diff --git a/c116041-thesis.pdf b/c116041-thesis.pdf index 1921807..3c315c2 100644 --- a/c116041-thesis.pdf +++ b/c116041-thesis.pdf Binary files differ diff --git a/c116041-thesis.tex b/c116041-thesis.tex index 415c9af..a112283 100644 --- a/c116041-thesis.tex +++ b/c116041-thesis.tex @@ -65,7 +65,7 @@ \subsection{既存のハザードマップの問題点} \begin{enumerate} \item 予想が難しい \par - 自然災害が相手であるため,規模や被害状況,どこで発生するかを明確に特定しにくく,対策が難しい。そのため,明記できておらず,大きな被害を被る場合もある。その事例が東日本大震災の事例である[12]。宮城県,福島県含む三陸沖は400〜700年周期で東日本大震災と同じ規模の地震が発生しているが,数百年という長い年月で発生しているため明記する必要性が無いと考えていたので,対策もできていなかった[13]。 + 自然災害が相手であるため,規模や被害状況,どこで発生するかを明確に特定しにくく,対策が難しい。そのため,事前の情報を明記することができず,被害が大きくなる。その事例が東日本大震災の事例である[12]。宮城県,福島県含む三陸沖は400〜700年周期で東日本大震災と同じ規模の地震が発生しているが,数百年という長い年月で発生しているため明記する必要性が無いと考えていたので,対策もできていなかった[13]。 \item 見落としがある \par これは2016年に発生した熊本地震での事例である。熊本地震では,西原村と益城町では震度7を記録した。しかしハザードマップでは西原村と益城町が震央の上にあることが明記されておらず,対策もままならないまま被害を被ってしまった[14]。 \item 関心が薄い \par @@ -155,7 +155,7 @@ \end{itemize} \begin{description} \item Leaflet \par - JavaScriptのライブラリの一種であり,Web上にタイルベースの地図データを表示することができる。このライブラリを研究に選んだ理由は、容量が軽く,OpenLayerよりも幅広い編集ができるからである。 + JavaScriptのライブラリの一種であり,Web上にタイルベースの地図データを表示することができる。また、このライブラリを研究に選んだ理由としては、容量が軽く,OpenLayerよりも幅広い編集ができることが挙げられる。 \item JQuery \par JavaScriptライブラリの一種で、Web上で動的な要素を加えるのに用いられる。企業のWebページ上で動的な効果が入っているページに多く使われている。本研究では、マーカーの切り替えに使用した。 \end{description} @@ -165,7 +165,7 @@ \item マーカー \par 目印、標識として利用するためのleafletのオブジェクトであり、L.markerオブジェクトを用いて表示することができる。本研究では避難所を示している。このマーカーの画像はfaviconというleafletの機能を使っており、色を変えることができる。 \item ポリゴン \par - 地図上に作図するためのleafletオブジェクトであり、L.pollygonオブジェクトを用いて生成したコードに、add Toコマンドで追加することで地図への描画を行うことができる。本研究では津波到達範囲の可視化に使用されている。 + 津波や最上川の洪水がどの周域まで及ぶかを表示するのに用いている。ここではポリゴンが使われており、ポリゴンは、leaflet上に多角形を描画するオブジェクトの一種である。描画には各地点の緯度経度を配列として指定する。L.pollygonオブジェクトを用いて生成したコードを表示するには、add Toコマンドで追加する必要がある。本研究では津波到達範囲の可視化に使用されている。 \end{itemize} 本研究のマーカー及びポリゴンには国土交通省のハザードマップデータを用いている。国土交通省の地図を用いるメリットは2つある。ひとつ目は毎年最新の情報を地図内に載せられるため正確性が高いハザードマップを作ることができるということである。また、ふたつ目は行政の地図であるため、引用元を記載しておけば無償で引用することができるということが挙げられる。 \subsection{leaflet-omnivore} @@ -198,7 +198,7 @@ \subsection{位置情報を読み込む過程} GPSを読み込む方法には2種類あり、携帯電話の基地から送られる衛星軌道データとGPSの時刻信号を複合させて位置を特定するものと、衛星から送られてきた軌道データとGPSの時刻信号を用いるスタンドアロンがある。このハザードマップで取得できているのは前者であり、多少の時間のズレはあるが、位置を取得することができる[23]。 \section{印刷機能} -パソコンで扱う際に情報を簡単に印刷できるように、印刷機能を実装した。JavaScriptのメソッドの一種のprintを指定し、Webスクレイピングを行ってWebページの全体を指定することで、ページ全体の印刷を可能にする。Webスクレイピングとは、Webページのデータを取得する方法である。この方法は情報収集を行ううえで重要な技術となっている。しかし、無許可のWebスクレイピングを拒否するWebページもあり、行うと法的に処罰される可能性があるため、注意が必要である。 +パソコンで扱う際に情報を簡単に印刷できるように、印刷機能を実装した。構成はJavaScriptで行い、スクレイピングでWebページの全体を印刷の範囲とすることで、ページ全体の印刷を可能にする。Webスクレイピングとは、Webページのデータを取得する方法である。 %\begin{center} % \begin{figure}[htp] % \includegraphics[clip,scale=0.5]{print4.png} @@ -206,7 +206,7 @@ % \end{figure} %\end{center} \subsection{緯度経度表示機能} -避難所や危険区域の位置がどこであるかを調べるために実装している。