diff --git a/kameya.pdf b/kameya.pdf index 3126ce9..50f18e5 100644 --- a/kameya.pdf +++ b/kameya.pdf Binary files differ diff --git a/kameya.tex b/kameya.tex index c656e10..196663f 100644 --- a/kameya.tex +++ b/kameya.tex @@ -56,25 +56,24 @@ \begin{center} {\bfseries 概要} \end{center} -2020年度からの小学生プログラミングの必修化に向けて文部科学省では小学校プログラミング教育の手引を公開している。普段の生活の中で身近な家電、自動車にはコンピュータが内蔵されており、生活を便利にしている。コンピュータはプログラムで動いている。そのため、仕組みを理解し情報を適切に活用、選択し問題を解決していくことが重要と考えられているためプログラミング教育を導入される。 -小学生のプログラミング教育で身につけたい力は、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つが述べられている。また、小学校だけのプログラミング教育だけではなく、外部のプログラミング教室も年々増加している。しかし、プログラミング教室を企画・運営をするにはどの人を対象とするのか、道具は何を準備するのか、教える体制、準備期間などを決めなければならない。しかし、そのような情報について詳しくまとめてあるものがWeb上で公開されていない。そのため、プログラミング教室を運営するための手引が必要であると考えた。 +2020年度からの小学生プログラミングの必修化に向けて文部科学省では小学校プログラミング教育の手引を公開している。普段の生活の中で身近な家電、自動車にはコンピュータが内蔵されており、そのコンピュータを動かしているのはプログラムである。そのため、仕組みを理解し情報を適切に活用、選択し問題を解決していくことが重要と考えられているためプログラミング教育が導入される。 +小学生のプログラミング教育で身につけたい力は、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」である。また、小学校だけのプログラミング教育だけではなく、外部のプログラミング教室も年々増加している。しかし、プログラミング教室を企画・運営をするにはどの人を対象とするのか、道具は何を準備するのか、教える体制、準備期間など決め方が分からない。また、そのような情報について詳しくまとめてあるものがWeb上で公開されていない。そのため、プログラミング教室を運営するための手引が必要であると考えた。 -本研究では、プログラミング教室運営のための手引を作成することを目的としている。東北公益文科大学では、私立大学ブランディング事業の一環として小学生向けプログラミング教室「Rubyてらこった」を行った。大学生がプログラミング教室を企画・運営し、小学生にプログラミングを教えた。プログラミング教室に参加した小学生にアンケート調査、授業の様子、作成したプログラムからプログラミング教育を通して、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」、「工夫する力」、「伝える力」が身に付けることができたという結果になった。そのことから、Rubyてらこったの活動を基準とした手引を作成した。(758文字) +本研究では、プログラミング教室運営のための手引を作成することを目的としている。 +手引は、東北公益文科大学の私立大学ブランディング事業の一環として小学生向けプログラミング教室「Rubyてらこった」の取り組みから作成する。Rubyてらこったでは、大学生がプログラミング教室を企画・運営し、小学生にプログラミングを教えた。プログラミング教室に参加した小学生にアンケート調査、授業の様子、作成したプログラムからプログラミング教育を通して、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」、「工夫する力」、「伝える力」が身に付けることができたという結果になった。そのことから、Rubyてらこったの活動を踏まえて手引を作成した。(764文字) \clearpage \tableofcontents \clearpage \chapter{はじめに} -2020年度に小学生のプログラミング教育が必修化になる。小学生プログラミングの必修化に向けて文部科学省では小学校プログラミング教育の手引など公開している。普段の生活の中で身近な家電、自動車にはコンピュータが内蔵されており、生活を便利にしている。コンピュータはプログラムで動いている。そのため、仕組みを理解し情報を適切に活用、選択し問題を解決していくことが重要と考えられているためプログラミング教育を導入される。