diff --git a/c116041-redume.tex b/c116041-redume.tex deleted file mode 100644 index 54c68d5..0000000 --- a/c116041-redume.tex +++ /dev/null @@ -1,84 +0,0 @@ -\documentclass[a4j,twocolumn]{jarticle} -%\documentclass{jarticle} - -\usepackage[dvipdfmx]{graphicx} -\thispagestyle{empty} -\addtolength{\topmargin}{-2cm} -\addtolength{\textheight}{3cm} -\addtolength{\textwidth}{1cm} -\addtolength{\oddsidemargin}{-0.5cm} -\addtolength{\evensidemargin}{0.5cm} -\usepackage{ulem,color,graphicx,eclbkbox} -\usepackage{multicol} -\usepackage{listings} -\usepackage{url} -\title{季節変化に対応したGPS読み取り機能付き\\Webハザードマップについての研究} -\author{広瀬研究室 4年 C1160416 小野寺寛之 - \\ - } -\date{} -\begin{document} -\twocolumn[ -\maketitle -\begin{center} - \abstract -ハザードマップとは,災害(hazard)が発生した際に想定される災害の規模を表した地図である。しかし,地域の環境に見合ったハザードマップは存在しない。そこで本研究では環境や季節の変化に見合ったハザードマップを作成し,社会的意義を見出すことを目的としている。 -\end{center} -] -\section{背景} -2011年の東日本大震災以来,日本は3度の巨大地震に巻き込まれてきた。この経験から,山形県の庄内地域も地震や地震によって引き起こされる津波などの二次災害とは無縁ではなくなった。しかも,2019年には山形県沖で震度5強の地震が,東日本では台風19号が発生したので, -\section{既存のハザードマップの問題点} -\subsection{既存の研究の問題点} -ハザードマップは東日本大震災以降に大幅な見直しがなされたが,地震ハザード評価\footnote[2]{気象庁が行っている,ある地点に対して影響を及ぼす全部の地震を想定して,その地点が被災した後の被害規模を予測する評価方法。}による被害の予測結果に依存しすぎて予測の不確実性が考慮できていなかったこと,地質条件や地形に合わせた避難の仕方が未記載だったことが2016年に明らかとなった\cite{10}。特に,地震や津波のハザードマップは災害像を予想しにくいため,発生源や断層\footnote[3]{地震の予測において,どこで大地震が発生するのか把握する基準となる地層\cite{5,11}。},地域防災単位,過去に発生した地震の情報等の表記が必要である。また,行政や非営利団体による促進が上手く行かず,ハザードマップの認知度が極めて低いという問題点もある -\begin{enumerate} -\item 予想が難しい \par - 自然災害が相手であるため,規模や被害状況,どこで発生するかを明確に特定しにくく,対策が難しい。そのため,事前の情報を明記することができず,被害が大きくなる。その事例が東日本大震災の事例である\cite{12}。宮城県,福島県含む三陸沖は400〜700年周期で東日本大震災と同じ規模の地震が発生しているが,数百年という長い年月で発生しているため明記する必要性がないと考えていたので,対策もできていなかった\cite{13}。 -\item 見落としがある \par - これは2016年に発生した熊本地震での事例である。熊本地震では,西原村と益城町では震度7を記録した。しかし行政から出されたハザードマップには西原村と益城町が震央の上にあることが明記されておらず,対策もできないため,被害を被ってしまった\cite{14}。 -\item 関心が薄い \par - ハザードマップは防災訓練や,実際に発生した場合以外は使用頻度が少ないので,主に若い年代層の認知度は低いと見られている(図1.1)。また,実際に地震が発生して無事だった場合,災害規模を自分勝手な判断で分析してしまい,安心してしまう住民もいる\cite{15}。 -\end{enumerate} -\section{提案} - -\section{研究過程} - -\subsection{国土交通省の地図を元にしたハザードマップ構成} -国土交通省の地図に基づいて,環境と地形に見合った地図を作成する\cite{19}。 国土交通省のハザードマップは過去のデータと科学的な知見をもとに作成されているため,信頼性が高い。 -\subsection{高齢者にも優しい設計} -高齢者や視力が弱い人が扱うことを考慮し,文字を大きく表示させる。また,スマートフォンなどの情報機器が扱えない人や,災害時の停電で活用されることも考慮し,印刷機能を実装する。 -\subsection{避難所の場所を特定するのが簡単にできる機能} -避難所や危険区域の場所が分からない,住所を理解できてもそれを調べる方法が分からないなどの問題を解決できる機能を実装し,利便性の向上を追求する。 -\subsection{季節ごとに避難所を切り替えることができる機能} - 酒田市を含む山形県は夏と冬の季節の差が激しく,秋には台風や大雨が降る。このような状況で地震が発生した場合を想定して,避難所を切り替える機能を実装する。 -\subsection{初心者にも簡単に理解できる解説書} - ハザードマップの見方を詳細に載せているサービスは存在しない。