Leafletの定義クラスの一種であるlatlngを用いることにより、詳細な緯度経度を表示することができるようになる。 +避難所や危険区域の位置がどこであるかを調べるために実装している。Leafletの \begin{center} \begin{figure}[htp] \includegraphics[clip,scale=0.5]{capture.png} @@ -214,7 +214,7 @@ \end{figure} \end{center} \subsection{津波到達予想範囲の可視化} -津波や最上川の洪水がどの周域まで及ぶかを表示するのに用いている。ここではポリゴンが使われており、ポリゴンは、leaflet上に多角形を描画するオブジェクトの一種である。描画には各地点の緯度経度を配列として指定する。 +津波到達範囲を可視化にはポリゴンを用いる。可視化を行うにおいて、酒田市のハザードマップと国土交通省のハザードマップのデータを用いる。抽出されたデータはUmap\footnote[6]{}を通してOpenStreetMapのデータに変換して表示している。 \begin{center} \begin{figure}[htp] \includegraphics[clip,scale=0.4]{newmap2.png} @@ -222,7 +222,9 @@ \end{figure} \end{center} \subsection{避難所の位置の可視化} -酒田市内にある地震あるいは地震によって引き起こされる二次災害からの避難を目的とした場所をマーカーで表している。このマーカーはleaflet機能で、L.markerというオブジェクトによって表示されている。JQueryとL.Icon.Default.ImagePathを組み合わせることでマーカーを切り替えることができる。本研究のシステムでは夏と冬の避難所マーカーを切り替えるシステムに用いられている。 +酒田市内にある、地震あるいは地震によって引き起こされる二次災害からの避難を目的とした場所や施設をマーカーで表している。マーカーはleaflet機能で、L.markerというオブジェクトによって表示されている。JQueryとL.Icon.Default.ImagePathを組み合わせることでマーカーを切り替えることができる。本研究のシステムでは夏と冬の避難所マーカーを切り替えるシステムに用いられている。 +\subsection{マーカー画像} +マーカーの画像はfavicon.icoを用いる。Webページはサイトのディレクトリからこの拡張子があるファイルを探し、アイコンとして認識する仕組みとなっている。拡張子の変換にはPNGやJPGなどの画像を変換して作成するが、本システムにはLeafletに元からあったfavicon.icoを用いている。 \begin{center} \begin{figure}[htp] \includegraphics[clip,scale=0.4]{marker.png} @@ -232,7 +234,7 @@ \section{スマートフォンへの対応} 日本国内のスマートフォンの普及率は2019年2月時点で85%とされている。そのため、スマートフォン向けの画面に設定した。Androidに特化したアプリケーションを作成するのであれば、Android Studioや、IPhoneであればXcode、AndroidとIPhoneの両方に対応したReact Nativeが挙げられる[24][25][26]。本研究でAndroid StudioやXcode等を用いず、viewportを変更することで、スマートフォンに対応するようにした。viewportとは画面の表示領域を指し、パソコンのデスクトップ画面もこれに相当する。スマートフォンは幅が小さいので、幅に合わせると文字が小さくなるが、パソコンでの表示と同じ見栄えを保つことが可能となる[27]。 \subsection{文字の大きさ} -情報機器を扱うことが難しい使用者でも扱えることを考慮し、文字の大きさを大きめに設定する。使用者が見やすいように、CSSを用いて文字の大きさを2から4に引き上げた。また、特に重要な箇所は文字の色を変えることとした[28]。 +情報機器を扱うことが難しい使用者でも扱えることを考慮し、文字の大きさを大きめに設定する。使用者が見やすいように、CSSを用いて文字の大きさを増やした。また、特に重要な箇所は文字の色を変えることとした[28]。 \chapter{考察} ハザードマップは避難活動を助けるツールであるため、使用者の視点にならないと評価がしにくい。そこで、10人を被験者として、作成したハザードマップを評価してもらう。スマートフォンの使用が分からない人には、パソコンを用いて実験を行った。 \section{実験方法} @@ -242,16 +244,16 @@ この実験で得られた評価を箇条書きに表す。 \subsection{評価} \begin{itemize} - \item[津波到達範囲が表示されており、避難所を見分けることができる。] - \item[津波や土砂災害が発生する可能性のある避難所を見分けられる。] - \item[動きが快適で使いやすい。] + \item[1]津波到達範囲が表示されており、避難所を見分けることができる。 + \item[2]津波や土砂災害が発生する可能性のある避難所を見分けられる。 + \item[3]動きが快適で使いやすい。 \end{itemize} \subsection{意見} \begin{itemize} -\item[マーカーが分かりづらい] -\item[文字が小さくてわかりにくい] -\item[わかりやすい解説書がほしい] -\item[スマートフォンに対応されていない。] +\item[1]マーカーが分かりづらい +\item[2]文字が小さくてわかりにくい +\item[3]わかりやすい解説書がほしい +\item[4]スマートフォンに対応されていない。 \end{itemize} 評価で一番多かったのが「津波到達範囲の表示がされていて、避難所が危険かどうか分かりやすい」だった。意見では、「マーカーが分かりにくい」が多かった。 \begin{center}