小学校の学習指導要領に書いてあるプログラミングの内容は、3 〜6 年生の音楽の授業や4年生の社会、5年生の算数、6年生の理科、家庭科などである。このように、様々な科目でのプログラミングを学ぶ。プログラミング教育を通して身につけたい力として「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」が述べられている。 +2020年度に小学生のプログラミング教育が必修化になる。小学生プログラミングの必修化に向けて文部科学省では小学校プログラミング教育の手引など公開している。普段の生活の中で身近な家電、自動車にはコンピュータが内蔵されており、コンピュータを動かしているのはプログラムである。そのため、仕組みを理解し情報を適切に活用、選択し問題を解決していくことが重要と考えられているためプログラミング教育を導入される。プログラミング教育を通して身につけたい力として「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」が述べられている。 また、小学校内だけのプログラミング教育だけではなく、外部のプログラミング教室の開催も年々増加している。そのことから、小学生のプログラミング教育の必修化、プログラミング教室の開催状況から述べていく。 \section{小学生プログラミング教育の必修化}\label{hissyu} -2020年度からの小学生プログラミングの必修化になる。プログラミング教育を通して身につけたい力として「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」がある\cite{monbu}。普段の生活の中で身近な家電、自動車にはコンピュータが内蔵されており、コンピュータはプログラムで動いている。そのため、プログラミング教育を導入することによって、プログラム仕組みを理解し情報を適切に活用、選択し問題を解決していくことが重要となる。 +普段の生活の中で身近な家電、自動車にはコンピュータが内蔵されており、コンピュータを動かしているのはプログラムである。そのため、プログラム仕組みを理解し情報を適切に活用、選択し問題を解決していくことが重要と考えられているため、2020年度から小学生プログラミング教育が必修化になる。プログラミング教育を通して身につけたい力は、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」である\cite{monbu}。 -身につけたい力の内容は以下の通りである。 -\\ \begin{description} \item[知識及び技能]\mbox{}\\ @@ -87,11 +86,11 @@ \section{小学生の発達段階}\label{dankai} %小学校の学習指導要領に書いてある主な内容は、表\ref{kamoku}である。小学生にとってプログラミング教育は、発達段階的に難しく感じるのではないかと考える。小学生の発達段階は\ref{sinri}の通りである。 -小学校の学習指導要領に書いてあるプログラミングの内容は、3 〜6 年生の音楽の授業や4年生の社会、5年生の算数、6年生の理科、家庭科などである(表\ref{kamoku})。様々な科目でのプログラミングを学ぶ。 +小学校の学習指導要領に書いてあるプログラミングで学ぶ内容は、3 〜6 年生の音楽の授業で様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通して学習する場面などである(表\ref{kamoku})。 ピアジェが仮説化する各発達段階での子どもの思考特徴(表\ref{sinri})では7〜12歳(小学校生)は、具体的操作段階である。その段階では、具体物を扱う限りにおいては論理的操作が可能だか、科学的な問題や論理的 -変換のようにあらゆる可能な組み合わせを考えねばならぬ問題には困難を示すとある。しかし、12歳以上になる と形式的操作段階となり、経験的事実に基づくだけではなく、仮説による論理的操作や、命題間の論理的関係の理解が可能である。そのため、具体的操作段階である小学生は、プログラミングが難しく感じるのではないかと考える。 +変換のようにあらゆる可能な組み合わせを考えねばならぬ問題には困難を示すとある。しかし、12歳以上になる と形式的操作段階となり、経験的事実に基づくだけではなく、仮説による論理的操作や、命題間の論理的関係の理解が可能である。そのため、具体的操作段階である小学生は、プログラミングが難しく感じ、プログラミング教育で身につけたい力が身につかないのではないかと考える。 \\ @@ -184,7 +183,7 @@ \end{description} \section{プログラミング言語}\label{gengo} -他のプログラミング教室で使われているプログラミング言語で高い比率を占めるのがScratchについでJavaScript、Javaである(図\ref{wariai})。 +プログラミング教室で使われているプログラミング言語で高い比率を占めるのがScratchについでJavaScript、Javaである(図\ref{wariai})。 \begin{figure}[h] \begin{center} @@ -207,7 +206,7 @@ Seymour A. Papert が児童の思考能力向上を目的として 1960 年代に開発されたもので、命令文によって画面上の「タートル」を動かし、タートルの軌跡で線画を描くようになっている。 - \item ドリル + \item ドリトル 筑波大学久野、大阪電気通信大学兼宗が開発したものであり、LOGO 同様にタートルを動かし、図形などを描く機能がある。\url{https://dolittle.eplang.jp/download} @@ -268,17 +267,15 @@ \end{enumerate} \end{breakbox} -\section{プログラミング教室の企画・運営についての課題} -本学ではRubyを用いたプログラミング教室を行った。詳しくは\ref{terakotta}節で述べる。実際に大学生がプログラミング教室を企画・運営をする時に、どのような準備、指導する内容、指導体制など決める基準が明確になかったため準備する期間が長かった。また、プログラミング教室の企画の立て方、運営の方法、準備する道具、準備期間について詳しくまとめてあるものがWeb上で公開されているものがない。そのためプログラミング教室を行うための手引が必要となるのではないかと考えた。 -\section{目的} -本研究では、小学生がプログラミングに対してどのようなイメージ、興味があるのか、プログラミングの授業を通して背景で述べている力が身についたと小学生自身が実感することができるのかを調査していくことを目的とする。また、小学生に回答してもらったアンケートを分析し、はじめてプログラミング教室を運営する人を対象にしたRuby等を用いた小学生向けのプログラミング教室教えるポイント、必要な準備などをまとめた手引を作成する。 +\section{本研究の目的} +本学ではRubyを用いたプログラミング教室を行った。詳しくは\ref{terakotta}節で述べる。実際に大学生がプログラミング教室を企画・運営をする時に、どのような準備、指導する内容、指導体制など決める基準が明確に分からなかった。また、プログラミング教室の企画の立て方、運営の方法、準備する道具、準備期間について詳しくまとめてあるものがWeb上で公開されているものがない。そのためプログラミング教室を行うための手引が必要となるのではないかと考えた。本研究では、小学生向けのプログラミング教室を企画・運営し、はじめてプログラミング教室を運営する人を対象にしたRuby等を用いた小学生向けのプログラミング教室の手引を作成することを目的とする。 \chapter{プログラミング教室} 東北公益文科大学(以下本学)では平成30年度から私立大学ブランディング事業の一環として、小学5、6年生向けのRubyを用いたプログラミング教室を行っている。プログラミング教室の内容については以下の通りである。 -\section{Rubyてらこったの概要} +\section{Rubyてらこったのとは} Rubyてらこったとは小学5、6年生を対象にしたプログラミング教室である。庄内地方を中心とした地域の若者達に情報技術を教え、情報社会を生き抜くために必要な力を身につけていくことを目的としている。本学の私立大学ブランディング事業の一環として行った。本学のブランディング事業については次の\ref{jigyou}節で述べる。 \section{私立大学ブランディング事業}\label{jigyou} 昨年度から私立大学ブランディング事業でRubyてらこったを開催した。私立大学ブランディング事業とは大学の特色ある研究を基軸として全学的な独自色を大きく打ち出す取組を行う私立大学の機能強化を促進することである\cite{siritu}。本学では、5つの軸がある\cite{koeki}。 @@ -290,15 +287,13 @@ \item 地域文化をIT技術により他の地域の人にもわかりやすく伝え、庄内地域の魅力を発信するための手法の研究 \item 地域資源を産業振興やIT技術により活用できる人材の育成 \end{enumerate} -その中の「5.地域資源を産業振興やIT技術により活用できる人材の育成」としてプログラミング言語のRubyを用いたプログラミング教室の企画・運営を行ってきている。詳しくは\ref{terakotta}節で説明する。 -\section{Rubyてらこったの内容}\label{terakotta} -Rubyてらこったの対象は小学5、6年生である。その理由としては、キーボード入力、操作の関係からアルファベットを習い終わっている方が良いと考えたためである。