そこで,ハザードマップの使用方法を載せた解説書を同梱し,Webページ内では先に解説書を読むことを促進させる。解説書を理解することによって,本研究以外のハザードマップを利用する際にも応用できる内容にする。 -\section{構成} - -\section{考察} -\subsection{考察} -ハザードマップは避難活動を助けるツールであるため,使用者の視点にならないと評価がやりづらい。そこで,10人を被験者として,作成したハザードマップを評価してもらう。スマートフォンの使用が分からない人には,計算機を用いて実験を行った。 -\subsection{実験方法} -実際に地震が発生したことを想定して実験を行う。想定した地震は「震央が山形県沖北緯38.6度,東経139.5度,最大震度7,震源の深さは14km,津波の高さおよそ2m」とする。被験者には実際に本研究のシステムのURLを入力,あるいはQRコードを読み取ってもらい,5分ほど使用させ,評価と意見を言ってもらうという方法を取った。 -\section{先行のサービス} - -本研究と同じくハザードマップの作成を行っている先行のサービスと本研究の比較を行う。 -\begin{description} -\item[酒田市のハザードマップ] - 酒田市役所では,洪水や津波のハザードマップの他に,地震の震度の予想分布図を表した「ゆれやすさマップ\footnote[4]{\url{https://www.city.sakata.lg.jp/jyutaku/jyutaku/taishin/taishinkaisyukeikaku.files/yureyasusa-map-sakata-A3print.pdf}}」を作成している[2]。しかし,酒田市の職員の防災意識は2018年度行政監査で,「相当低い」と指摘され4月16日から抜本的な改善を求められた\cite{20}。しかし,作成費用がかさむことと,「浸水想定地域\footnote[5]{あらかじめダメージを被るであろう地域}」は対象外とされていないため,未記載の地域もあるという弱点もある。 -\item[Google Map] - Google社\footnote[6]{Google crisis Map https://google.org/crisismap/japan}では「防災マップ」「災害情報マップ」を提供している。GPSやポリゴンを用いた震度分けのほか,気象情報を閲覧することが可能である。しかも高速で柔軟性のあるGoogle Map APIを地図のソースとして利用しているため,ハザードマップの中では高い技術を誇っているといえる。 - しかし,2019年3月に「新しいGoogle Mapへの移行」として,それまで利用していた株式会社ゼンリンからの情報提供をやめて,独自のソースに切り替えたため,「Google Mapが劣化した」,「地図の表示がおかしい」という意見が増えた\cite{21}。 -\item[Yahoo!ハザードマップ] - Yahoo!JAPAN\footnote[7]{大雨警戒レベルマップ \url{https://weather.yahoo.co.jp/weather/levelmap/?dosha=on}}では,インターネット上でリアルタイムの災害情報を掲示している。江戸時代までの過去の災害情報を記載していたり,レーダーによる雨雲の様子を表示できたりしている。また地震の他に,高潮や火山噴火を含む8つの災害のハザードマップを展開している。弱点となるような問題点は見当たらないが,季節による避難所の表示は確認されていない。 -\item[株式会社ゼンリンのハザードマップ] - 株式会社ゼンリン\footnote[8]{株式会社ゼンリン \url{https://www.zenrin.co.jp/product/category/planningmap/hazardmap/index.html}}では、一つのハザードに特化した詳細なハザードマップを作成している。冊子ではなく,1枚の地図として作成することもできるのも特徴で,避難所や防災メモのほか,土砂災害警戒区域や緊急輸送路の表示もできるという。Yahoo!マップの地図ソースもこの企業のソースであり,かつてのGoogle Mapの地図ソースの提供も行っていた。 - \end{description} -\section{結論} -\subsection{結論} -本論では,巨大地震に対する庄内地域の現状とハザードマップの問題点を正確に受け止め,バリアフリーで,庄内の季節変化に合わせたサービスを提供するために,季節変化に対応したGPS読み取り機能付きWebハザードマップを作成した。本システムには,ハザードマップ特有のマーカー切り替えと位置情報読み取り機能を最大限に発揮して,スムーズで安全な避難を促す余地が十分にある。そのためには,まず,既存の紙媒体やWeb上のハザードマップの情報を鵜呑みにせず,しっかりとその地域に見合った環境,地形,歴史,地質を理解し,地震大国日本でどのように -生活していくのかを考えることが重要である。 -本システムがハザードマップとしての利用価値を認められた際には,このような視点から取り組み,信頼性と安全性を向上させるために貢献する所存である。 -\subsection{今後の展望} -本研究では範囲を酒田市のみと定めてハザードマップを作成したが,山形県全域を含めたハザードマップを作成していきたいと考えている。特に内陸では火災や土砂災害が二次災害として発生する傾向にあるのでこれらを考慮したマップを作成することを考えている。また,今回使用した位置情報読み取り機能は自然災害だけでなく,行方不明者を捜索する際に,スマートフォン等に埋め込むことによって行方不明者を軽減することができると考えられる。行方不明者の中にも,スマートフォンを所持している可能性があるため,彼らの捜索にも活かされるだろうと考えられる。 -\section{参考文献} -\end{document}