diff --git a/c116041-redume.tex b/c116041-redume.tex index 74bf695..6138c91 100644 --- a/c116041-redume.tex +++ b/c116041-redume.tex @@ -33,9 +33,9 @@ ハザードマップは東日本大震災以降に大幅な見直しがなされたが,地震ハザード評価\footnote[2]{気象庁が行っている,ある地点に対して影響を及ぼす全部の地震を想定して,その地点が被災した後の被害規模を予測する評価方法。}による被害の予測結果に依存しすぎて予測の不確実性が考慮できていなかったこと,地質条件や地形に合わせた避難の仕方が未記載だったことが2016年に明らかとなった。特に,地震や津波のハザードマップは災害像を予想しにくいため,発生源や断層,地域防災単位,過去に発生した地震の情報等の表記が必要である。また,行政や非営利団体による促進が上手く行かず,ハザードマップの認知度が極めて低いという問題点もある \begin{itemize} \item 予想が難しい \par - 自然災害が相手であるため,規模や被害状況,どこで発生するかを明確に特定しにくく,対策が難しい。そのため,事前の情報を明記することができず,被害が大きくなる。その事例が東日本大震災の事例である。宮城県,福島県含む三陸沖は400〜700年周期で東日本大震災と同じ規模の地震が発生しているが,数百年という長い年月で発生しているため明記する必要性がないと考えていたので,対策もできていなかった。 + 自然災害が相手であるため,規模や被害状況,どこで発生するかを明確に特定しにくく,対策が難しい。そのため,事前の情報を明記することができず,被害が大きくなる。 \item 見落としがある \par - これは2016年に発生した熊本地震での事例である。熊本地震では,西原村と益城町では震度7を記録した。しかし行政から出されたハザードマップには西原村と益城町が震央の上にあることが明記されておらず,対策もできないため,被害を被ってしまった。 + これは2016年に発生した熊本地震での事例である。熊本地震では,西原村と益城町では震度7を記録した。しかし行政のハザードマップにはこの二つが震央の上にあることが明記されておらず,対策もできずに被害を被ってしまった。 \item 関心が薄い \par ハザードマップは防災訓練や,実際に発生した場合以外は使用頻度が少ないので,主に若い年代層の認知度は低いと見られている(図1.1)。また,実際に地震が発生して無事だった場合,災害規模を自分勝手な判断で分析してしまい,安心してしまう住民もいる。 \end{itemize} @@ -58,7 +58,7 @@ \item JavaScript \par ソフトウェア上で動的な表現を行うためのプログラミング言語である。2010年以降からはライブラリが拡張され,Web開発のすべての領域で扱われるようになった。本研究では,LeafletやJQueryの母体としてハザードマップの移動やマーカーの切り替えを行う役目を担っている。 \item HTML5 \par - HTMLは1989年にTim Berners-Leeによって提唱されたWebページの作成するための言語のことで,HyperText Markup Languageの略称である。HTML5はスマートフォンの普及とともに,スマートフォンの対応が容易になったものであり,これによって音声や動画を埋め込むことが可能となった。また,SGML(Standard Generalized Markup Language)文書\footnote[9]{電子出版物や大量の文書を処理するために,ISOによって定義されたマークアップ言語のこと。マークアップ言語とは,文章をタグと呼ばれる文字列で囲うことで,ハイパーリンク,文字の大きさや色などの修飾情報を文章内に記述するための言語である。}を用いたSGML宣言を行う必要もなくなった。 + HTMLは1989年にTim Berners-Leeによって提唱されたWebページの作成するための言語のことで,HyperText Markup Languageの略称である。HTML5はスマートフォンの普及とともに,スマートフォンの対応が容易になったものであり,本システムではWebページの構成に用いられている。 \item CSS3 \par Cascading Style Sheetsの略称で,1994年にCERNのHåkon Wium Lieによって提唱されたHTMLと組み合わせて使用するW3C\footnote[10]{World Wide Webによる各種技術の標準化を推奨するために設立された非営利団体。}によるWeb上の文書構造を保つ仕様である。Cascading Style SheetsのCascadingには「滝のように流れる」という意味があり,CSSの構造は上から定義されたスタイルが,下部に引き継がれて適用される仕組みになっている。本研究では,ハザードマップを表示するための「leaflet.css」として使用されている。 \end{itemize} @@ -91,7 +91,7 @@ 避難所や危険区域の位置がどこであるかを調べるために実装している。位置座標の表示にはlatlngクラスを用いている。latは緯度,lngは経度を表している。 \begin{center} \begin{figure}[htp] - \includegraphics[clip,scale=0.5]{capture.png} + \includegraphics[clip,scale=0.1]{capture.png} \caption{latlngを用いた座標を示す機能を用いた例。} \end{figure} \end{center} @@ -99,7 +99,7 @@ 津波到達範囲を可視化にはポリゴンを用いる。可視化を行うにおいて,酒田市のハザードマップと国土交通省のハザードマップのデータを用いる。抽出されたデータはuMap\footnote[14]{WTFPLでライセンスを受けたレイヤー付きマップを埋め込むためのオープンソースソフトウェアのこと。WTFPLとは二次使用や改変,再頒布について無制限に使用してよいという許諾を得たオープンソースライセンスのことである。}を通してOpenStreetMapのデータに変換して表示している。 \begin{center} \begin{figure}[htp] - \includegraphics[clip,scale=0.4]{newmap2.png} + \includegraphics[clip,scale=0.1]{newmap2.png} \caption{leaflet機能の一つ,pollygonを用いて色分けをした例} \end{figure} \end{center} @@ -109,7 +109,7 @@ マーカーの画像はfavicon.icoを用いる。Webページはサイトのディレクトリからこのfavicon.icoを探し,アイコンとして認識する仕組みとなっている。拡張子の変換にはPNGやJPGなどの画像を変換して作成するが,本システムにはLeafletのプラグインから拝借したfavicon.icoを用いている\cite{24}。 \begin{center} \begin{figure}[htp] - \includegraphics[clip,scale=0.4]{marker.png} + \includegraphics[clip,scale=0.1]{marker.png} \caption{マーカーで避難所を表している。色によって避難所の危険度が表される。} \end{figure} \end{center} @@ -142,6 +142,6 @@ 生活していくのかを考えることが重要である。 本システムがハザードマップとしての利用価値を認められた際には,このような視点から取り組み,信頼性と安全性を向上させるために貢献する所存である。 \subsection{今後の展望} -本研究では範囲を酒田市のみと定めてハザードマップを作成したが,山形県全域を含めたハザードマップを作成していきたいと考えている。特に内陸では火災や土砂災害が二次災害として発生する傾向にあるのでこれらを考慮したマップを作成することを考えている。また,今回使用した位置情報読み取り機能は自然災害だけでなく,行方不明者を捜索する際に,スマートフォン等に埋め込むことによって行方不明者を軽減することができると考えられる。行方不明者の中にも,スマートフォンを所持している可能性があるため,彼らの捜索にも活かされるだろうと考えられる。 +本研究では範囲を酒田市のみと定めてハザードマップを作成したが,山形県全域を含めたハザードマップを作成していきたいと考えている。特に内陸では火災や土砂災害が二次災害として発生する傾向にあるのでこれらを考慮したマップを作成することを考えている。 \section{参考文献} \end{document}