小学生のうちからプログラミング言語Rubyを用いた本格的なプログラミングを学ぶ機会を提供したいと考えているためである。授業は、全5回である。授業内容については、\ref{naiyo}節で説明する。 +その中の「5.地域資源を産業振興やIT技術により活用できる人材の育成」としてプログラミング言語のRubyを用いたプログラミング教室の企画・運営を行ってきている。詳しくは次節で説明する。 +\section{Rubyてらこったの概要}\label{terakotta} +Rubyてらこったの対象は小学5、6年生である。その理由としては、キーボード入力、操作の関係からアルファベットを習い終わっている方が良いと考えたためである。小学生のうちからプログラミング言語Rubyを用いた本格的なプログラミングを学ぶ機会を提供したいと考えているためである。 %なんのために行うのか -\section{Rubyにした理由} -\ref{gengo}節で述べたように様々なプログラミング言語がある。その中でもプログラミング言語Rubyにした理由は本学の学生の知識と他との差別化という点からである。 -\subsection{学生が持っているRuby知識} -本学では2年次に1年間必修科目の基礎プログラミングでRubyを学ぶ。学ぶ内容は以下の通りである\cite{naiyou}。 +\subsection{言語の設定} +様々なプログラミング言語がある。\ref{gengo}で述べたように、プログラミング教室でScratchを使用する場合が多い。しかし、Scratchのようなグラフィック型ではなく、小学生のうちからテキスト型の本格的なプログラミングを学ぶ機会を提供したいとの判断からRubyを教えることにした。また、本学では2年次に1年間必修科目の基礎プログラミングでRubyを学ぶため教えやすいと考えたからである。2年次に学ぶ内容は以下の通りである\cite{naiyou}。 \begin{breakbox} \begin{enumerate} @@ -349,9 +344,8 @@ 自分が作成したシステムを効果的な形で視覚化させる方法を学ぶ \end{enumerate} \end{breakbox} -\subsection{他のプログラミング教室との差別化} -\ref{gengo}で述べたように、プログラミング教室でScratchを使用する場合が多い。しかし、Scratchのようなグラフィック型ではなく、小学生のうちからテキスト型の本格的なプログラミングを学ぶ機会を提供したいとの判断からRubyを教えることにした。 - \section{プログラミング教育で小学生に身につけたい力}\label{tikara} + +\subsection{プログラミング教育で小学生に身につけたい力}\label{tikara} 文部科学省が小学生にプログラミング教育を通して身につけたい力として「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」が述べられている(表\ref{mini})。その3つの力に追加してRubyてらこったで身につけてほしい力についても述べる。この項目に加えRubyてらこったでプログラミングを学んだ小学生に身につけたい力は以下の通りである。 \begin{table}[h] \caption{身につけたい力\cite{monbu} より作成} @@ -385,7 +379,7 @@ \section{指導内容}\label{naiyo} -指導内容は、全5回の限られた回数の中で小学生が理解できる程度にした。また、プログラムを作成、実行する時に複雑にならないようにした。 +小学生が全5回の限られた回数の中で理解できる程度にした。また、プログラムを作成、実行する時に複雑にならないようにした。 教える順番が基本的な操作から徐々に難しい内容になるよう設定している。また、5回目で自由に作成し、発表できるようなプログラムを作成できるように組み立てた(表\ref{jyunban})。 \begin{table}[h] @@ -407,7 +401,7 @@ \end{table} \begin{description} \item[出力メソッド (print, printf, puts)]\mbox{}\\ -アスキーアートのように入力したものをそのまま出力させるために必要である。printは画面出力である。putsも同じように画面出力のためのものであるが、 末尾に改行した形で出力される。printfは書式付のprint文であるため数字などを出力させるのに便利である。 +アスキーアートのように入力したものをそのまま出力させるために必要である。printとputsも同じように画面出力のためのものであるが、 putsは末尾に改行した形で出力される。printfは書式付のprint文であるため数字などを出力させるのに便利である。 \item[文章処理メソッド(gets, chomp)]\mbox{}\\ キーボードに打ち込んだ値を文字列として取得するゲームプログラムを作るときに必要である。 @@ -416,8 +410,7 @@ レジスタープログラムなどの入力したものを繰り返しの処理を行うときに必要である。 また、クイズの結果の判定や条件で繰り返しを行うために使うため必要である。 制御構造とはプログラムで実行される流れを定めたものである。 -whileは繰り返しの処理を行うために使うものである。 -条件分岐にはif, elsif, elseを使用した。使い方の例は以下の通りである。 +繰り返しの処理を行うためにwhile、条件分岐にはif, elsif, elseを使用した。使い方の例は以下の通りである。 \begin{lstlisting}[basicstyle=\ttfamily\footnotesize, frame=single] if a @@ -473,7 +466,7 @@ 長めの休憩をとる。 \item プログラム作成 -プログラムの作成では、学んだ内容を使い自分で考えて作成してもらう。作成の時は、ホワイトボードにマグネットを貼ったり、ペンで書いたりしてからパソコンに入力する。イメージ通りにプログラムが作れない時は、アシスタントがサポート、説明をする。サポート、説明で重要なのは、どうしたらプログラムがうまく動くのか考えてもらい理解してもらうということだ。 +プログラムの作成では、学んだ内容を使い自分で考えて作成してもらう。作成の時は、ホワイトボードにマグネットシートを貼ったり、ペンで書いたりしてからパソコンに入力する。イメージ通りにプログラムが作れない時は、アシスタントがサポート、説明をする。サポート、説明で重要なのは、どうしたらプログラムがうまく動くのか考えてもらい理解してもらう。 \item 作成したプログラム発表 @@ -510,7 +503,7 @@ \subsection{PC} PCは小学生用、授業用、スライド用の3種類使用した。小学生用と授業用のOSはNetBSDである。 -NetBSDとはオープンソースのオペレーティングシステムであり、本学の計算機と同じOSだと学生が教えやすいと考えたからである。また、授業以外でも使ってほしいため無料で配布できるオープンソースが良いと考えたからである。 +NetBSDとはオープンソースのオペレーティングシステムであり、本学の計算機と同じOSだと学生が教えやすいからである。また、授業以外でも使ってほしいため無料で配布できるオープンソースが良いと考えたからである。 \\ \begin{itemize} \item 小学生用PC @@ -527,7 +520,7 @@ \item 講師用PC -小学生の使用している計算機と同じであるためどのように操作するのか小学生に分かりやすくするため使用した。 +小学生に分かりやすくするため小学生の使用している計算機と同じものを使用した。 \item スライド用PC @@ -543,11 +536,11 @@ \end{center} \end{figure} \subsection{USBメモリ} -今回は16GB以上の容量を持つ高速なUSBフラッシュメモリにOSと教材に使用するソフトウェア一式をインストールし、USBメモリから起動して授業用環境として使用できるようにした。 +今回は16GB以上の容量を持つ高速なUSBフラッシュメモリにOSと教材に使用するソフトウェア一式をインストールし、USBメモリから起動して授業用環境として使用できるようにした(\pageref{syasin}ページ図(a))。 \subsection{教科書} -授業内容に合わせて、学生らで作成した。オリジナルのイラストや分かりやすい図などを取り入れ、興味が湧くような内容にすることを心がけた。また、語句の説明なども小学生でも分かるようにした。内容は以下のようなものである。 +授業内容に合わせて、学生らで作成した(\pageref{syasin}ページ図(b))。オリジナルのイラストや分かりやすい図などを取り入れ、興味が湧くような内容にすることを心がけた。また、語句の説明なども小学生でも分かるようにした。内容は以下のようなものである。 \begin{description} \item[プログラミングとは]\mbox{}\\ @@ -581,16 +574,16 @@ \end{description} \subsection{ノート} -初回の授業で配布し、小学生が学んだことや気づいたこと、ポイントなどをこまめに書き込めるように用意した。授業内では、ノートに書く場面があれば講師が指示を促し小学生がノートを書く時間を設けた。 +初回の授業で配布し、小学生が学んだことや気づいたこと、ポイントなどをこまめに書き込めるように用意した(\pageref{syasin}ページ図(c))。授業内では、ノートに書く場面があれば講師が指示を促し小学生がノートを書く時間を設けた。 \subsection{ホワイトボード} ホワイトボードにプログラムを書いてから PCにプログラムを打ち込んだ方が間違えることが少なくなり、分かりやすいと -考えたため用意した。