を登録して利用することや、グルメ・フードフェスで利用することが可能である。 \item[利用不可能な場面]\mbox{}\\ -本システムにおいて利用が困難であると考えられる場面は、いくつかあると考えられる。まず、バス停や電車などの待ち行列の場面が挙げられる。バス停や電車の待ち人数を把握し、比較したところで利用者に有益な情報が与えられるとは考えにくい。また、バスや電車は基本的に時間通り運行しているため、決まった時間になれば待ち行列も解消されると考えられる。そして、駅の券売機や窓口などの列も本研究の対象の待ち時間の発生する場面からは除外される。 +本システムにおいて利用が困難であると考えられる場面は、いくつかあると考えられる。まず、バス停や電車などの待ち行列の場面が挙げられる。バス停や電車の待ち人数を把握し、比較したところで利用者に有益な情報が与えられるとは考えにくい。また、バスや電車は基本的に時間通り運行しているため、決まった時間になれば待ち行列も解消されると考えられる。 \end{description} @@ -136,27 +60,28 @@ \begin{figure}[H] \centering - \includegraphics[width=6cm]{gaikan.pdf} + \includegraphics[width=4cm]{gaikan.pdf} \caption{システムの流れ} - \label{fig:image} + \label{fig:gaikan} \end{figure} \section{待ち人数共有システムの開発} システムの開発については、以下のようになる。 + \subsection{システムの作成} -システムの構成としては、、図\ref{fig:kose}のようになる。待ち人数登録ページと待ち人数表示ページがあり、それぞれのシステムにデータベースを用いている。システムの詳しい説明については次項で述べる。 +システムの構成としては、待ち人数登録ページと待ち人数表示ページがあり、それぞれのシステムにデータベースを用いている(図\ref{fig:kose})。 \begin{figure}[H] \centering - \includegraphics[width=6cm]{kose.pdf} + \includegraphics[width=4cm]{kose.pdf} \caption{システムの構成} - \label{fig:kouse} + \label{fig:kose} \end{figure} \begin{itemize} \item 待ち人数登録ページ\\ -待ち人数を登録するWebページである。実際に待っている人が情報を入力するため、簡潔に必要な情報を入力するものとした。入力する情報は、「待っている場所」と「待っている人数」の2点である。ここでは、SQLite3ライブラリを用い、RubyからSQLite3データベースにアクセスをしている。SQLliteで構築したテーブルは表\ref{tab:table}である。Webページの入力フォームからデータを取得し、上記の2点の情報をデータベースに登録する仕組みである。 +待ち人数を登録するWebページである。実際に待っている人が情報を入力するため、簡潔に必要な情報を入力するものとした。入力する情報は、「待っている場所」と「待っている人数」の2点である。ここでは、SQLite3ライブラリを用い、RubyからSQLite3データベースにアクセスをしている。SQLliteで構築したテーブルは表\ref{tab:table2}である。Webページの入力フォームからデータを取得し、上記の2点の情報をデータベースに登録する仕組みである。 \begin{table}[H] \centering @@ -167,20 +92,20 @@ 小松鮪専門店 & 20 \\ \hline 麺屋酒田inみなと & 10 \\ \hline \end{tabular} - \label{tab:table} + \label{tab:table2} \end{table} \begin{figure}[H] \centering - \includegraphics[width=6cm]{toroku.png} + \includegraphics[width=5cm]{toroku.png} \caption{待ち人数登録ページ} \label{fig:toroku} \end{figure} \begin{figure}[H] \centering - \includegraphics[width=6cm]{torokugo.png} + \includegraphics[width=5cm]{torokugo.png} \caption{待ち人数登録後のページ} \label{fig:torokugo} \end{figure} @@ -190,7 +115,7 @@ \begin{figure}[H] \centering - \includegraphics[width=6cm]{hyoji.png} + \includegraphics[width=5cm]{hyoji.png} \caption{待ち人数表示ページ} \label{fig:hyoji} \end{figure} @@ -205,58 +130,25 @@ \begin{figure}[H] \centering - \includegraphics[width=6cm]{redline.png} + \includegraphics[width=5cm]{redline.png} \caption{実験1に設定を合わせた画面} \label{fig:redline} \end{figure} \subsection{実験2} -作成したシステムの有用性について実験で検証し、実験結果から考察を述べる。 - -\subsubsection{実験方法} -本学の21〜22歳の学生6人を対象に東北公益文科大学教育研究棟の各研究室(図\ref{fig:konai})を酒田市の飲食店に置き換え、実験を行った。システムを使用した者とシステムを使用しない者でどちらがより早く待ち人数が少ない店にたどり着けるかについて検証した。同時に各飲食店の情報を登録するために3箇所にそれぞれ1人ずつ向かわせ、システムを使用してもらった。歩数の計測も行うことで、どのくらいの距離を歩いたかの計測をした。 +本学の21〜22歳の学生6人を対象に東北公益文科大学教育研究棟の各研究室を酒田市の飲食店に置き換え、実験を行った。学生6人のうち4人は、実験協力者としてデータを取るためのサポート役として実験に参加した。システムを使用した者とシステムを使用しない者でどちらがより早く待ち人数が少ない店にたどり着けるかについて検証した。同時に各飲食店の情報を登録するために3箇所にそれぞれ1人ずつ向かわせ、システムを使用してもらった。歩数の計測も行うことで、どのくらいの距離を歩いたかの計測をした。 被験者には、それぞれA〜Eまでの役を振り分け実験を行った。A〜C役は、待ち人数登録ページを使用して各箇所に示されている待ち人数を登録した。D役は本システムを利用せずに待ち人数の少ない箇所を探し、E役は本システムを利用して待ち人数の少ない箇所を探した。 -実験2では以下のように選択肢に変更した(図\ref{fig:sakatain})。実験の流れを以下に述べる。 - +実験2では以下のように選択肢に変更した(図\ref{fig:sakatain})。 \begin{figure}[H] \centering - \includegraphics[width=6cm]{konai.pdf} - \caption{実験場所の図} - \label{fig:konai} -\end{figure} - -\begin{figure}[H] - \centering - \includegraphics[width=6cm]{sakatain.png} + \includegraphics[width=5cm]{sakatain.png} \caption{実験2に設定を合わせた画面} \label{fig:sakatain} \end{figure} -\subsubsection{実験に使用したもの} -実験に使用した機材等を以下に示す。 - -\begin{itemize} -\item スマートフォン -\item ストップウォッチ -\item 待ち人数登録ページのQRコードを示した用紙 -\item 待ち人数を書いた用紙 -\item 店名を明記した用紙 -\item 記録シート -\end{itemize} - -\subsubsection{実験の手順} -実験の全体の手順について以下に示す。 - -\begin{enumerate} -\item 全員の歩数を確認する -\item A〜C役が各箇所に向かい、手順の通り行動する -\item 1分半後にD,E役がスタートし、手順の通り行動する -\item A〜E役がスタート地点に戻ってくるまでにかかった時間と歩数を記録する -\end{enumerate} - \subsection{実験結果} 実験結果を述べる。ランダムに各箇所に待ち人数を設定し、待ち人数を示した用紙を置いた。その結果が以下のとおりである。 @@ -311,7 +203,7 @@ 実験2の結果から、システムを利用していない被験者Dよりもシステムを利用した被験者Eの方がより早く、少ない歩数で待ち人数の少ない場所にたどり着くことができた。これにより、複数の場所の待ち人数を複数人で共有する場合において、本システムの有用性はあるといえる。 \subsection{利用人数の視点からの考察} -実験1の音楽フェス会場で使用した時に情報を共有していたのは2人であった。そのため、本システムで情報を伝えるよりも、LINE\footnote{https://line.me/ja/}やメールなどの普段利用しているツールで情報を交換するのと大差がなかった。もしくは、普段から利用して使い慣れているものを利用した方が有効であるとも考えられる。システムの利用する人数が少ない場合は、本システムの有効性は低いことが考えられる。 +実験1の音楽フェス会場で使用した時に情報を共有していたのは2人であった。そのため、本システムで情報を伝えるよりも、LINEやメールなどの普段利用しているツールで情報を交換するのと大差がなかった。もしくは、普段から利用して使い慣れているものを利用した方が有効であるとも考えられる。システムの利用する人数が少ない場合は、本システムの有効性は低いことが考えられる。 \subsection{登録者の有無についての考察} 今回の実験では、両方の場面ともに実験のために学生に協力してもらい実験を行った。そのため、実際に運用するとなった場合に、一般の方が情報を登録してくれるのかについて考える必要が生まれる。実際に店舗で使用する際には、加盟店と協力して特典が付くような工夫が必要になってくると考えた。