また、小学生がホワイトボードに書きながらプログラムを組んで行くことで理解を深める目的で使用した。 +考えたため用意した(\pageref{syasin}ページ図(d))。また、小学生がホワイトボードに書きながらプログラムを組んで行くことで理解を深める目的で使用した。 \subsection{マグネットシート(小学生用)} 授業の勉強する新しいことや大切な -ものをマグネットシートにした。これを貼るだけで +ものをマグネットシートにした(\pageref{syasin}ページ図(e))。これを貼るだけで 各メソッドを記述できるようにし、記憶しやすくするために作った。 これらを授業内でホワイトボードに貼りながら 作業を進めていった。例を挙げると、 @@ -604,18 +597,18 @@ \subsection{マグネットシート(黒板用)} -小学生にメソッドの部分を分かりやすくするために、黒板に貼るマグネットシートを用意した。 +小学生にメソッドの部分を分かりやすくするために、黒板に貼るマグネットシートを用意した(\pageref{syasin}ページ図(f))。 \subsection{アルファベット対応表} -小学5、6年生はアルファベットを習い終えているが大文字小文字を理解するために作成し配布した。キーボードでは大文字表記になっているため「 l( エル ) 」と「 i( アイ ) 」や「 h( エイチ ) 」と「 n( エヌ ) 」と「 r( アール ) 」などが間違いやすかった。 +小学5、6年生はアルファベットを習い終えているが大文字小文字を理解するために作成し配布した(\pageref{syasin}ページ図(g))。キーボードでは大文字表記になっているため「 l( エル ) 」と「 i( アイ ) 」や「 h( エイチ ) 」と「 n( エヌ ) 」と「 r( アール ) 」などが間違いやすかった。 - +\label{syasin} \begin{figure}[h] \begin{center} \subfigure[USBメモリ]{ \includegraphics[width=0.23\columnwidth]{usb.jpg} -}\label{USB} +}\label{usb} \subfigure[教科書]{ \includegraphics[width=0.23\columnwidth]{kyoukasyo.jpg} } @@ -652,7 +645,7 @@ \section{身につく力の判断基準}\label{kijyun} %\ref{tikara}で述べた力が小学生に身についたか判断する基準は以下の通りである。 -実際に\ref{kasetu}節の仮説を立てたものを検証をする方法としてアンケートを3種作成した。アアンケートの種類と結果については以下の通りである。また、アンケートで判断できないものは、授業の様子や小学生が作成したプログラムより判断する。 +実際に\ref{kasetu}節の仮説を立てたものを検証をする方法としてアンケートを3種作成した。アンケートの種類と結果については以下の通りである。また、アンケートで判断できないものは、授業の様子や小学生が作成したプログラムより判断する。 %行った結果【アンケート】関係をまとめる @@ -996,9 +989,9 @@ \item 楽しそうと楽しかったを比較 -水準1は授業前のプログラミングは楽しそうというイメージ(とても楽しそう (4)、 +水準1は授業前の「プログラミングは楽しそう」というイメージ(とても楽しそう (4)、 楽しそう (3)、楽しそうではない (2)全く楽しそうではない (1))の数値である。 -水準2は授業後のプログラミングは楽しかったという(とても楽しかった (4)、楽しかった (3)、楽しくなかった (2) 全く楽しくなかった (1))数値である。 +水準2は授業後の「プログラミングは楽しかった」という(とても楽しかった (4)、楽しかった (3)、楽しくなかった (2) 全く楽しくなかった (1))数値である。 \begin{lstlisting}[basicstyle=\ttfamily\footnotesize, frame=single] == Mean & S.D. ( SD=sqrt(Vtotal/N) ) == @@ -1015,13 +1008,13 @@ ------------------------------------------------ \end{lstlisting} -\ \ 事前のアンケートのプログラミングは楽しそうであるの結果と5回目の授業のプログラミングは楽しかったの結果の平均を比較したところ有意ではなかった。つまり、イメージと実際の差はなかった。 +\ \ 事前のアンケートの「プログラミングは楽しそう」であるの結果と5回目の授業の「プログラミングは楽しかった」の結果の平均を比較したところ有意ではなかった。つまり、イメージと実際の差はなかった。 \item 難しそうと難しかったを比較 -水準1は、授業前のプログラミングが難しそうというイメージ(とても難しそう (4)、 +水準1は、授業前の「プログラミングは難しそう」というイメージ(とても難しそう (4)、 難しそう (3)、難しそうではない (2)、全く難しそうではない (1))数値である。 -水準2は、授業後のプログラミングは難しかった(とても難しかった (4) +水準2は、授業後の「プログラミングは難しかった」(とても難しかった (4) 、難しかった (3)、難しくなかった (2)、 全く難しくなかった (1))数値である。 \begin{lstlisting}[basicstyle=\ttfamily\footnotesize, frame=single] == Mean & S.D. ( SD=sqrt(Vtotal/N) ) == @@ -1039,12 +1032,12 @@ \end{lstlisting} -\ \ 事前のアンケートのプログラミングは難しそうであるの結果と5回目の授業のプログラミングは難しかったの結果の平均を比較したところ有意ではなかった。つまり、イメージと実際の差はなかった。 +\ \ 事前のアンケートの「プログラミングは難しそう」の結果と5回目の授業の「プログラミングは難しかった」の結果の平均を比較したところ有意ではなかった。つまり、イメージと実際の差はなかった。 \item 勉強が好き -水準1は、授業前の学校の勉強が好きの値(とても好き (4)、好き (3)、好きではない (2)、全く好きではない (1))である。 -水準2は、授業後の学校の勉強が好きの値(とても好き (4)、好き (3)、好きではない (2)、全く好きではない (1))である。 +水準1は、授業前の「学校の勉強が好き」の値(とても好き (4)、好き (3)、好きではない (2)、全く好きではない (1))である。 +水準2は、授業後の学校の「勉強が好き」の値(とても好き (4)、好き (3)、好きではない (2)、全く好きではない (1))である。 \begin{lstlisting}[basicstyle=\ttfamily\footnotesize, frame=single] == Mean & S.D. ( SD=sqrt(Vtotal/N) ) == @@ -1062,7 +1055,7 @@ \end{lstlisting} -\ \ 事前のアンケートのプログラミングは楽しそうであるの結果と5回目の授業のプログラミングは楽しかったの結果の平均を比較したところ有意ではなかった。つまり、イメージと実際の差はなかった。 +\ \ 事前のアンケートの「プログラミングは楽しそうである」の結果と5回目の授業の「プログラミングは楽しかった」の結果の平均を比較したところ有意ではなかった。つまり、イメージと実際の差はなかった。 \item 勉強が難しい @@ -1085,7 +1078,7 @@ ------------------------------------------------ \end{lstlisting} -\ \ 事前のアンケートの学校の勉強が難しいの結果と5回目の授業の学校の勉強が難しいの結果の平均を比較したところ差があり有意傾向である。この数値の差は、5回目の授業のアンケートの数値の方が学校の授業が難しく感じたということである。 +\ \ 事前のアンケートの「学校の勉強が難しい」の結果と5回目の授業の「学校の勉強が難しい」の結果の平均を比較したところ差があり有意傾向である。この数値の差は、5回目の授業のアンケートの数値の方が学校の授業が難しく感じたということである。 \\ 考察については次の第\ref{kousatu}章で述べる。 @@ -1098,7 +1091,7 @@ \begin{lstlisting}[basicstyle=\ttfamily\footnotesize, frame=single] # coding: utf-8 -1#!/uer/bin/env ruby +#!/uer/bin/env ruby # coding: utf-8 puts("(9*7)/(2+1)の答えはいくつでしょう") @@ -1314,8 +1307,7 @@ \section{今後の展望} 今後の展望については、以下の通りである。 \begin{description} -% \item[教える方法の改善]\mbox{}\\ -%同じ授業を受けても参加者一人ひとりの理解度は違う。そのため、各授業の前に前回の復習の時間を長めにとったり、プログラムのメッソドの説明をイメージしやすいものに変えたりと改善すれば、難しいと感じる割合が減るのではないかと考えられるからである。 + \item[はじめてプログラミング教室を運営をする人に手引を利用してもらう]\mbox{}\\ 実際に手引を利用してもらいプログラミング教室を運営してもらう。そこで情報が不足していたり、改善をしたほうがよい場合は手引を修正する。